halca『Engage Kiss』『邪神ちゃん』の主題歌をタイトルにした初の両A面シングル『誰彼スクランブル / あれこれドラスティック feat. 鈴木愛奈』インタビュー|「いろいろな人の愛と優しさが詰まった、激しく、とんでもないシングルです!」
爽やかな「reprise」 テーマは友だち
――halcaさんが作詞を手掛けた「reprise」についてもぜひおうかがいさせてください。
halca:今回の収録曲の制作期間の中でいろいろな人と関わることができて。田淵さん、林さんとはじめましてをして、いつもお世話になっている川口圭太さんに「誰彼スクランブル」のアレンジをしてもらって、「あれこれドラスティック」では愛奈さんに一緒に歌ってもらって。MVも今までの中でも大人数だったんです。
そんな中で、みんなでいる時間が楽しかったな、この楽しかった時間を残したいな……って。そこから浮かんだのが、友だちというテーマでした。
愛奈さんとご一緒出来たことや「誰彼スクランブル」のMVで仲良し3人組を演じさせてもらったことがヒントになったんですけど、私にも特別な友だちがいて。昔から「友だちにとって自分が特別な存在でありたいな」という思いがあったことを思い出して。それは愛奈さんに対してもリアルにそうですし。でも、なんていうんだろう……私が大好きで、特別な友だちがいるように、その友だちにも自分以外の大切な友だちがいる。相手が自分以外の友だちと一緒にいるところを見るとちょっとモヤっとしてしまうときがあって。例えば、写真を見たときに「そこに◯◯ちゃんと行きたいって言ってたのに」「私が行きたかったって言ってたカフェに別の子と行ってる!?」とか。なんとなく……思うところがあったんです。ちょっとだけジェラシーというか。
――特に昨今はSNSで誰がつながってるのかも、誰がどこに行ったのかも分かってしまいますし。
halca:そうなんですよね。楽しそうにしている姿は見たい気持ちもあるんだけど、その一方で、少しだけモヤっとしてしまう自分がいて……。これまで誰にも言ったことなかったけど、これってもしかしたら、みんな多かれ少なかれあるんじゃないかなって。それでそういう気持ちをこのタイミングで書いてみたいなと思いました。そうしたお話をディレクターさんに伝えて、コンペで曲を集めていただいて。
実は「スターティングブルー」(『逆転裁判 〜その「真実」、異議あり!〜 Season 2』エンディングテーマ)を書いてくださった哥丸雄貴さんが今回の曲を書いてくださっているんです。
――偶然だったんですか?
halca:本当にたまたまで。「この曲がいいです!」って言ったあとに、お名前を見たら哥丸さんで。巡り巡ってまた一緒にお仕事をさせていただき嬉しいです。ただ、前回はいつもお世話になっている宮嶋淳子さんが歌詞を書いていただいていたので、何も心配のない、自信満々の「スターティングブルー」だったんですけど……あの時は作詞をしていなかった自分が、今度は作詞でご一緒するというのがなんだか照れくさくて。恥ずかしいけど、今度ご感想を聞いてみたいです(笑)。
でも自分で詞を書いたからこそ、歌うのが難しくて。今まで4回書いたうちの3曲が自分の曲なんですけど、3回とも、なんでか歌うのが難しくて。
――そういうものなんですね!
halca:自分で書いたはずなのに、頭の中に入るのも遅くて。書いていただいた曲の場合は、思い切り自由に、服を着崩すような感じで歌うことができるんです。なのに、自分の曲になるとピュアになっちゃう(苦笑)。ただ、歌詞の内容的にもピュアな感じなので、デビューした直後に発表した「キミの隣」(TVアニメ「ヲタクに恋は難しい」エンディングテーマ)や「明日もまた」の歌い方がぴったりだなと思っていました。いずれは自分で書いた曲をうまく着崩すのが目標です!
――さらに期間生産限定盤には「時としてバイオレンス -Remixed by キノシタ-」、さらに新進気鋭のサウンドプロデューサーSnail's House氏による「誰彼スクランブル」のリミックスも収録されています。本当ににぎやかなシングルになりましたね。
halca:いろいろな人の愛と優しさが詰まった、激しく、とんでもないシングルです!(笑)
「時としてバイオレンス」のリミックスでご一緒したキノシタさんは、デビュー前にインターネットを漁っていたときに「かわいい曲を書かれる人だな」と思ってTwitterをフォローしていたんです。そしたら『邪神ちゃん』とキノシタさんが先にご一緒していたということを知って。レーベルの担当の方から「キノシタさん良いと思うんですよね」って言われて、それで調べてみたら「あのキノシタさん!?」と。まさかこうやってご一緒させていただくとは思わなかったので嬉しかったです。
「誰彼スクランブル」は、担当の方に「リミックスして欲しい人とかいる?」って聞かれて「Snail's Houseさんがいいです!」とお伝えしました。家でゲームをしているときや、お出かけの準備をしているときなどに聴いていたんです。おふたりとも素敵なアレンジにしていただき、嬉しかったです!
夢がまたひとつ叶った
――さきほど「時としてバイオレンス」は「初めてのオープニングテーマだった」というお話がありましたけど、今回は両方オープニングテーマで。
halca:これまでエンディングテーマを担当させて頂く機会が多かったので、自分の名前で検索すると「ラブコメのエンディングテーマと言えばhalca」って言っていただけていることが多くて。「◯◯といえば」って言ってもらえることってすごく嬉しいんです。それと同時に、こんなにエンディングテーマを連続で担当している人もなかなかいないよなと思いました。エンディングテーマをやり続けるのも良いなと思っていたんですけど、一方でオープニングテーマへの憧れもあって。
オープニングテーマって絶対に飛ばせないじゃないですか。エンディングテーマはもしかしたら飛ばされる可能性があるかもしれなくて。でも今まで担当させていただいた作品は、スタッフの皆さんが演出を工夫してくださっていたんです。だから皆さん、飛ばさずに聴いてくれてるんじゃないかなと思うんですけど、ぬるぬる動くアニメーションと一緒に、タイトルがどっかーん!と出る感じが「かっこいいな!」と思っていたので……大きな声では言ってなかった夢が今回叶いました。今までコツコツやってきたからこそ、できるようになったのかなと思っています。オープニングテーマを任せてくださった『Engage Kiss』、『邪神ちゃん』に感謝しています。
――「エンディングテーマと言えばhalca」というイメージを今作で覆す可能性がありますよね。それくらい強力な2曲が揃って。
halca:強烈ですもんね(笑)。「誰彼スクランブル」を作ったあとから自分のテンションが上がりっぱなしだったんです。とんでもない曲ができたのに! 早く聴いてもらいたいよ〜!ってずっと思っていました。そのあと『邪神ちゃん』のお話をいただき、さらにテンションが上がって。このワクワクと「絶対にびっくりしてもらえる」って言う自信が、ここ1、2年の私のテンションを上げ続けてくれました。皆さんの反応が本当に楽しみです。
――最初に「この数年があっという間だった」とおっしゃっていた理由も分かった気がします。最後に9/3(土)にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催される『Help Me!!!!!!! PRESSURE PRESSURE & live playground #003』への意気込みをおうかがいできれば。
halca:今まで『Help Me!!!!!!! 』というシリーズでワンマンライブをやってきたんですが、しばらくやっていない間にマンスリーライブをライブハウスでやっていて。マンスリーライブを経て、アルバムの曲順やプレイリストとは違う、ライブのためのセットリストの考え方をやっと理解したというか……MCも含めて、ライブってひとつのショーなんだってことを気づきがありました。
あと、ライブ前の準備期間すらも楽しむことができたのも大きな気づきでした。今まではライブ当日ばかりに目がいってしまって、「ああ、時間がない!どうしよう!」って思うこともあったんです。でも、毎月ライブがあることが身体に染みたので、ライブまでの期間をお客さんと一緒にワクワクしたいなって。
そんなマンスリーのあとのはじめてのワンマンライブ。今まで6回ワンマンライブをしてきましたけど、その時よりも成長した姿を見せられるんじゃないかなと。プレッシャーすらも楽しんで立ち向かうようなライブにしたいと思っています!
――ありがとうございました!
[文・逆井マリ]
CD情報
期間生産限定盤A
2,200円(税込)
(C)BCE/Project Engage
期間生産限定盤B
2,200円(税込)
(C)ユキヲ・COMICメテオ/邪神ちゃんドロップキックX製作委員会
通常盤
1,430円(税込)
アニメイト特典
・halca×ナナヲアカリ『Engage Kiss』主題歌リリース記念トークイベントシリアルコード(連動購入)
・オリジナルポストカード(アニメイト ver.)