秋アニメ『4人はそれぞれウソをつく』多田香奈子プロデューサーインタビュー｜「この作品に懸けています」と意気込みを語る！　アニメ化の意義は「作品の良さがいろんな人に伝わる」こと

「別冊少年マガジン」連載、橿原まどか先生の漫画を原作とし、2022年10月15日（土）より、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットANiMAZiNG!!!枠にて放送開始となるTVアニメ『4人はそれぞれウソをつく』。

訳あって地球に在留中の宇宙人・リッカ、抜け忍であり、里の追手と陰で戦う千代、リッカと千代の思念が分かってしまうサイキッカー・関根、姉の代わりに女装して学校に来ている翼（本名：剛）。

互いに正体を隠し、ウソをつきながら生活しているなかよし4人組の“カオス”な日常を描いた、新感覚学園コメディ作品です。

今回、アニメイトタイムズでは、本作のプロデューサーを務める多田香奈子氏にインタビューを実施！

「多田宣伝部長プロジェクト」と題し、自ら積極的に宣伝を行っていくなど、本作に並々ならぬ思いを持っている多田プロデューサーに、作品の魅力や裏話を語っていただきました。

「設定で勝っている」と感じ、アニメ化したい衝動に駆られた作品

――「プロデューサー」という仕事の簡単な紹介と、多田プロデューサーがこれまでに担当された作品などをお聞かせください。

多田香奈子プロデューサー（以下、多田）：アニメ化したい作品を見つけて、出版社さんに企画を持ち込んだり、アニメを作ってくださる制作会社さんや監督さんを見つけたり、出資してくださる会社さんを集めたり……といったアニメ化のプロセスを組んでいくのがプロデューサーの仕事になります。

製作委員会側、制作会社側でそれぞれいたり、基本的に複数人が担当するものなので、どの程度関わっているかは作品によって変わってきたり、一口に「プロデューサー」と言っても様々です。

私は、元々ABCテレビでテレビ番組の宣伝をしていて、その後営業部を経てから、ABCアニメーションに来ました。アニメのプロデュース業を担当するようになったのは2年ほど前からになります。

企画を一から立ち上げた、深夜アニメの幹事プロデューサーは、今回の『4人はそれぞれウソをつく』が初めてになります。

――作品との出会いや、初めて読まれた際のことをお聞かせください。

多田：単行本を本屋さんで見かけたのが出会いでした。ですが、そのときのことは今でもとても鮮明に覚えています。

ちょうど「自分でアニメの企画を立てたい」と思っていたころに、立ち寄った本屋さんの本棚の端っこに、1冊だけポツンと第1巻が置いてあったんです。たくさんの漫画が並んでいる中で、その1冊だけが光って見えました。

手に取って裏表紙を見たときに「完全に設定で勝っているな」と思いましたね。元々「お互いが正体を隠しながら生活する」といったお話が好きでしたし、自分の中で「人生はギャップが大事」と考えていたので、まさにこの作品、この4人はそれを体現していると思いました。

実際に読んでみたところ、本当に面白くて！　難しい言葉はいらない、「おもしろい」の5文字に尽きると思いましたし、「確実にアニメ映えする！」と感じたので、すぐに講談社さんに連絡を取りました。

【コミック】4人はそれぞれウソをつく(1)

――原作を読んだ際、面白さを感じた一方で、1話1話が短いのでアニメとして再構成するのは大変そうにも感じました。

多田：技術的な部分に関しては、星野真監督やシリーズ構成の清水恵さんによる緻密な計算の賜物としか言いようがないですね。

仰るように、漫画の1話で、アニメの1話は作れないので、順番を入れ替えたり、単行本のおまけ漫画も取り入れて作られています。

1クール分の構成案を拝見した時、最終話に向けて面白くなるように組み立ててくださったおふたりの素晴らしいお仕事に震えました。全話見ていただいたら「こことここが、こう繋がるんだ！」ときっと驚かれると思います。

――そのあたりは一旦考えず、とにかく「アニメ化したい！」という気持ちが湧いてきたんですね。

多田：そうですね。緻密な計算はプロにお任せしてしまいました。

先日、星野監督と話をしていたとき、「自分のすべてを出し切っているかもしれない」と言ってくださって、すごく嬉しくなりました。監督ご自身にとって代表作だと思っていただけるような作品になったら嬉しいです。