アニメ『リコリス・リコイル』第10話放送後インタビュー:上田燿司さん(吉松シンジ 役)|千束は周りの人々の、捨てたはずの何かを呼び覚ますんですよ。【連載 第10回】
監督・足立慎吾さん(代表作『ソードアート・オンライン』)×ストーリー原案・アサウラさん(代表作『ベン・トー』)×キャラクターデザイン・いみぎむるさん(代表作『この美術部には問題がある!』)×制作・A-1 Pictures(代表作『かぐや様は告らせたい』)という魅力あふれる布陣が贈るオリジナルTVアニメーション『リコリス・リコイル』。
真島と吉松の接触、DAによる真島討伐作戦、リコリコの閉店、千束の晴れ着姿……、毎週さまざまなことが起こる『リコリス・リコイル』。残り3話でいったい何が起こるのか? 楽しみが尽きません。
アニメイトタイムズでは、本作の毎話放送後に声優陣のメールインタビュー連載を掲載中! 第10回目は、ここまで執拗に千束を追いかけてきた吉松シンジ役・上田燿司さんです。
上田さんがお気に入りのEDテーマの名フレーズ
――作品の最初の印象を教えてください。
上田燿司さん(以下、上田):極端と言えば極端な世界観ですが、キャラクターや台詞が面白く、吉松のオーディション資料にも魅力的な場面や台詞が。ミステリアスで、狡猾そうで、情熱的で。「これはやりたい!」と強く感じました。
――SNSなどでのファンの盛り上がりをどう見ていますか?
上田:放送されるたびに、トレンドにリコリコのその回のキーワードが上がるので、とてもダイレクトに手応えを感じられて嬉しいですね。キャラクターの台詞に掛けてあったり、急展開に大きな反応があると、“してやったり感”もちょっとあったりして。
いろいろなジャンルの、語りたくなる設定が散りばめられていて、また良い具合の裏切りが起爆剤になっていると思います。
――TVアニメの映像を見ての感想をお願いします。
上田:キャラクターの表情、撮影効果、アクション、音響、台詞の掛け合いが絶妙に噛み合って、一見荒唐無稽なこのドラマにグイグイ引き込んでくれます。各部門の、予定調和で終わらせないコダワリの仕事が実を結んで、話を知っていても、毎回没頭し、グッとさせられます。楽曲もいいですね。特にエンディングテーマの〈君が手を差し伸べた 光で影が生まれる〉(さユり「花の塔」)ってのがたまらない。
――吉松はどんなキャラクターですか?
上田:本来は情に厚い人だなと。アラン機関で、神の手足となって崇高な任務を遂行しているという信念が、様々な事象への恐れや迷いを取り去っています。
忘れたはずのそれを呼び覚ますのが、千束でありミカなのでしょうか。任務に全てを捧げつつ、やはりどこかで深く傷ついていて、そのすき間に触れたのが2人なのでは。
――演じているときに意識していたこと、大事にしていたことはどんなことですか?
上田:ただ冷徹な人間にならないようにと。クールでありつつも、人を惹きつける厚さが、どこか掴みどころのなさを生むような、そんな演じ方ができればと思っていました。声質的にも、柔らかくも芯のある感じを目指しました。