上田麗奈さん2ndミニアルバム「Atrium」10月5日発売記念インタビュー! アルバムごとに1つの季節を描いてきた「四季シリーズ」最終章にして、自身にとっての「集大成」と言える今回の内容とは……?
神秘的な世界観と、魅惑の歌声&サウンドでリスナーを惹き付けている、声優・上田麗奈さんの2ndミニアルバム「Atrium」が2022年10月5日リリース! 2016年のアーティストデビュー作「RefRain」から、アルバム1枚につき1つの季節をテーマに制作してきた通称「四季シリーズ」が、いよいよ今作で完結します。
「Atrium」で描かれるのは「秋」。そこから辿り着いたという「肯定」をコンセプトに、明るく聴き心地の良い6つの新曲が収録されています。
各トラックごとに、さまざまな年齢の上田さんの「今」と「想い」が表現され、まさに「等身大の上田麗奈」が詰まった1枚! ジャケットのアートワークが、他の四季シリーズのものとシンメトリーになっている点にも注目です。
そんな今作を自身の「集大成」と語る上田さんに、収録曲すべてをご紹介していただきました!
アルバム「四季シリーズ」最終章のテーマは「秋」、そして「肯定」
――2ndミニアルバム「Atrium」の制作の経緯を教えてください。
上田麗奈さん(以下、上田):アーティストデビュー・ミニアルバム「RefRain」は冬をテーマに、次の1stフルアルバム「Empathy」では春、その次の2ndフルアルバム「Nebula」で夏を経て、今作「Atrium」の秋にて、アルバム「四季シリーズ」が完結となります。
コンセプトやテーマを自分で考えてからスタッフさんに提案し、上田麗奈の音楽の集大成を作ろうと、数ヶ月もの間、何度も練り直したり、書き直しをしました。
まず最初に決まったのはタイトルです。「Atrium」とは、どの部屋にも繋がっている中庭にある、吹き抜けている空間、明るくて穏やかな空間という意味を持つ建築用語。春は卒業式や入学式など、別れと出会いの季節ですが、秋はそれらを迎えるための準備の季節ですから、明るく前向きなイメージを抱いていたんです。
そこから連想していった結果、自分の過去や現在、未来も含めてすべてを前向きに、ポジティブな気持ちで捉えて進んでいけるといいな、という想いに至り、テーマを「肯定」にしました。
「RefRain」の時から、その時々の年齢、経験値における精一杯のことを作品に記してきましたが、それらの過去の私を肯定したいと思ったんです。1曲1曲、例えば18歳の時の私、23歳の時の私はどうだっただろう?と想像しながら、全6曲を作っていきました。
――前作「Nebula」のコンセプト「逆境をチャンスに」から今作の「肯定」へと、流れとしてもうまく繋がっていますね。
上田:たぶん、「肯定」が今の私にとっての等身大の考え方で、「Nebula」の「逆境をチャンスに」は、あの時の私の 「NOW」な考え方でした。自分が歩んできた道が、アーティスト活動の中にちゃんと記されていたから、こうして繋がったんでしょうね。
爽やかさを感じるシンプルなサウンドと等身大の歌声。1曲目「履き慣れてない靴のままで」はアルバムをまとめる曲
――「Nebula」は神秘的な浮遊感、クールさをはらんだ独特なサウンドが印象的でしたが、「Atrium」の楽曲からは、爽やかさや穏やかさを感じました。
上田:サウンド感については、私から具体的なオーダーはしていませんが、コンセプトや想いなどを自分の言葉や単語で書き記し、いつもお世話になっているスタッフさんから各作家さんに伝えていただいたので、軽やかな曲調に仕上がったんだと思います。
――シンプルで聴きやすいですが、随所にギミックや仕掛けがありますよね。例えば1曲目の「履き慣れてない靴のままで」は、アコギやトランペットなどアンプラグド風ながら打ち込み音も入っていて、スパイスが効いています。
上田:(作詞作曲を手掛けたのは)何度もご一緒してきた方々ばかりなので、上田麗奈の曲だったらこういう雰囲気がいいかな?と、みなさんの中でイメージができていらっしゃるのか、デモの段階からスパイスが効いていました。
そして私の方も、作家さんたちが抱いてくれているイメージを活かせるように歌って……。これは、今までの活動の賜物だと感じています。
――リードトラック的なポジションの曲を挙げるとするなら?
上田:MVになったのは、アルバムを締め括る「とっておきの便箋」ですが、個人的には1曲目の「履き慣れてない靴のままで」がまとめというか、この先に向かっていく「NOWな自分」なのかなと思っています。