この記事をかいた人
- タイラ
- 99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えない間「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行いライターに。
忘れてはいけないのが本作の楽曲です。主題歌、劇中歌をCreepy Nutsが担当しています。
アニメのタイアップ曲は初めてだと思うのですが、今波に乗っているユニットですし、『ヒプノシスマイク』での楽曲提供時にはどついたれ本舗のキャラクターや関係性を最大限に取り込みつつ、落語や漫才のようなリズミカルで楽しい和なトラックで完璧な曲でしたよね。
なので、今回も作品にぴったりな最高の曲を作ってくれると勝手に期待しておりました。現時点では劇中歌も含めると合計で3曲彼らの曲が使われていますが、期待通り最高の曲たちです!
どの曲も良くてたまらないので、新規楽曲を中心に勝手に語らせて頂きます!
「よふかしのうた」は2019年8月にリリースされたアルバム「よふかしのうた」の表題曲です。アップテンポでノリやすく、テンションが上がる楽曲です。筆者も夜のドライブで聞きまくっていました。
Creepy Nutsの楽曲において、「夜」テーマの曲は多いんですがこの曲ではMCのRさんが「夜、テレビ、ラジオ、ヒップホップ等」との出会いと共に過ごしてきた時間を歌っています。
夜に盛り上がりがちなエンタメを“お前”と呼んで、関係性を綴っている部分もあるんですよね。筆者もラジオや深夜アニメ・バラエティが大好きで、親の目を盗んでは楽しんでいたのですごく共感ができる。このような「罪悪感が混じったよふかし」は誰でも体験したことがあるでしょう。そのよふかしの果てに、ラッパーやDJという生き方があるんですよね。
この曲はお笑いコンビ・オードリーさんのラジオのツアーイベントテーマソングにもなっていますし、『よふかしのうた』のタイトルにもなっています。オードリーさんもコトヤマ先生もそのようなよふかしの感覚に親和性を感じて楽曲をチョイスしたのではないでしょうか!
いきなりRさんのラップからスタートする勢いのある曲で、ジャズミュージック風の気持ちよさがありますよね。OPテーマにぴったりな心地よさです。流石、松永さん。
ヒップホップでは、「よふかしのうた」のように自身の経験を元にラップをするタイプの曲と、架空の物語を語るような「ストーリーテリング型」の曲があります(他にもある)。
「堕天」はどちらかというと後者側の曲で、Creepy Nutsの曲では割りと珍しい楽曲です。しかし、Rさんはどんなラップも得意なので『よふかしのうた』の作品とも結びつけつつ、楽曲単体でも楽しめるような曲になっています。
歌詞の内容は旧約聖書で描かれる禁断の果実関連のお話を引用していて、ナズナとコウが惹かれ合って堕ちていく様も想像できますね。明るい曲調でありながら、世界観や夜の世界に浸っていくような松永さんの曲作りも見事です。
そしてその歌詞と楽曲の展開がリンクしている点がおもしろい!実際に聴いてみると分かるのですが、この曲では音が止まってからまたサビで盛り上がるセクションがあります。盛り上がって大サビが来るかな……?と思いきや音が鳴り止んで、からのサビという構成です。
歌詞では「ものたりない、後少しだけ……」という言い回しが登場していて、この楽曲の展開と見事にリンクしているんですよね。良い所で音楽が止まって、「もう終わり?あとちょっと聞きたかったな……」と思ったら大サビ入るという!
他にもたくさん工夫やいろんな解釈ができる所だらけだと思いますので、もっと聞き込みたいと思っています!
筆者は特にこの曲が大好きです。超おしゃれでメロディアスなトラックで、夜ドライブ後半にぴったりな「ロスタイム」。『よふかしのうた』第2話で初使用された曲ですね。
曲調の気持ちよさもいいですが、Rさんによる「夜の風景描写」が完璧です。まるで小説のようですよ。
まずタイトルである「ロスタイム」の解釈から。公開されている部分の歌詞を聴いた所、「夜の散歩」の曲であることがわかります。まさに劇中でコウやナズナがうろついているような、目的は特に無いけどなんだか夜に散歩したい時の曲です。まさに一日の終り際の「ロスタイム」!
歌詞は夜に街を歩いていると目に入る者たちを歌っています。それがめちゃくちゃ詩的でかっこいいんです。ストレートに言うと、夜歩いてる時の自販機の雑音や、車が通っていない道路なんかを見てラップしてるんですけど、「電信柱の寝息」「うたた寝した自販機」「幹線道路の欠伸」など良い表現するんですよ。
しかもちょっとキザっぽいと言うか、昼間は何でも無いようなモノや場所でも変わって見えたり、夜出歩いているときって何でもこういう風にエモく捉えて変換しちゃうじゃないですか。その風景や言葉のチョイスが絶妙なんですよね。
散歩しながら自分の妄想の中で世界を構築していく感じがすごく共感できます。
特に好きな歌詞は「今吸い込んだ 120円の夜景 缶コーヒー片手」の部分ですかね。自販機の表示やライトを「120円の夜景」って表現するか!?
筆者は100万ドルの夜景よりも「120円の夜景」の方が好きです。天才!「缶コーヒー片手」でしっかり韻も踏んでいるところも好きです。
ちょっと暴走してしまいましたが、この様に素晴らしい作品と楽曲がマッチしていて見事に作品の虜になってしまいました。
この原稿を書いているのも夜中なので、終わり次第散歩に出かけようと思います。『よふかしのうた』好きだ……!
99年生まれ、沖縄県出身。コロナ禍で大学に通えなかったので、「100日間毎日映画レビュー」を個人ブログで行い、ライターに舵をきりました。面白いコンテンツを発掘して、壁に向かってプレゼンするか記事にしています。アニメ、お笑い、音楽、格闘ゲーム、読書など余暇を楽しませてくれるエンタメや可愛い女の子の絵が好きです。なんでもやります!
2022年7月7日よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜 24:55〜放送中
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」
女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。
さらには、夜に眠れない日々が続いている。
そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。
夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。
そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。
彼女は、夜の住人・吸血鬼。
コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。
「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」
夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。
「俺を吸血鬼にしてください」
ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは……
「人が、吸血鬼に恋をすること!」
果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!?
ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
2022年7月7日よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜24:55〜放送
※初回放送は25時05分より放送
※放送時間は変更の可能性があります
7月8日(金)12:00より順次配信スタート
■見放題配信
Amazon Prime Video/dアニメストア/Disney+(ディズニープラス)/dTV/FOD/J:COMオンデマンド/milplus/NETFLIX/U-NEXT/アニメ放題/バンダイチャンネル/ひかりTV
■レンタル配信
Amazon Prime Video/Google Play/GYAO!ストア/HAPPY!動画/J:COMオンデマンド/music.jp/Rakuten TV/バンダイチャンネル/ひかりTV/ビデオマーケット/ムービーフルPlus
原作:コトヤマ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:板村智幸
チーフディレクター:宮西哲也
脚本:横手美智子
キャラクターデザイン:佐川 遥
音楽:出羽良彰
美術設定:杉山晋史
美術監督:横松紀彦
色彩設計:滝沢いづみ
色彩設計補佐:きつかわあさみ
撮影監督:土本優貴
編集:榎田美咲
音響監督:木村絵理子
オープニング・テーマ:Creepy Nuts「堕天」(Sony Music Labels Inc.)
エンディング・テーマ:Creepy Nuts「よふかしのうた」(Sony Music Labels Inc.)
アニメーション制作:ライデンフィルム
夜守コウ:佐藤 元
七草ナズナ:雨宮 天
朝井アキラ:花守ゆみり
桔梗セリ:戸松 遥
平田ニコ:喜多村英梨
本田カブラ:伊藤 静
小繁縷ミドリ:大空直美
蘿蔔ハツカ:和氣あず未
夕 真昼:小野賢章
秋山昭人:吉野裕行
白河清澄:日笠陽子
著:コトヤマ
アニメ原作コミックス1~11巻好評発売中
「よふかしのうた」/コトヤマ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
7 月15日(金)最新12巻発売!