声優・山下大輝さん&東山奈央さん 出演! 悩める就活生と会社員が未来を切り開く短編アニメが公開! 声優陣特別コメント、制作陣対談インタビュが到着!
公益社団法人色彩検定協会による、色彩検定が頑張る人の背中を押す短編アニメ『色を知るたび、世界が広くなる』。2022年8月18日(木)より「就活篇」、8月25日(木)より「私の仕事篇」が、特設サイトおよび公式YouTubeチャンネルにて公開となります。
本作は、同級生にどんどん先を越され、未来に焦りを感じる就活生と、クライアントとデザイナーに挟まれ翻弄される施工会社の社員。悩みを抱える主人公たちが色彩検定を通して未来を切り開く物語。
就活生役を山下大輝さん、社員役を東山奈央さんが演じるほか、キャラクターデザインを『ブルーピリオド』の山口つばさ先生、アニメーション制作を『SPY×FAMILY』の CloverWorks が担当。豪華タッグによるアニメーション動画に仕上がっています。
動画の公開を記念して、山下さん、東山さんに、出演の感想や見どころ、ご自身と役どころの共通点などをうかがった特別コメントと、山口先生、CloverWorks、色彩検定協会による対談インタビューが公開となりました。
ショートアニメ『色を知るたび、世界が広くなる』就活篇
主人公:北山緋彩(CV.山下大輝)
公開日時:2022年8月18日(木)AM11:00
デザイン専門学校に通う主人公、北山 緋彩(きたやま ひいろ)。シーンは商品のホームページをデザインする授業中。
美術が得意だからと入学したものの、思うように上手くはいかない様子。「自分に何が足りないのかもわからない...」頭を抱える緋彩。追い打ちをかけるように、焦りと不安を煽り立てる就活の波が訪れる。電車に揺られながら就活サイトをなんとなく見漁り、適当に押した企業のサイトに目が留まった緋彩は、サイトをデザインした社員のインタビュー動画を開く。
「(デザインが)面白くなったのは、色を学んでからです。確実な知識が土台にあることで迷いなく一歩が踏み出せて。ただ尻込みしてただけなんですよ」そう語る社員が色彩検定のテキストを持っていることに気づいた緋彩は、電車の扉が開くと同時に一歩を踏み出す。色彩検定のテキストを手に取り、夢中で読み込む緋彩。白紙だったエントリーシートも徐々に埋まっていく。
その2年後、緋彩はウェブデザイン会社に勤めていた。「新卒採用のページに社員インタビューを掲載したいんだけど、どうかな?」突然話しかけてきたのはあのインタビューに答えていた社員。緋彩は驚きつつも、笑顔で「はい!僕でよければ!」と答えるのだった。
特設サイト:https://www.aft.or.jp/findyourtruecolors
ショートアニメ『色を知るたび、世界が広くなる』私の仕事篇
主人公:南七世(CV.東山奈央)
公開日時:2022年8月25日(木)AM11:00
公開チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCFP7EjkoMlLXI6aNRgG8nYQ
施工会社に勤める主人公、南 七世(みなみ ななせ)。確定で進めていたデザインに、突然変更の要望が舞い込んでくる。デザイナーと再度打ち合わせをするも、解決の糸口が見つからず何も言えない七世。入社3年目、任されるプロジェクトの大きさに比例して重くなっていく責任。散らかった自宅のクッションに倒れ込んだ七世のもとにたまたま現れたのは、就活の時に勉強していた色彩検定のテキストだった。テキストを見返した七世は、ある決心をするーー。
特設サイト:https://www.aft.or.jp/findyourtruecolors
声優陣 特別コメント
山下大輝 コメント
――山口先生の作品「ブルーピリオド」のアニメにも出演されている山下さん。今回の山口先生×CloverWorks によるアニメーション動画のオファーを聞いた時はどのように感じましたか?
すごく力が入ってるな、と思いました。プロの漫画家さんとプロのアニメスタジオさんのタッグで作るところに本気度を感じましたし、完成が楽しみだなと思いましたね。山口先生の個性的で、分かりやすい絵が個人的にすごく好きなので、漫画のブルーピリオドもがっつり読ませていただいてまして。先生が描く違うキャラクターはどんな風になるんだろうなと非常に楽しみでした。
――収録時の印象に残っている出来事や、動画の見どころについてお聞かせください。
動画のストーリーを見て、きっかけっていろんなところに転がっているんだなと思いました。普段見ていないところで実はこんな工夫がされていたり...というような視点が新鮮でした。たまに街を歩いていると、すごく目を引くものがあって「なんかいいな」と思ってもそのまま過ぎてしまうことがあるのですが、この「なんかいいな」をさらに深堀していくと自分のパワーになるのかなと改めて思いました。
「私の仕事篇」でディスプレイの色合いに一目惚れするシーンがあるのですが、同じ出来事が実際にもあって。銀座のガラス張りになってるところのレイアウトがシーズンごとに変わっていて、ディスプレイが毎回いいな、と(笑)。宇宙飛行士がいて、色合いがすごく綺麗で素敵だなと思って写真を撮った記憶があります。そういうところで目を引くことはとても大変なことですが、誰かの力になるぐらいすごく大切なことなんだなと思います。
僕自身もグッズとかを選ぶ機会があるのですが、そういった時に「自分は良いと思うけど周りの人はどう思うのだろう」という感覚を今後色々考えていけたらなと、改めて自分を振り返ることができました。
――本動画は、悩みを抱える主人公たちが色彩検定を通して未来を切り開く物語です。声優のお仕事で山下さんがこれまでに一番悩んだ、または辛かったエピソードを教えてください。また、辛いことがあった時は、どのようにして乗り越えていますか?
辛いなと思っているところを乗り越えたら、その辛さも楽しくなっていくというか、辛いままで終わらないというか、終わらせたくないみたいなところがあって(笑)。辛いまま終わってしまったら嫌だなということは、どうにか自分で楽しくできたらいいなと思っています。
でも、シンプルに叫びの演技が重なったりすると喉的にしんどい。そういう時は、悔しいなとは思うのですが、自分の体のことだから正直どうにもならないというか...。その後しっかりご飯を食べて、休息するとか、仕事を重ねる度に自分のキャパシティーを知ってどう向き合っていくか、というところだと思います。
自分的には、大変だなと思った日は我慢せず自分へのご褒美で好きなものを好きなだけ食べる、ということをしていると、割と心も体もポジティブに前向きになれているなと思いますね。もうバッカみたいに食べまくる。「疲れたな~!」という時はもう値段とか見ず「これー!」みたいな(笑)。そんな感じで食べた方が、気持ちも晴れやかになりますね。
――作中では、同級生にどんどん先を越され、未来に焦りを感じる就活生を演じていただきました。山下さんの性格や過去の経験など、主人公と重なるところはありましたか?
父がテニスのコーチをしているので、本当に小さいころからテニスばかりやっていたんです。身長がそこまで大きくないのですが、周りは中学生・高校生になってくると、体がどんどん大きくなってくるんですよ。やはり体が大きい方が必然的にパワーもあるし、コート上からの色んなアプローチの仕方も、大きければ大きいほど自由になっていく、みたいなところが目に見えて分かっていって。
最初のうちは勝てていた子が、いきなり大きくなって強くなっていって高校の時には負けてしまうとか、結構そういう悔しいことがあったので、その経験は主人公ともリンクするなと思います。
でもどうしようもないというか...なかなかそこから巻き返せないというか、歯がゆい思いは結構あったので、主人公の焦りは分かるなと思いましたね。そこからの気持ちの切り替え方は、各々で見つけるしかないなと思いますし、でも周りからのサポートもあると思うので、それぞれに合う道というものが、これだけじゃない道みたいなものがあるんだなと思います。
――色彩を学ぶみなさんに、応援メッセージをお願いします。
僕には分からない、すごく複雑でそしてめちゃくちゃ面白い世界なんだろうなとは思います。道は違えど繋がっているような気もしていて、僕も努力していつか皆さんと一緒にお仕事できる日が来たらいいなと思います。
もしこのメッセージを聞いている人がいつか未来で一緒に仕事ができる日があったら、その時は是非「あの時のやつ聞いてました!」なんて言ってもらえたらすごく嬉しいです。是非その時は一緒に楽しい仕事をしましょう。
誕生日:9月7日
出身地:静岡県
2012年に声優デビュー。2014年には第8回声優アワード新人男優賞を受賞し、「僕のヒーローアカデミア」「弱虫ペダル」「ポケットモンスター」など人気作で主演を務める。
東山奈央 コメント
――今回の山口先生×CloverWorks によるアニメーション動画のオファーを聞いた時はどのように感じましたか?
豪華なお二組による作品にお声がけいただけて嬉しく思いましたし、元々色彩検定の名前を知っていて私も気になっていましたが一歩踏み出せないところにいたので、今回このご縁をいただけてすごく嬉しく思いました。
――収録時の印象に残っている出来事や、動画の見どころについてお聞かせください。
主人公の元気のない時と一念発起して頑張ろうと思った時のギャップを描いたシーンは何度かテイクを重ねさせていただいたところだったので、やはりこだわられているのだなと感じました。皆さんが見ていて、落ち込んでしまった時に立ち上がる勇気になるような、パワーが届けられるアニメーションになっていたらいいなと思います。
今回主人公が社会人三年目ということで、自分が三年目の時にどんなことをしてたかなと思い返すと、まだ自分のことでいっぱいいっぱいだったので、誰かの間に入って仕事をとりなす主人公は偉いなと思いました。なかなか自分の考えだけでは進まない時もあるでしょうし、だけどまだ仕事としては一人前にもなり切れずに、色んな方の板挟みになって結構大変な時だろうなと思って。
かといって、もう誰かの元でアシスタントとして何かをするというよりは、一人で行動することの方が増えてくると思うので、色々心細い場面もあるとは思いますが、頑張っている姿に私も励まされましたし、「頑張れ~!」という風に思いながら彼女を見ていました。
――本動画は、悩みを抱える主人公たちが色彩検定を通して未来を切り開く物語です。声優のお仕事で東山さんがこれまでに一番悩んだ、または辛かったエピソードを教えてください。また、辛いことがあった時は、どのようにして乗り越えていますか?
自信が持てない時が辛いなと思いますね。傍目から見ると、私は結構デビューも早くて順風満帆に見えているかもしれないんですけど、その実自分になかなか自信が持てなくて、場数踏ませていただいても、それが自信に繋がりにくいタイプみたいで、それがハングリー精神になってくれることもあれば、心が折れてしまう場面というのも多くて。
ずっとなりたくて目指していた声優という楽しい世界に今いるはずなのに、どこか自信がないせいで疑心暗鬼になってしまうというのが続いていた時が
やはり苦しかったです。
今でもそういう風に思うこともあります。やっぱり芸事って上を見ればきりがないといいますか、やっとできることが増えてきて自信がついたと思っても、周りを見渡すともっとすごい人たちがいて、私ってまだこんなところにいるんだと二の足を踏んだり、ちっぽけに思えたりすることもあって。だからこそ頑張ろうと思うんですけど、その間にいる時が苦しいのは、役者にはずっとついて回るものかもしれないですね。
そういう時に一回全然関係ないテレビをぼーっと見てみたり、他の楽しいことに興じてみたりしてリフレッシュすることもありますが、私としてはそれは現実逃避にしかならなくて、逆にその時間を問題解決の時間に充てれば良かったのでは!と考えてまたストレスになったりもするので、リフレッシュはそこそこにして、自分の心がへこんでいる原因ときちんと向き合って、何とかそこを攻略する、克服するというのが一番ストレスの解消になるのかなと思います。
自分の努力でどうにもならないものもあると思うんですけど、なんとかなるものに関してはそういう風に、頑張る、ひたすら頑張るという風にして前に進んでいます。
――作中では、クライアントとデザイナーの板挟みになり翻弄される施工会社の社員を演じていただきました。東山さんの性格や過去の経験などで、主人公と重なるところはありましたか?
自分が板挟んでいるなという時もあるし、自分が板挟まれてるなという時もあるし、皆さんも生活の中で両方の立場になることがあると思うんですけど、両方の立場を経験することで、双方ともに信念があるんだということも知ることができますよね。
私はマネージャーさんが円滑に回してくださることによって板挟みから救われているので、影のヒーローだなと思っています。そういう風に自分も板挟まれたときに上手に立ち回ることができたらいいなと思って、良いところを盗めたらと思いながら見ていたりします。
でも間に立つ方にもその道のプロフェッショナルがいらっしゃると思うので、自分も少しでも良いところを真似できたらと思うんですけど、なかなか上手にできなかったりもして、これはもう人生をかけての勉強だなと思いながら日々過ごしております。
――色彩を学ぶみなさんに、応援メッセージをお願いします。
色彩検定の HP を拝見させていただいて、胸に残ったのが「センスは育てることができる」という言葉でした。どうせこの人はセンスがいいからこういうコーディネーションができるんだろう、という風に思ってしまわないで、センスは後からどんどん育てていくことができるんだ、ということにすごくハッとさせられました。
私自身、音楽活動もやっているので、そこで衣装や CD のデザインにどっちがいい?と聞かれることがあるのですが、その時になんとなくの感覚でしか伝えることができなくて。私は色彩のプロではないですけど、やはり仕事に絡んでくることもあるので、もしかしたら色彩について学んだら自分の気持ちをもっとはっきり伝えられるのかも、そういう手段が一つ増えるのかも、という風に思って、今回のご縁をいただいて、興味が湧いて私も挑戦してみたいなという風に思ったんですね。
皆さんの仕事の中でもし関わりがあまりないかも、という業種の方も、例えば趣味でネイルサロンに行かれる方とか、ネイリストさんのセンスだけではなくて、もっとこういう風にしてみたいという風に自分の理想をうまく伝えることができたら日々のテンションも上がっていく、楽しいものになっていくと思います。生きていて色から離れることはあまりないと思うので、色彩をプロフェッショナルとして学ばれる方もそうでない方も、より日々を楽しく彩っていくために色彩検定で人生が明るくなっていったらすごくいいなと、今回がその一つのきっかけになっていただけたら私もすごく嬉しいなと思いました。
誕生日:3月11日
出身地:東京都
2010年に声優デビュー。主な出演作は「神のみぞ知るセカイ」中川かのん役、「きんいろモザイク」九条カレン役、「ニセコイ」桐崎千棘役、「マクロスΔ」レイナ・プラウラー役、「ゆるキャン△」志摩リン役など。2017年に歌手デビューを果たし、2018年には初となるワンマンライブを武道館で開催した。2022年は歌手デビュー5 周年の記念イヤーであり、精力的な音楽活動をおこなっている。
制作陣 対談インタビュー
キャラクターデザイン担当:山口つばさ
アニメーション色彩設定担当:CloverWorks 山口舞
企画担当:色彩検定協会 山中雄市
――本アニメ動画の制作に至った経緯や背景についてお聞かせください。
山中:ここ 5 年くらい、色彩検定協会としてアニメやイラストに絡めた広告を打つことが非常に多かったんです。アニメやイラストの中で色彩は非常に大事な要素ですし、日本が誇る文化を大切にしたいという思いもありました。それに加えて、(色彩検定が)将来アニメやイラストの道に進まれることを考えられている方や、現役でお仕事されている方のお力になれたらと思っています。私自身、(色彩検定協会の仕事を通して)アニメの影響力を肌で感じていたので、今回そのお力をお借りして、より多くの方に色彩の楽しさを知っていただけたらなということで、制作をお願いすることになりました。
――山口先生と CloverWorks さんを起用された理由についてお聞かせください。
山中:山口先生にお願いした理由からお話からすると、山口先生が手がけられている『ブルーピリオド』のアニメを拝見している中で、主人公の八虎くんの言葉に共感したことがきっかけです。八虎くんは、美術の世界に踏み込む前は特別な才能を持つ人だけが絵を描けると思っていた、と。でも実際に足を踏み入れてみると、そこにはいろいろな理屈があって、理詰めでも良い絵が描けるという考え方に変化していく。それって、色彩検定でも同じことが言えるなと。
デザインや色彩(感覚)って「センスがある人や才能がある人のもの」と考えられている方は非常に多いと思うんです。でも良い色使いにはルールがあって、それを把握することで、色を操る能力を身につけることができる。そういう部分でご理解していただけそうだなと思っていました。
山口つばさ:それこそ原作には色のお話も出てくるんです。アニメだと尺的な問題で説明しきれていない部分もあるので、ぜひ原作も読んでいただけたらと思います。
山中:CloverWorks さんにお願いした理由は、CloverWorks さんが手がけられている『約束のネバーランド』のアニメや『SPY×FAMILY』の PV を拝見している中で、クオリティの高いアニメーション制作をされているなと思っていました。また、原作を生かした作品づくりをされているという印象もありました。山口先生のキャラクター原案を生かした制作をしてくださるのではないかと思い、CloverWorks さんにお願いしました。
――皆さんの普段のお仕事と色の関わり合いについて教えてください。普段の仕事の中で、色をどのように扱っていますか?
山中:とにかく色のズレに気を遣いながら仕事をしています。とりわけ試験問題を作るときは神経を遣っていますね。少しでも色がズレると、正解が変わってしまうんです。「色について勉強しましょう」と言っている立場なのに、色がズレていたり、おかしかったりしたら、困惑させることになってしまう。せっかく時間とお金とやる気を使って勉強してくださっているのに、違うことを覚えさせるわけにはいかないので、公式テキストや試験用紙の印刷も色にこだわっています。
山口つばさ:漫画の場合、基本的にはグレーが多くて。色を使うのって表紙やカラーのカットのみで、言ってしまえばサブ的なところに入ってくるので、言葉にするのは難しいところなのですが......率直に言うと、色に関しては苦手意識があるんです。
自信を持って言える部分だと、漫画の中ではグレーの部分を気をつけるようにしています。デッサンをするときも、紙の上に(グレーの色味が)乗っているだけでも印象が変わるので、スクリーントーンを重ねるときも注意しています。
例えば、ドットのトーンだけではなく、砂目のトーンや、実際に紙に描いてスキャンして水彩っぽくしたもの、時にはザラザラとしたブラシを使用して、単純に濃い色にするだけではなく、ニュアンスがどう変わるか気をつけています。
それが色のことと言って良いのかはわからないのですが。グレーって、単純に白と黒を混ぜるだけではなく、黄色と紫を混ぜてもグレーになるんですよね。そういう意識というか。黒と白の重なり方次第で、人間の受ける印象って変わると思うので、そこは気をつけるようにしています。
山口舞:アニメの場合は、漫画・小説の表紙やカラーページなどの、元のイメージを崩さないことを意識しています。ただ、先ほど山口先生がおっしゃっていたように、漫画の場合は(通常のページが)グレーなので、表紙やカラーイラストがないという場合も多いです。
そういった場合は原作者の方から「現場で色を決めていいですよ」とおっしゃっていただくことが多いので、そのキャラクターの性格を考えつつ「ピンクの服は着ないだろうな」「青はどうかなぁ」などと考えながら作っていきます。
アニメの場合は絵を見て楽しむ方が多いので、色のイメージが違うと、作品に集中できなくなってしまう可能性もあります。それはあってはいけないので、作品を見ていて邪魔にならない感じといいますか、視聴者の方が違和感を抱かないような色選びをする、ということを意識しています。
色が目立ちすぎてしまうと、映像を見ている人は疲れてしまうと思いますので。特に映画の場合は長時間見られるので、色が単調にならないようにしつつ、色で目を引くようなシーンも作るようにしています。
――山口先生と山口さんにおうかがいしたいのですが、そもそもお二人は色彩についてどのように勉強されたのでしょうか?
山口舞:私はアニメの専門学校に通っていたので、学生のときも学びました。私が通っていたときは学校では色だけの授業というのはなかったので、独学に近い感じですが。学生のときは色選びが得意ではなかったので、会社に入ってから学んだことも多いです。
アニメではいろいろな色が使われており、特にオープニング、エンディングは変わった配色が使われることが多いので、アニメのオープニングをひたすら見て真似していました。そういったことをやりつつ、自分の好きな色を確立していく......といったことをしていました。
山口つばさ:最初に学んだのは......小さいころに絵画教室に通っていたんです。そこで絵の具セットを買ったんですが、赤・黄・青・白のみを使うというのがその絵画教室の方針でした。「赤・黄・青・白を混ぜればいろいろな色が作れるから」と。
当時はそんなことができると思っていなかったので、「青と黄色を混ぜたら緑になるし、青と黄色と赤を混ぜたら茶色になるし、そこに青を多くすると黒っぽくなるんだ!」とすごく驚いて。混色の面白さをそこで学んだ感じでした。でも苦手意識はあるんですけどね(苦笑)。
――普段のお仕事と並行しての作業は大変でしたか?また、普段のお仕事と違うと感じたことはありましたか?
山口舞:普段からいろいろな業務を並行していることが多いので、特に大変かと言われるとそうではなかったのですが、「色にこだわった短編」ということで、普段の TV シリーズとは違って細かく色の作業をしていました。TV シリーズの場合は長く放送するので、私の場合は、隔週で区切って、まとめて作業をすることが多いのですが、今回の場合は、普段テレビではやらないような色の指定もあったので、毎カット調整をしていました。
カロリー的には高かったのですが、すごく楽しく作業できたので苦労するという感じはなかったです。
山口つばさ:普段出さないキャラクター造形でもあったので、私はずっと楽しかったです。だから大変なことはなくて。今はどんな風に動画になって、どんなリアクションが返ってくるのかが楽しみです。いつもと違うという点で言うと、漫画も回によって気をつけなければいけない部分が違うので、その延長という感じはありました。
――色彩に関わらず、お仕事をされる上で「これだけは譲れない」というポリシーやこだわりについてお聞かせください。
山中:ひとつは内容に嘘がないこと。広報の仕事をしているので、いろいろな記事にも出させてもらうことがあるのですが、広告を見て受検を考えてくださった方が「(言ってることが)違うな」と思うようなことがないようにしています。
もうひとつは、記事でも今回の動画も、「色彩検定、◯◯日が受検日で」という単純な広告ではなく、見た方が楽しんでもらえるようなものにしたいなと思っています。以前、イケメンのイケボ講師が色彩について教えてくれるというコンテンツ(「教えて!色彩先生」)を作ったのですが、楽しんでもらえて、役に立つというものをなるべく発信したいなと。
山口つばさ:仕事をする上で共通して意識しているのは、自分がいち読者、いちファン、いちオタクだったときにワクワクするようなものでありたい、ということです。細かいところはいっぱいあるんですけど、まず考えるところはそこですね。
(漫画を描く上で絶対に譲れないことについて)言語化するのは難しいんですけど......。ガチなことを言うと、締切を守ること(笑)。締め切りを守るということは、できるだけクオリティを落とさないということでもあると思うので。
あとはその都度その都度、いろいろあります。一概に言いにくいのですが、リアルなのと、リアリティがあるのとは、私の中では違いがあって、リアリティのラインというのは大切にしています。でも漫画においては「嘘じゃん」と思うようなことにも面白さがあると思うんです。
だから嘘でもいい部分があるんですけど......例えば色彩検定のことだったり、『ブルーピリオド』の色の部分だったりは、その段階で最大限(嘘がないように)。ただ、漫画は長く読まれるので、その間に歴史的なものが変わる可能性もあるので難しいんですけどね。それこそ受検内容も毎年変わりますし。
山口舞:私は「自分が楽しむ」ということが前提にあります。自分が楽しみつつも、最近「解釈違い」という言葉をよく耳にするので、そうならないように気をつけています。
また、私も山口先生と同じなのですが、自分がいち消費者になったときに楽しめるか、というのも大切だと思っています。商品化用に描き下ろされたイラストを塗ることもあるのですが、「自分が欲しいかどうか」ということを考えています。
山口つばさ(キャラクターデザイン担当)
東京都出身。東京藝術大学絵画科油画専攻卒業後、アフタヌーン四季賞 2014 年夏のコンテストで佳作受賞。2016 年に新海誠監督の作品『彼女と彼女の猫』のコミカライズでデビュー。2017年 6 月から「月刊アフタヌーン」で『ブルーピリオド』を連載中。
CloverWorks(アニメーション制作担当)
CloverWorks は、A-1 Pictures より 2018 年 10 月に新設分割したアニメーション制作スタジオ。国内外の視聴者に向けて、作品のつくり方やアプローチの仕方などに独自性を持って取り組み、さまざまなジャンルの作品制作にチャレンジしている。代表作:「SPY×FAMILY」「その着せ替え人形は恋をする」「ぼっち・ざ・ろっく!」「ホリミヤ」「約束のネバーランド」など。
色彩検定とは
「色彩検定」は 1990 年の第 1 回開催より累計 160 万人以上の方が受検した、文部科学省後援の公的資格です。
「色」は世の中のあらゆるものに使われ、私達は常にその影響を受けています。にもかかわらず、一般的な学習課程で色について理論的・体系的な知識を得られる機会はあまりありません。専門的な教育を受けない限り、色についての知識や利用は個人の感覚や経験則に頼らざるを得ないのです。
色彩検定では色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)、専門分野における利用などを幅広く学習します。「色彩検定」の学習によって感性や経験によらない、理論の土台を身に付けることができます。また、ご自身の現在の知識や目指すレベルに合わせて 1、2、3 級、UC 級 のどの級からでもご受検いただけます。色についての知識が無く基礎からしっかり学びたい方や、現在色を扱った仕事をしているが知識を整理したい方、さらなるスキルアップを目指したい方など、様々な方に受検していただけます。
◆2022 年度 冬期検定(3 級・2 級・1 級・UC 級)【第 59 回】出願受付中!
2022 年度冬期検定の出願を受付中です。お申し込みは Web、郵送、書店から受け付けております。詳しくは公式HP をご確認ください。みなさまの出願をお待ちしております。
申込み期間:8月8日(月)~ 10月11日(火) ※書店申込は10月6日(木)まで
「色彩検定」公式 HP:https://www.aft.or.jp/