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『デパプリ』ライブ リレーインタビュー 宮本佳那子【連載第9回】

「デリシャスパーティ♡プリキュア LIVE 2022 Cheers!Delicious LIVE Party♡」に向けて、シンガー・宮本佳那子さんにインタビュー「イベントを通して、みんなの“プリキュア愛”を感じます。久々に出演させていただけることになり、今から楽しみです!」【連載第9回】

 

『プリキュア』シリーズに初めて携わったときは中学生!

──宮本さんがソロデビューを飾った『Yes!プリキュア5』(以下、『プリキュア5』)からは15年。改めて考えると驚いてしまって。

宮本:信じられないですよね! 15年ってすごい!(笑)。

──『デパプリ』のキュアプレシャス/和実ゆいを演じられている菱川花菜さんも抜擢当初現役高校生でしたが、宮本さんもデビュー当時は高校生だったんですよね。

宮本:はい。遡ると、コーラスとして参加していた時は中学生だったんです。初めてプロデューサーの鷲尾(天)さんとお会いしたのもその時で。

「ゲッチュウ!らぶらぶぅ?!」(『ふたりはプリキュア』ED曲/歌唱:五條真由美)が最初で、私のコーラスデビューの曲でもあります。あの時は確かヤング・フレッシュのメンバー8人くらいでコーラスをしました。学校帰りに制服で初めてスタジオに行ったら「今度こういう作品を作るんです」って鷲尾さんが説明してくださって。

その時に「この方が歌います」と五條さんのことも紹介していただきました。

 

──当時は緊張されていたのでしょうか。

宮本:緊張するとかしないとかがまだわかってなくて。でも(コーラスグループの)みんなもいたし、練習もしていたしで、そこまで不安な気持ちはなかったんです。むしろ『プリキュア5』のほうがプレッシャーはすごかったですね。

個人としては初めてのレコーディング。だから、レコーディングブースの音の聴き方がわからなかったんです。「ヘッドホンの返しの音どうですか」って言われても「返しの音のバランスってどうやって決めたらいいんですか?」って。

一生懸命歌ったんですけど、集団レッスンしか受けたことのないただの高校生だったので、上手には歌えないわけですよね。……というか、この話、長いんですけど、大丈夫ですか?(笑)

──むしろ聞きたいです(笑)。

宮本:では続けさせてもらうと、プロから見たら全然駄目だったと思うんですよね。つぎはぎで作られたものが出来上がったんですけど、イメージとは違ったようで「2週間後ぐらいにもう1回レコーディングするから」と。

そこから猛練習しました。「2回目にちゃんと歌えなかったら外されてしまう!」と思って。その後録ったテイクが放送で流れたものです。それが私が16歳か17歳になるくらいの時期ですね。

──それが「キラキラしちゃって My True Love!」(前期エンディングテーマ)ということですか?

宮本:そうです。オーディションはオープニングで受けていたので、エンディングでは受けてなくて。その時に「こっちも歌ってみて」と言われたのが「キラキラしちゃって My True Love!」でした。

オーディションでは非常に楽しく、のびのびと歌えたんですけどね(笑)。自分の歌を聴いてもらえることが純粋に嬉しかったんです。

 

大切なことはプリキュアが教えてくれました

──宮本さんにとって、それだけ『プリキュア』シリーズは特別な作品なんですね。

宮本:はい。一言では表せないのですが……『プリキュア』シリーズは、自分の人生の一部であることには間違いないです。

そして、プリキュアは友だちのようであり、励ましてくれる存在であったり、隣にいてくれる存在であったり、時には少し遠い存在であったり……。いつも大切なことはプリキュアが教えてくれるというか……日常の中で「プリキュアだったらどうするかな?」と考えることが多かった15年でした。

ずっとプリキュアに出ていたわけではなくて、他の作品にも出演させていただいていますが、でも未だにそういったことを感じ続けています。

──それだけ矜持を持たれているというか。

宮本:常に子供たちのお手本でいたいな、と思っています。

例えば急いでいるときに「車は通ってなくても、絶対に信号が青になるまで横断歩道を渡らない」とか、日常の小さな、でも大事なことを忘れないようにしています。それはプリキュアたちがそうであるように、私も当然のこととして意識していることです。

プリキュアは生きる上でのお手本ですね。みんなプリキュアを毎日見て、プリキュアの歌を毎日歌って過ごしたら、すごく平和で楽しい世の中になると思っています。

──子どもたちのお手本に、というお話もありましたが、宮本さんは保育士の免許も持っているんですよね。

宮本:持っています。学生のころから『プリキュア』シリーズに携わらせていただいたことで、子ども向け作品にも出演させていただく機会がありました。その中で、保育園や幼稚園に遊びに行って、子どもたちと一緒にお歌の収録をしたことがあったんです。

その時に保育士さんって凄いなと思ったんです。子どもたちの笑顔を引きだして、心を掴むのが本当に上手で。私も子どもたちと一緒に楽しみたい、もっと楽しんでもらいたいと。私も子どもたちに関わることを勉強したいなと思って試験を受けました。

『プリキュア』に出会わなかったら、もしかしたら保育士の免許は取っていなかったかもしれません。出会ったものによって流れ流され、いろいろなことを選択してきたという感じです。

そもそも私は、歌手になるとも思っていなかったんです。それは親も言っています(笑)。「キラキラしちゃって My True Love!」は、今となっては素晴らしい曲になりましたし、今は出せない等身大の良さがあるんですけど、私は決して歌がめちゃくちゃ巧いというタイプではなくて。だから歌手を目指していたわけではなかったんです。

──コーラスをされていたときも、視野にいれてなかった?

宮本:はい。「歌手になろう」とか「声優になろう」とは思っていなかったです。もともと子役として映画や舞台に出演させてもらっていましたが、すごく人見知りだし、人前に出るのが恥ずかしいタイプで。でも歌も好きだし、歌を聴いてもらうのもすごく好きだったんですよね。

──そうですよね、オーディションも楽しかったとおっしゃっていましたし。

宮本:そうなんです(笑)。初めてのことが好きなんです。でもその分、わからないことだらけで、先輩方に全て教えてもらっていました。

 

『プリキュア』シンガー同士の絆

──先輩たちから教わったことというのは、他にはどのようなことでしょうか?

宮本:いろいろあります。『Yes!プリキュア5GoGo!』(以下『5GoGo!』)になると、キュア・カルテットというユニットで歌っていたんです(『プリキュア』シリーズ5周年を記念して結成した、五條真由美さん、うちやえゆかさん、工藤真由さん、宮本佳那子さんによるユニット)。

 
ミュージカルショーなどにキュア・カルテットで出させていただく機会があって。4人で並んで歌うわけですよ。右も左も分からない中で、あの完璧なおふたり(五條さんとうちやえさん)と一緒に歌うとき「私たちはどうしたらいいんだろうか」って。そういう話を工藤さんとしていたんです。

当時は一生懸命にやることしかできなかったから、掛け声もすごいボリュームでやってて……。五條さんに「マイクをもう少し離したほうがいい」と言われたこともあるくらい、全力で歌ってしまっていました(苦笑)。今思うと「ごめんなさい」なんですけど。

気合が入りすぎたのか、たくさん練習したにも関わらず、本番中に歌詞を間違えてしまったことがありました。バックステージに戻ったときに、悔しさで泣きそうになってしまって。

でもうちやえさんに「本番中に泣いたら声が変わっちゃうから、本番が終わるまでは泣いちゃだめよ」って言われて「そういうものなんだ」って。……今思い出すだけで、うるうるします。キュア・カルテットでの活動を通して大切なことをたくさん教えていただきました。

『プリキュア5』『5GoGo!』の時は、歌手が集まる機会が多かったんです。同じ世代で歌っていなくても、プリキュア歌手という絆がありました。
 

──今の『プリキュア』シンガーの方たちも絆がものすごく強くて。それって脈々と受け継がれてきたものなんだなと思いました。

宮本:でも五條さんに関しては、私はただのいちファンですよ(笑)。ずっと憧れの存在です。だって、カッコいいじゃないですか。

五條さんの強い音色、可愛い節回し、完璧なビート……どの曲も一度聞けば、これは五條さんだと全ての人にわかってもらえる五條さんらしさに憧れています。あんなふうに歌えたら楽しくてしょうがないだろうなって思います。

ああいう余裕のあるお姉さんになりたいです。時々考えるんですよ。五條さんが初代を歌われていた年齢に、そろそろ近付いてきてるんじゃないかなって。全然追いつけないです。

──今日は五條さんへの愛をたくさんうかがいましたが、その想いは何度もお伝えされているのでしょうか?

宮本:はい! リハーサル帰り、最寄り駅のホームまで一緒に行く機会があったんです。歩きながら「私、五條さんに今大好きって言わなかったら、言えなくなっちゃうかも」と思って。ドア閉まる直前に「五條さん、大好きで〜す!」って叫んで。で、プシューッて閉まって……。

一同:(笑)。

宮本:そのあと、車内で五條さんはものすごい注目を浴びたらしくて。「すごい大変だったよ!」ってあとから聞きました(笑)。五條さんへの愛が溢れてしまいました。

──良いお話じゃないですか……!

宮本:本当ですか?(笑) でも五條さんは覚えてないかも。

このあと、五條さんに取材されるとうかがっています。多分、その時に聞いてもらえれば分かるんじゃないかと……。

──分かりました! 聞いてみます!(笑)

宮本:私が「あ〜五條さん〜!!!!!」って言っても(クールな声で)「あ、佳那ちゃん」くらいなので、「ああ、佳那ちゃんの取材だったのね」くらいだと思います。私がこんなに大好きなことを五條さんは受け入れてくれないんです(笑)。そんなクールなところにも憧れています!

でも本当に、仲良くしてもらっていて。楽屋にいてもずっとお喋りしています。『プリキュア』シリーズのイベント以外でも2人で出ることがあるので。今回、五條さんと一緒にステージに立てるのが嬉しいです。

 

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