秋アニメ『BLEACH 千年血戦篇』黒崎一護役・森田成一さんインタビュー「1話の卍解、月牙天衝は、声の成分を30%に抑えています。まだ本気じゃない」
『週刊少年ジャンプ』で連載され、シリーズ累計発行部数は1億3000万部を超えるなど、完結後も世界中で根強い人気を誇る剣戟バトルアクションコミック『BLEACH』。2022年10月10日(月)より、テレビ東京系列ほかにてTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』の放送がスタートしました。
死神と滅却師(クインシー)の因縁や、黒崎一護の知られざるルーツが描かれる最終章。初回放送である「#01 THE BLOOD WARFARE」では、尸魂界(ソウル・ソサエティ)の異変や空座町の襲撃の様子、さらに『千年血戦篇』最大の宿敵である滅却師(クインシー)の始祖・ユーハバッハの不敵な笑みが描かれました。映像美のクオリティ、キャスト陣の演技に感嘆のため息を漏らされた方も多かったのではないでしょうか。
制作陣、キャスト陣が並々ならぬ気合いを注ぐ『BLEACH 千年血戦篇』。その心境を黒崎一護役の森田成一さんに語っていただきました。
※本稿では第1話のネタバレを含みます
「もののあはれ」に近い感覚
──『BLEACH 千年血戦篇』がいよいよスタートしました。まずは最終章『BLEACH 千年血戦篇』の制作を知った際のお気持ちを教えてください。
黒崎一護役・森田成一さん(以下、森田):とにかく嬉しかったです。キャストもスタッフも「最後までやりたい」とずっと言っていたんです。それこそ前シリーズのときからずっと話しをしていて、「いつか必ずやろうね」と言い続けていました。この10年の間にも、他作品の現場で先輩キャストから「森田、『BLEACH』の続きはやらないのか」と聞かれることが多くて(笑)。「いや、僕も知りたいです」という(笑)。
そういうやりとりがずっとあったくらいなので、『BLEACH 千年血戦篇』が始まると決まって、まずは嬉しいという気持ちがやってきました。その次に思ったのは「怖い」という気持ちでした。現在進行系で、今もその怖さはあるんですけど……。
──怖さ、ですか?
森田:物語がついに終わってしまうという怖さです。古典の世界の「もののあはれ」という言葉に近い感覚ですね。最後が決まっていて、そこに向かって歩いていく。最後と言っても死に向かって歩いていくわけではないんですが、それに近しいものを感じています。
これから作品を生き生きと描いていかなければならないんですが、僕らが歩いているのは、最後に向かっている道でもある。その矛盾というか。その戦いを考えたときに怖さを感じましたし、「黒崎一護をこれで演じ終えてしまうんだ……」と思いました。
──やりきらなければいけないわけですもんね。
森田:そうなんです。黒崎一護を演じていく中で、自分の理想としての黒崎一護にはまだ到達できていないんです。この最終章ですべて演じきれるのだろうか、という怖さもあります。
本当にいろいろな怖さが自分の中に去来しているので、毎回自分の中で恐怖と向き合っています。(9月末現在)そろそろ1クール目を録り終えるところなので、気持ち的には落ち着いてきましたが、まだ緊張感はあります。ですがこの緊張感は、ネガティブなものではなく、良いものなんだろうなと感じています。最後までずっと持ち続けているのが良いのかもしれないです。
──テレビシリーズで黒崎一護を演じられるのは10年振りですものね。それだけ気合いも入っていると思います。
森田:この10年の間もゲームなどで黒崎一護を演じてきたので「久しぶり」という感覚はなかったんですが、会話劇を演じるのは、僕以外のキャストも含めて久しぶりなんです。なので久しぶりのアフレコはとても緊張しました(笑)。