モブ君と歩んだ6年。「自信がない」とは言いたくない──秋アニメ『モブサイコ100 Ⅲ』影山茂夫役・伊藤節生さんインタビュー
ついに第3期! 「待ってくれている人にやっと届けられる」
──ここからは第3期について伺えればと思います。まず、制作が決定したときはどう感じられましたか?
伊藤:3年くらい間が空いたので長かったなと。待ってくれている人にやっと届けられるんだって思いました。純粋に嬉しかったです。
──原作や台本をご覧になっていかがでしたか?
伊藤:第2期の時点で濃いんですけど、第3期はすごく濃いんですよ。そもそも収まりきるんだろうかと思うほどで。
それ故に自分はこのシーンをどう演じたら良いんだと最初は悩みがあって。モブ君の新たな面が出てきたりして、そこがかなり重要なんですけど、どう演じようかと。
──演じ方に変化を加えたり?
伊藤:原作を読み返したり当時の芝居を確認した上で、今の自分ならどうしようかと考えて。自分の中でできるだけ素直にいろいろなことを受けて返そうという意識はしました。
──アニメを見返していかがでしたか?
伊藤:頑張っていたんだなというのは、完成した映像を見てすごく伝わってきました。でも下手くそだな!と(笑)。
──(笑)。
伊藤:もう耳を塞いでしまいたくなるくらいでしたが(笑)、「それが良かったんだよ」と周りの方が言ってくださって。
オーディションに受かり、モブという役に抜擢されたので、そういう部分が求められていたことはわかっていたんです。でも今回、当時の自分の声を出すのはまた違うのかな?とは思いました。
第2期の頃は舞台をやらせてもらって、モブ君を演じる時間が長かったのでだいぶ自分に馴染んできていて。
見返したときはそういう背景が伝わってきて自分自身楽しかったです。モブ君を見るだけで楽しかったですし、映像面でもすごいなと感じました。
──第3期においてモブの印象に変化はありました?
伊藤:序盤は“超能力”で悩むことより“少年”として悩むことが多くて、根本は中学生なんだなと。超能力の扱いとか人との関係値において成長した面はありますが、素直で可愛いところは第3期でも変わっていないと思います。
──現在、第3期のPVが公開されていますが、ご覧になっていかがでしたか?
伊藤:僕は内容を知っていますし、一緒に録らせてもらったほかの役者さんの芝居も見ていますが、それでもワクワクさせてくれるPVでした。あと、やっぱりモブ君は喋らないんだと(笑)。
──たしかに!
伊藤:第1期のPVでも一切喋らなくて。当時は先行上映会で初めて僕の声が披露されたんですよ。そして今回も喋らなかったので、やっぱりかと(笑)。
でも色が付いて映像になっているのはすごいなと思いましたし、PVを見た各国のファンの反応を見て期待度の高さを感じました。
▼第1期PV
──伊藤さんは『モブサイコ』を通して海外のイベントに出演されていますよね。海外ファンと触れ合ってみていかがでしたか?
伊藤:海外の方を見て、悪い意味ではないんですけど、日本の方々は楽しみ方が内面的といいますか。見たもの感じたものをしんみり味わってくれるんです。
──海外の方は逆だったと。
伊藤:もう熱狂でした! 上映会のときは「オーマイガッ!」みたいに声を出すことが当たり前で(笑)。
日本は“上映会”で、海外は“アトラクション”みたいな。海外の方は自分の感情を声に乗せるのがオーソドックスなんでしょうね。違いを感じられて面白かったです。
──イベントといえば先日、第1話、第2話の先行上映がありました。ファンの方の反応はいかがでしたか?
伊藤:「あの『モブサイコ』が帰ってきた!」という反応が多かったです。第3期となると、もう皆さんの中でイメージが固まっていると思っていて。第1話、第2話を通して、懐かしさであったり、やっと見られるんだという楽しみ方に変わってくれたのが嬉しかったです。
──原作を読んだ方がどんな反応をするのかも気になりますね。
伊藤:原作を読んだとき、アニメーションになった状態を想像し辛いと思うんです。それは漫画とアニメ、それぞれの色が強いからで。でも伝えていることは共通している作品だと思うので、そういう意味では二度楽しめるんですよね。
原作を見てもアニメーションでびっくりできますし、アニメーションを見た方が原作に戻るともっともっと深いところを読み込めて。原作を見ている人は次はアニメで、見ていない人はアニメを見て原作をもう一度読んでもらう楽しみ方も良いんじゃないかと思います。
──原作もまた独特な魅力がありますよね。
伊藤:ONE先生ならではの世界観が濃く広がっている作品だと思います。
──ずばり、第3期の注目ポイントを教えてください。
伊藤:PVの段階で一番注目してほしいのは最後のエクボの一言です。原作を読んだ方ならわかると思うんですけど、まだ読んでない方はぜひ楽しみにしてください。
ほかにも今まで繋がってきたキャラクターたちとの関係値がどうなるのかという部分も第3期の見どころで。第2期でたくさん成長したモブ君と皆の関わりが面白さのひとつだと思っています。
──全体として物語の岐路なんじゃないかと。
伊藤:そうですね。中学二年生にとっての分岐点でもありますし、モブ君にとっての分岐点でもあります。
今までは超能力を持ってしまった少年が……とか、学校での悩みが……という部分が広がっていきましたが、今回はある種、モブ君の人生において大きな分岐点になるんじゃないかと思います。
──よりモブに焦点が当たる展開なんですね。
伊藤:『モブサイコ』の魅力でもあるんですけど、モブ君に焦点が当たりつつも、いろいろなキャラクターが光る瞬間があって。そういう意味では、モブ君はずっと中心には居続けないけれど、やはり中心なんだと思わせてくれる第3期です。
──すでにOPが公開されているのもこの作品ならではですね。
伊藤:映像はさすが『モブサイコ』といった感じでした。いろいろなものが詰まりつつもオシャレでかっこいいですし、最後の5秒でグッとくるものがあって。
モブ君の成長とボンズの社名から生まれるONEという文字と、そこからの「ONE AND ONLY 1」という歌詞。あの5秒にこの作品の全部が詰まっているんじゃないかと(笑)。僕はイベントで初めてOPを観させてもらったんですけれど、本当にすごいなと思いました。
イベントでMOB CHOIRのsanaさんが仰っていたんですけど、「99」(第1期OPテーマ)、「99.9」(第2期OPテーマ)ときて、次が「1」というのは「繋がるものがある」と。音楽的にも繋がるものがありますし、曲の内容的にも、話の内容的にも。
最後に「1」がくるのはすごく良いなと思います。ひとりのファンとして良いなと思わせてくれる曲と映像でした。
──先の展開を知っているからこそ熱くなった部分も?
伊藤:そうですね。もう、ONEという先生の名前すらも伏線なんじゃないかって(笑)。それくらいすべてが詰まっています。
──最後に放送を楽しみにされている方へメッセージをお願いします。
伊藤:アニメで待ってくださった方にはおまたせしましたという気持ちでいっぱいです。やっとアニメ『モブサイコ』の続きを皆さんにお届けできるのは僕自身すごく嬉しいですし、見ていただく方々にはいろいろな魅力を楽しんでほしくて。
第3期までの期間に僕が得たものをこの作品で表現したつもりなので、ぜひ最後まで楽しんでください!
[取材・文 MoA]
TVアニメ「モブサイコ100 Ⅲ」作品情報
放送情報
TOKYO MX
2022年10月5日より 毎週水曜日 24:00~
BSフジ
2022年10月5日より 毎週水曜日 24:30~
カートゥーン ネットワーク
2022年10月7日(金)より
7日(金) 17:00~ ※第1話のみ
10月14日より 毎週金曜17:30~ ※第2話以降
※再放送 同日22:00~、翌週17:00~
※放送日時は変更になる場合がございます
ストーリー
100になったとき何かが起こる青春サイキックストーリー。
何かが「100」になったとき、爆発する少年・モブ。外見はいたって普通だが、実は強力な超能力の持ち主。
師匠であるインチキ霊能力者・霊幻新隆が営む霊とか相談所で厄介な依頼を手伝う日々の中、フツーの青春を願うモブに平穏な日は訪れるのか? 青春を原動力に超能力が暴走する!
世界が待望するシリーズ第3期鋭意制作中!
スタッフ
原作:ONE(小学館「マンガワン」連載)
総監督:立川 譲
監督:蓮井隆弘
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン:亀田祥倫
美術監督:河野 羚
色彩設計:中山しほ子
撮影監督:古本真由子
編集:廣瀬清志
音響監督:若林和弘
音響効果:倉橋静男/緒方康恭
音楽:川井憲次
アニメーション制作:ボンズ
キャスト
影山茂夫役:伊藤節生
霊幻新隆役:櫻井孝宏
エクボ 役:大塚明夫
影山 律 役:入野自由
花沢輝気役:松岡禎丞
芹沢 役:星野貴紀
暗田トメ 役:種﨑敦美
ツボミ 役:佐武宇綺
米里イチ 役:嶋村 侑
郷田武蔵役:関 俊彦
鬼瓦天牙役:細谷佳正
アニメ公式サイト
原作公式サイト
アニメ公式ツイッター(@mobpsycho_anime)
原作情報
「モブサイコ 100」(小学館「マンガワン」連載)
著者:ONE
全16巻 好評発売中!