連載10周年の『この音とまれ!』いよいよクライマックスへ。最新刊「全国大会編」を読む前に、全国大会出場を決めた時瀬筝曲部のその後を描いた第2章を振り返る! 涙腺崩壊必至!
『この音とまれ!』は、集英社発行「ジャンプSQ.(スクエア)」で連載中の、アミュー先生による筝曲部を舞台にした作品。2012年9月号から連載がスタートし、2022年の8月で10周年を迎えました。
普段の生活では馴染の薄い「琴」を舞台にしたお話ですが、演奏シーンは美しく、読んでいるだけで琴の音が聴こえてくるよう! アミュー先生ご自身も琴を習っていたこともあり、とても丁寧に描かれていて、深く知らなかった琴の世界に一瞬で魅了される作品です。
2019年にアニメ化され、原作の15巻までの話が2クールで放送。廃部寸前だった時瀬高校筝曲部が全国大会出場の切符を勝ち取るところまでが描かれました。16巻から、学年が上がり新入部員が入った筝曲部が、全国大会に向けて課題曲に向き合っていく新章がスタート。そして9月に発売される27巻からいよいよ全国大会の話が始まります。
本記事では、27巻の発売に向けて16~26巻の第2章を振り返り、作品の魅力に迫りたいと思います。“琴”と“仲間”に向き合う彼らの姿は、涙なしには見られません! この作品を読むときは、涙を拭くものをご用意ください!
第1章のあらすじ:廃部寸前だった時瀬高校筝曲部が、全国大会へ(1~15巻)
筝曲部唯一の部員・武蔵は、部を守ろうと奮闘。そこに中学時代ケンカばかりしてきた久遠愛(チカ)、琴の家元生まれの鳳月さとわ、チカの友だちの足立実康(サネ)、水原光太(コータ)、境道孝(みっつ)が入部。廃部は免れますが、部の存続をかけて全校生徒の前で演奏をすることに。本番、全力を出し切った部員たちに生徒たちから拍手が送られます。無事に部活動を続けられることになり、武蔵はみんなで全国を目指そうと言います。
武蔵と同じクラスの来栖妃呂も入部し、7人になった筝曲部。夏に行われた大会ではアクシデントもあり入賞すらできなかったものの、顧問の滝浪先生に「いい演奏だった、もっと上手くなれる」と言われ、必ず全国に行こうと決意を新たに練習に励みます。
さとわの代わりに鳳月会を支えていた堂島晶が指導に当たり、部員たちは格段に実力を上げていきます。そして全国大会神奈川県予選、さとわが作った曲を滝浪先生がアレンジした「天泣」で見事に優勝。全国大会への切符を手にします。
主な登場人物
部員それぞれクセのある入部の仕方をし、始めはバラバラでしたが、琴に触れ演奏の楽しさを知っていくうちに、絆が深まっていきます。
▼倉田武蔵(CV:榎木淳弥)
筝曲部の部長。始めは頼りなかったものの、少しずつ部長としての自覚を持ち、クセの強い部員たちをまとめていく。面倒見が良く周囲への気配りもでき、みんなから信頼されている。
▼久遠愛(CV:内田雄馬)
祖父が大事にしていた琴について知るために筝曲部に入部。過去に暴力事件を起こし警察沙汰に。不良と誤解され周りに恐れられているが、仲間を大事にする心の持ち主。いちごが大好き。
▼鳳月さとわ(CV:種﨑敦美)
数々のコンクールで受賞した天才琴少女。母と衝突し鳳月会から破門されていたが、全国大会予選での演奏が母の心に届き、関係を修復。琴に真っ直ぐに向き合うチカに惹かれていく。
▼左から、水原光太(CV:井口祐一)、境 道孝(CV:古川慎)、足立実康(CV:石谷春貴)
中学時代、高校生相手のケンカでチカに助けられ、その恩返しで入部を決意した3人組。リズムが苦手だけど人一倍頑張るコータ。見かけによらず絃へのタッチが弱いみっつ。みんなの音をつなげる演奏をすると言われたサネ。
▼来栖妃呂(CV:松本沙羅)
楽しそうに演奏する筝曲部を見て羨ましく思い、部員の関係を壊す目的で入部。しかし心を入れ替え、本気で筝曲部で活動する。武蔵のことが好きで、その気持ちをパワーに変えていく。
▼滝浪涼香(CV:浪川大輔)
筝曲部の顧問。両親は世界的な音楽家。幼少期の苦い経験から音楽と距離を置いていたが、部員たちの演奏に心を動かされ、本格的な音楽指導をするようになる。全国大会で演奏する「和」を作曲。
▼高岡哲生(CV:細谷佳正)
チカとは子どもの頃からのくされ縁。実はケンカが強い。数少ないチカの良き理解者で、彼が起こす問題をフォローしてくれる。チカたち筝曲部をいつも気にかけている。
アニメでの琴の演奏シーンは圧巻!
2019年に放送されたアニメは、原作ファンも大満足のクオリティ。なにより原作の中で合奏された曲が実際に聞ける演奏シーンは見ものです。とくに「天泣」は言葉にならない素晴らしさ!
以前弾いたときは、母に思いを届けたい一心で“心の叫び”のような演奏をしたさとわでしたが、本当は演奏を聞いて笑顔になってほしくて作った曲。その思いを共有した部員たちの演奏は、心を通わせた温かいものに。チカのおじいさんが言う「音は心そのもの」を感じられる演奏でした。