Creepy Nuts×美少女吸血鬼!? HIPHOP好きライターが夏アニメ『よふかしのうた』を視聴して完全に虜になった話
『だがしかし』などで知られる人気漫画家のコトヤマ先生が週刊少年サンデーで連載中の『よふかしのうた』。本作は人気ヒップホップアーティストCreepy Nutsの楽曲「よふかしのうた」をタイトルに使用した作品となっています。
また、2022年7月7日(木)よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて、本作を原作とした夏アニメ『よふかしのうた』が放送中です。
筆者はヒップホップが好きで、「高校生ラップ選手権」や「フリースタイルダンジョン」(どちらもラップバトルを題材にした番組)などラップバトルが世に知れ渡った時代に思春期を過ごしました。
Creepy NutsのMCを務めるR-指定さん(以下、Rさん)は、ラップバトル界において伝説的な存在なのでもちろん憧れの存在ですし、DJを担当するDJ松永さん(以下、松永さん)もDJの大会で世界チャンピオンになるほどの実力者。当然彼らの楽曲もチェックしています。
『よふかしのうた』はOP・EDテーマもCreepy Nutsが担当ですし、作品タイトルの由来にもなるという縁もゆかりもありまくりということで本作を視聴。
Creepy Nutsも好きですし、チョロそうなお姉さんヒロインも大好きなのですぐに作品の虜になってしまいました……!
本稿では見るものの心を奪うよふかし系ラブコメ『よふかしのうた』の魅力と、Creepy Nutsの素晴らしい楽曲について全力オタク語りさせていただきます!
目次
ストレートなラブコメじゃない『よふかしのうた』
本作は中学2年生の夜守コウがとあるきっかけによって、夜の街を散策するようになり、吸血鬼である七草ナズナと出会い、物語が始まります。
劇中で描かれるのは基本的に夜に起こる出来事のみ。主人公が学生であるにも関わらず、夜の公園やネオン街で展開されます。
原作のコトヤマ先生はインタビュー等で、ストレートなラブコメは恥ずかしさもあって描けないと語っていたのですが、その言葉通り真っ直ぐではない新鮮なポイントがいくつかあるんですよね。
みなさんも本作を見ていて、様々な感想を持っていると思うのですが、この作品のちょっとひねくれている部分に心をくすぐられるのだと筆者は思います!
新感覚“よふかし”系ラブコメ
ズバリ言いますが、コウもナズナも幼なじみのアキラもマイルドに変人じゃありませんか?
ラブコメだけでなく、昨今の作品はキャラの心情など現実に近い「リアル志向」な一面があると思うんですが、『よふかしのうた』のキャラクターはまるでギャグ漫画のような、フィクションらしいキャラ付けがされているんです。
ナズナは吸血鬼で下ネタが大好きだけど、初心なところがあったり。そもそもコウはナズナが吸血鬼であることを簡単に受け入れていたりと、アニメであるからこそのパーソナリティになっている。
アニメ全体のビジュアルや、劇中に流れる空気感が夜っぽくて、大人なリアリティがあるのにも関わらず、デフォルメされたわかりやすいキャラクターとシュールなテンポ感とギャグが繰り広げられていきます。
そのギャップが新感覚でクセになるんですよね。実際筆者も『物語シリーズ』的な硬さがあるのかなと思っていたんですが、脱力系ギャグな印象で驚きました。
コトヤマ先生的にキャラクターたちが一生懸命に恋愛するのがちょっと恥ずかしくて、ギャグよりな設定にしただけかもしれないんですが、現実と非現実のバランスがなんだか心地よくて魅入ってしまいますね。
「人間は日々が充実するとよく寝れる」
「夜」という舞台を上手く活用して独特な面白さを醸している本作ですが、「よふかしする」という行為にフォーカスしている点も魅力です。
吸血鬼・ナズナのセリフにて「日々が充実すると眠れるようになる」と語られますが、これが物語の1つのテーマになっているのでは?と考えています。劇中で何度か口にされていますし、決めのセリフとして演出されていました。
彼女の言葉を借りると、人間は日々が充実してないからついよふかしをしてしまうということになりますね。
コウは不登校なので日中はあまり活動していないようですし、幼なじみのアキラは学校も家もつまらないと発言しています。体を動かしてないから寝れないという物理的な理由もあるとは思うのですが、ナズナの言う充実とは精神的な充実感ではないでしょうか?
コウもアキラも、孤独で他者とのつながりがありません。ナズナと徐々に関係を築いて、つながりを持つと寝れるようになっています。
筆者もよふかし人間なので、ナズナのセリフが刺さっちゃう事も……。まだまだ物語の途中なのでどうなるかわかりませんが、彼らのよふかしの先に何が待っているのか楽しみです!