“てっぺん”知らずの勢いで突き進む、18年目の新たな道。3年振りの全国ツアーにトリプルタイアップシングル、ミュージカル、さらには推し活!?「変わらない思いもあれば、変わっていく思いもある。ありのままの自分を届けていきたい」May’nさんインタビュー
曲をきっかけに推し活に目覚めたMay'n
──テレビ愛知の野球中継『10チャンベースボール』のテーマソング「蒼の鼓動」は、中日ドラゴンズの応援歌です。作詞・作曲は草野華余子さんが担当されていますが、どういったきっかけで生まれた曲なのでしょうか。
May'n:野球が大好きな華余子さんに「名古屋のアーティストと一緒に(野球の)曲を作りませんか?」といったオファーがあったそうで。その時に「May'nと一緒にやりたい」と言ってくださったそうなんです。それでオファーをいただいたのが最初のきっかけでした。華余子さんと初めて会ってからはもう7、8年くらい経っていて。
──へえ!
May'n:気づけばそんなに長い月日が経っていたんですが、お会いするたびに「何か一緒にしたいですね」という話はしていたんです。初めてお会いしたときも「私、May'nちゃんに歌って欲しい曲を勝手に作ってるから!」って言ってくださっていて。だから今回一緒に組ませていただき、めちゃくちゃ嬉しかったです。華余子さんはMay'nの曲もすごく聴いてくださっていたんです。だからこそ「May'nのことすごく分かってくれているな」と感じるような曲になっていて。はじめてのコラボレーションとは思えないほど、安心感のある制作でした。
──草野さんはMay'nさんの親友でもあるLiSAさんの曲も手がけられていて。すごくパワフルな方という印象があります。
May'n:そうですね。だからレコーディングもすごく楽しくて。ほとんどの時間喋っていたんじゃないかっていうくらい(笑)。「ちょっとコーラス録ろうか」ってレコーディングして、また喋って。レコーディング現場でお茶してたような感じでした(笑)。
──2曲とも笑顔溢れる制作だったんですね。
May'n:そうですね。楽曲は「がむしゃらに」「弱さを知ってこそ強くなれる」ってことをテーマにしているので、前だけを見て力強く歌っていますけど、現場はとにかく楽しかったです。
──May'nさんはやはりドラゴンズファンだったんです?
May'n:もともと名古屋ドーム(現バンテリンドーム ナゴヤ)からすごく近い場所に住んでいたので馴染みはありました。先日帰省したときに、実家に昔からあったタオルが「あれ、これドラゴンズだったんだ!」って。名古屋の人の多くが中日新聞を取っていると思うので、それもあってドラゴンズのグッズが家にひとつはあるような気がします。で、今回お話をいただいたことでより調べたり、実際に球場に観戦したり……ってことをしているうちにドハマリしまして。
──ほう!
May'n:今は暇さえあれば球場に足を運んでいます。毎日スタメンをチェックして。月曜日は試合がないことが多いので、月曜日だけが心が休まる日です(笑)。
──じゃあ月曜日にキックボクシングなどの用事を入れているんですか?
May'n:そんな感じです!(笑)「ドラゴンズのことをちゃんと知った上で曲を歌いたいな」と思ったことがきっかけではあるんですけど、今は趣味のような感じになっていて、ファンクラブにも入っています。
なんだか、初めて趣味ができたような感じがしていて。キックボクシングも趣味ではあるんですが、体型維持や体力維持の一環で。推しができるというのも初めてなんですよね。小さい時から安室奈美恵さんには憧れていましたが、歌手を目指していたので、推しというよりかは憧れだったんです。「推しができるってこんなに楽しいものなんだ……!」と痛感している日々です(笑)。
──推し選手はいらっしゃるんです?
May'n:いるんですけど、チーム内で推し選手がどんどん増えているんです。推しの友だちは推しになりますし。だからドラゴンズ箱推しのような感じですね。でも名古屋出身の他球団の選手にも興味を持つようになったので、こっそり推しています(笑)。
──野球そのものにハマってるんですね!
May'n:知れば知るほどハマっていきます。野球ってノンフィクションの人間ドラマだと思っています。球場では練習している姿も見られるじゃないですか。それは嬉しいんですけど、日々見られていたり、怪我の可能性があったりと、きっとプレッシャーもすごくあるんだろうなって。
──そんなMay’nさんならではの、ドラゴンズの応援歌になりましたね。
May'n:今のドラゴンズのスローガンが「All for Victory」なので、その言葉を使いつつも、以前のスローガンである「Hard Play Hard」や「with BLUE」などもたくさん使われていて。ドラゴンズファンの方が楽しめる内容になっていると思います。でもドラゴンズファン以外の方にも届くのがこの曲のポイントで。
──<迷いも抱き締めて 進め>って言葉など、May’nさんらしさも存分に含まれてますよね。野球好きの方以外にも届く楽曲になってるというか。
May'n:華余子さんとは「ドラゴンズ楽曲としても、May'nの曲としても、それぞれ100%で歌える曲でありたいよね」と話していて。そして「ライブでMay'nの思いを乗せられる曲であってほしい」と言ってくれていたんです。私はひとりのドラゴンズヲタクとしてこの曲を楽しんでいますが(笑)、ライブでは「いろいろなことがあるけど、頑張っていこうね!」って背中を押す曲として歌っていて。自分自身が作った「BLUE」という曲があるので、それも思い出しながら……May'nのストーリーも感じられるライブナンバーになりました。
──3曲目には「Follow Your Fantasy」が収録されています。前2曲とは違った荘厳な曲で。特に民謡的なテイストはものすごく新鮮でした。
May'n:前半の民謡パートは新しいチャレンジで、もしかしたら「初めてかも」というくらい苦労しました。リズムがないんですよね。でもひとつの軸はあって、ハモリもあって。(作編曲の)加藤裕介さんのイメージもあるので、試行錯誤しながらのレコーディングでした。その民謡パートで強めのファルセットを出しているんですけど、あまりそういう発声法ってポップスでは使われないんですよね。
ただ、ミュージカルでチャレンジしていたことだったので、それを活かすことができました。ミュージカルで得たものを必ずポップスに活かしたい!と思っていたわけではなく、それぞれの場所に合ったものをと思っていたのですが、キャリアがどんどんつながっていく感じも楽しかったです。
──気持ちよく歌われている印象があったので、そこまでご苦労されていたとは思わなかったです。
May'n:私自身の性格がちょっとせっかちというか……少しガサツなんですよね(笑)。だからアグレッシブな曲のほうが得意なんですよ。だけど民謡って昔ながらの日本人女性特有の奥ゆかしさだったり、一歩踏み出すのもゆっくりと足を踏み出す感じだったりがあって。ボイトレの先生にも、よく「襖を開けたら閉めなさい」と言われていたんです。「ゆっくり襖を閉めるような歌い方をMay'nは持ってない」「開けたら開けっ放し! 家でもそうでしょ!」って(笑)。
──歌って怖い!(笑) そこまで出てしまうとは!
May'n:そうなんですよ!(笑) 占いかってくらい言い当てられます。ただ、それが駄目ってわけではなく「そういう引き出しがないからこそ作ったらいいよ」って言ってくれて。それを思い出して、後ろ髪が引かれるようなイメージだったり、着物で歩くときのゆったりさだったりを大切にしながら歌いました。大変ではありましたけど、楽しかったです。その後すぐ先生に報告しました。「襖、閉めました!」って(笑)。
──(笑)。先生はなんておっしゃってました?
May'n:「良かったね」って言ってくれました。レコーディングでは苦労していたのに、今はすごく歌いやすい曲に変化していて。声出し曲と言うと少し違いますけど、この曲を歌うと声が調整されるというか……。ゆっくりなパートも、ロックっぽいパートもあるので、全部調節できる曲なんだろうなって。今はMay'nらしく歌えます。だからどんなに新しいチャレンジでも、May'nらしさにたどり着かせてもらえるんだなと思いました。
──“May'nらしさ”の幅は、年々広がっている感じがします。
May'n:それは自分自身も感じていますね。
──それにしても、強力な3曲が揃いましたね。
May'n:『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』がトリオ漫才ということで「3」がテーマになっているんですけど、私も3曲入りのシングルで、しかもそれぞれに個性があって。皆さんに楽しんでいただけるシングルになったんじゃないかと思います!
メインストリートはノンフィクション
──ところで、さきほど芸人さんのお話の中で、先輩の意見でネタを変える人もいれば、自分自身のネタを貫く人もいる、といったお話があったじゃないですか。May'nさんはどちらのタイプなんでしょう?
May'n:どちらもですね。どっちも大切にしたいと思っていたくて。アイデア交換をするときに「私はこういうことをやりたいです」と言わせてもらうこともありますけど、自分だと分からないことっていうのも確実にあって。そこには柔軟でありたいなと。だからどちらも正義だなって思っています。
──芸人さんはコンビだったり、もしくはトリオだったりという場合が多いですが、May'nさんはソロアーティストなので、ひとりで決めなければいけない場面も多いんだろうなって思っていたんです。でも今日お話をおうかがいしながら、スタッフも含めて、いっぱい相方がいるんだと。
May'n:そうですね。チームの皆さんもそうですし、ファンの方もそうです。「次はこんな曲歌いたいな」と思わせてくれる存在というか……。最近ファンクラブで、みんなでオンラインライブを振り返るという企画をしていて。「ああ、別のセットリストを作ってみたいな」「こういうことチャレンジしてみたいな」と考えていたところでした。
──さきほど野球がノンフィクションという話がありましたけど、私たちもMay'nさんの活動を通して、May'nというノンフィクションのドラマを見させてもらっているような気がします。
May'n:私は変化していくことが普通のことだと思っていて。もしかしたら「May'n、前に言ってたことと違うじゃん」って思われることもあるかもしれないんですが……でもそれって人間として自然なことだと思っていて。変わらない思いもあれば、変わっていく思いもある。どちらも素直に、その時に感じた思いを、日記のような感じで綴っていきたいなと思っています。ありのままの自分でいたいなっていうのは、年々強く感じていますね。
──そして、まさか推し活をはじめてるとは……!
May'n:あはははは! 確かに!
──MVの球場のオフショットも素敵な笑顔だなと思っていましたが。
May'n:あのときは推し活をはじめたばっかりだったんですよね。今週でセ・リーグの球場は制覇します(笑)。実は名古屋ドームの横浜戦(横浜DeNAベイスターズ)の試合で始球式に参加させていただくんです。
朝練🥹本日、バンテリンドームナゴヤにて始球式させていただきまーす🥹⚾️💙#dragons pic.twitter.com/qw6urGP96B
— May'n (@mayn_tw) July 18, 2022
──えっ、そうなんですか! すごい!
May'n:その練習をしすぎて腱鞘炎になってしまって。いつも行く整体の先生に「これは今までの疲れとは違いますよ。何があったんですか?」って驚かれました(笑)。マネージャーさんが野球経験者なので練習に付き合ってもらって100球投げたんです。
──100球!? 今日、May'nさんに会った瞬間にさらにシュッとした印象があったんですけど、そういうことだったんですね。というか、腕がアスリートのようになってる……!?
May'n:いや、まだまだですよ。来週から野球の個人レッスンを入れているんです。今はそのために頑張っています(笑)。応援している選手たちも練習に励んでいるので、私も頑張らなきゃなって。
──May'nさんのメインストリートがまさか野球に続いていたとは……。人生何があるか分からないものですね。だからこそ楽しい。
May'n:本当に(笑)。何が起きるか分からないですね。毎日楽しいです。
──このインタビューが掲載されるころにはツアーの追加公演も終わったころ。今年後半にチャレンジしたいことはありますか?
May'n:とにかくライブをしたいなと思っています。まだ制限はありますけど、昨年よりもいろいろな場所でライブができる環境になったので、もっともっといろいろな場所で皆さんとお会いしたいです。
インタビュー・逆井マリ
CD情報
タイトル:あはっててっぺんっ
発売日:2022年8月17日(水) 発売元:Digital Double
販売元:avex pictures
初回限定封入特典:オンラインイベント参加シリアルコード(2022年8月20日(土)開催)
【CD+BD】
品番:XNDD-00008/B
税込価格:2,640円
【CD】
品番:XNDD-00009
税込価格:1,540円
CD収録曲
- あはっててっぺんっ
作詞:May'n・大石昌良
作曲・編曲:大石昌良・やしきん
タイアップ:TVアニメ「てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!」エンディング主題歌 - 蒼の鼓動
作詞・作曲:草野華余子
編曲:草野華余子/eba
タイアップ:テレビ愛知「10チャンベースボール」テーマソング - Follow Your Fantasy
作詞:古屋真・LynneHobday
作曲・編曲:加藤裕介
Licensed by Cygames,Inc.
タイアップ:Cygamesコーポレートアニメーションムービー - あはっててっぺんっ instrumental
- 蒼の鼓動 instrumental
- Follow Your Fantasy instrumental
Bru-lay収録内容
- あはっててっぺんっMV
- AwesomeStudio-short- (MVオフショット映像)
初回限定封入特典オンラインイベント概要
イベント内容:トーク&ミニライブ
参加方法:「あはっててっぺんっ」(CD/CD+Blu-ray)の初回限定封入特典として封入されている、オンラインイベント参加シリアルコードを入力の上ご参加ください。応募者全員が参加可能です。