にじさんじ所属の人気VTuber・叶さん 1st mini album「flores」発売記念インタビュー|「心の支えになるような活動をしていきたい」叶さんらしさ溢れる“花”が咲いていく1枚に
YouTube登録者数100万人を突破し、ゲーム配信を中心に多くのファンから人気を集めているにじさんじ所属のバーチャルライバー・叶(かなえ)さん。
バンダイナムコミュージックライブの音楽レーベルLantisよりメジャーデビューが決定し、7月27日(水)には1st mini album「flores」が発売となります。
そこでアニメイトタイムズでは、叶さんにインタビューを実施しました。「みんなの心の支えになるような活動をしていきたい」と話す叶さん。
メジャーデビューの経緯や「flores」の制作秘話、これからのアーティスト活動など、“アーティスト・叶”としてのお話をたっぷりと伺いました。
1st mini albumは “花”がテーマ
――まずは、メジャーデビューまでの経緯と決まったときのお気持ちをお聞かせください。
叶さん(以下、叶):たぶん、僕が同じにじさんじ内でレーベル活動されている方を見て、「ちょっと興味がある」とマネージャーに話をしたのがきっかけになったと思います。
メジャーデビューのお話をもらったときは正直少し不安でした。やれることはやるつもりでしたが、僕はあまり歌に自信があるわけじゃないので“うまくやれるかな?”という不安と、新しいことを始めるというワクワクがありました。
――不安とワクワク、正直どちらのほうが大きかったですか?
叶:不安ですね。ちょっと怖かったというか、ビビってました。僕はゲーム実況を主にやっていた人だったので、音楽活動というちょっと違う方向性が増えることでリスナーがどう思うのかなという気持ちはあったんですけど、みんなすごく喜んでくれていて安心しました。
――ゲーム実況を主にやられてこられた叶さんがメジャーデビューを果たすということで、音楽性についても少しお伺いできればと思います。普段はどのような音楽を好んで聞かれているのでしょうか。
叶:普段は割と、メジャーな曲というよりもちょっとマイナーなボカロ曲を聴くことが多いです。正直、曲のジャンルでこれが好き!というものがあんまりなくて……。TikTokで流行っている耳当たりの良い曲や印象に残る曲を聴いたり、マイナーな曲でもいろいろ聴いてお気に入りの曲を探したりするのが結構好きです。
――最近はどのような曲を聴いていますか?
叶:最近だと、TikTokで流行っている曲をよく聴いていました。たとえば、SEKAI NO OWARIさんの「Habit」とか、すごく不思議な曲ですよね。
――不思議と耳に残る曲ですよね。また、メジャーデビューを報告された配信で音楽に対する見方や考え方が変わったと話されていましたが、具体的にどのようなところが変わったのでしょうか。
叶:流し聞きをしなくなったというか、これまでなんとな~く曲を流して好きかどうかを判断していたところがあったんです。そんなに曲自体に意味がなかったとしても耳当たりが良かったり、好きなフレーズがあったりすればその曲を聴いていましたが、今はその曲を通じて、その曲を作った方が何を伝えたかったのかを気にするようになりました。なんかこう、曲を聴きながら情景を思い浮かべるような感じです。
――それは楽曲を自分の声で表現する側になったからこその変化なのでしょうね。
叶:そうですね。その変化はポジティブだと思うんですけど、ある部分では少しネガティブになるのかなぁとも思ったりもしています。楽しみ方が変わっちゃったことが本当に良かったのかどうかは、まだ自分でもよくわかっていないんです。
ただ、今でもすごく楽しめてはいるので悪いことではないと思いつつ、曲を深く聴くようになったことで、「浅く聴く」ということを、1つ失ったってことなのかなぁとも思います。
――客観的に分析されているところに叶さんらしさを感じます。その叶さん“らしさ”が1st mini album「flores」にも詰まっていると思いますが、“花”がテーマになっているそうですね。
叶:はい。僕が単純に花が好きなのでこのテーマに決まりました。やっぱり好きなものってテーマにしやすかったり歌いやすかったり、イメージしやすい印象があって、花が好きな理由とかも表現しやすいかなと思ったんです。花言葉や色によって意味が違ったり、咲いて枯れていくところもすごく好きだったりするので、“花”をテーマにしました。
――全体的にこだわったところや叶さんがオーダーした部分はあるのでしょうか?
叶:曲調はこういう感じにしたいとお話をさせていただきましたが、歌詞は僕の気持ちを汲み取ってくださいました。僕は初めてだったので焦ったりドキマギしたりしていたんですけど、「こういうのどうかな?」「こういうのがあったら言ってね」と制作の方々がすごくリラックスさせてくれて。
特に、和賀さん(サウンドプロデューサーの和賀裕希さん)が気をつかってくださったので、オーダーしたというよりもうまく言えなかったので汲んでもらったことが多かったです。
ただ、曲のタイトルは自分でつけさせてもらいました。
――全5曲のタイトルを自分でつけられたのですか?
叶:僕が決めたのは「DAMASHI DAMASHI」と「ANEMONE」と「モラトリアム」です。いくつか候補がある中で“これが良いです”と選ばせていただきました。あとは、表記の仕方もこだわった部分です。名前をつけることって結構“重い”というか、責任重大みたいな印象があったので名前は極力自分でつけたい、納得した名前をつけたいなと思っていました。