アニメ

2022-10-18 12:00

秋アニメ『アキバ冥途戦争』増井壮一監督、シリーズ構成・比企能博さん、Cygamesプロデューサー竹中信広さん、P.A.WORKSプロデューサー・辻充仁さんによるスタッフ座談会をお届け！　作品が生まれた意外な（？）経緯を語る【連載第3回】

「この世界でのお仕事の意味」

──掲載時には、2話まで放送されています。抗争を通して、それぞれのキャラクターの特徴や、なごみの葛藤が描かれました。

比企：2話まではセットアップ的な部分も多いんです。世界観やキャラクター性を伝えるための場面が中心になっていますが、3話以降はどんどんふざけていく雰囲気なので楽しみにしていてほしいですね。

増井：今の時点だと、なごみはとんとことんにずっといたいとは思っていないんですよね。だから、まだ序章。これから仕事モノが本格的に始まっていきます。

辻：仕事……描いてましたっけ？

竹中：全体的には描いてますよ……！　1話でもお仕事していましたし、2話も冒頭でお仕事していますし（笑）。

辻：2話まで見てくれたら「この作品ってこういうふうに見るんだ」と分かってもらえるのかなと思います。1話だけだと「こういう作品なのか、でもお仕事もするんですよね？」って感じだと思うんですけど、2話で「確実にそれはないな」と……。

竹中：いや、そんなことないですよ！　お仕事しますから！「P.A.WORKSが誇るお仕事モノです」と言ってくれたら、僕らはうれしいので、そこは強気です！（笑）

比企：（笑）

辻：でも要素としては少ないと思うので、戦っているシーンが目立っちゃうのかなと。

増井：まあ、この世界のお仕事はどういう意味なのかな、と……それを考えてもらえたら。

制作4人の推しキャラは「店長」？

──それと、近藤さん、佐藤さんから質問を預かっているのですが……2話まで出てきたキャラクターの中で、みなさんの推しキャラクターは……？

竹中：2話までだったら店長でしょうか。

辻：タバコを吸ってる絵が良いですよね。大好きです。

比企：良いですよね。「お金どれくらい借りたい？」って聞かれて「いっぱい」って答えるのが最高です。あそこは監督が考えてくれたと思うんですけど。

辻：見ていて面白いのは店長。店長の「（おひねりちゃんが）出ません！」っていう場面も大好きですし。

増井：店長って本当にいつも精一杯なんだと思うんですよ。ゆめちやしぃぽんは怒るけど、店長はなんだかんだ言っても、いろいろ背負っているものがあるんじゃないかなと。「お前らに分かるか！」って、本当にそういう気持ちなんじゃないかなと思っています。

竹中：今の時点で僕らから言えることはそれくらいでしょうか。今後はいろいろなキャラクターが出てくるので、楽しみにしていてください。

──あと、嵐子は囚人番号が96番ですが、なぜ96なのか知りたいと近藤さんがおっしゃっていました。

辻：何か深い意味ありましたっけ？

竹中：僕は覚えているんですけど、そこは特に理由はないということにしておきます。

──あと個人的に気になっていたんですけど、「おひねりちゃん」というキャッチーな言葉はどなたがつけたんです？

増井：みんなで悩みながらアイデア出しをしたんですよね。

竹中：結構いろいろな案があったんですけど「ひねり出す」から「おひねりちゃん」って意外と良いね、と。あと1話の脚本に「ひねり出せよぉ！」って言葉があったので、最終的に「おひねりちゃん」になったんですよね。

増井：投げ銭感覚の響きが良いなと思って。まあ、言ってしまえば上納金なんですけど……結構みんなで話し合いましたよね。

竹中：最終的には響きで決めたような気がします。

「なごみがどう変わっていくか」がポイント

──今後の見どころについても教えて下さい。

竹中：現時点で今後の「見どころ」を言うのは難しいんですけど……お仕事モノとしてのキャラクターの関係値が、2話以降は進展していきます。個人的に、4話からさらに面白くなってくると思いますよ。もちろん、スタートから面白いんですけど。僕はやりたいことができているので、すごく楽しいなぁと思いながら見ていました。

増井：ここまで見てもらったら、「こんな感じでいきますので、よろしくお願いします」というだけですけどね（笑）。

竹中：そんな感じでいかなくなる回も出てくるんですけどね（笑）。2話までの時点で言えるお話って少ないんです。だから歯切れの悪い感じになってしまってすみません。

辻：個人的には、なごみがこの世界のメイドにどう向き合っていって、どう考えていくのか、というのが面白いのかなと。そこは話数が進んでいくごとに考えていたことでした。なごみがどう変わっていくかを注目して追いかけてもらえたら良いのかなと。

竹中：素晴らしいコメント。なごみの成長物語ですからね。辻さんが言うと説得力があります（笑）。

インタビューでこんなこと言って良いのか分からないんですが……僕は「よくわからないけど面白いもの」が作りたかったんです。「理解できない。でも面白い」。そして、最終的には理解できる作品になっていると思います。だから現段階では、「面白い」「面白くない」というより、見て、感じてもらえるのが内側の人間としてはうれしいです。

インタビュー・逆井マリ

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TVアニメ「アキバ冥途戦争」作品情報

2022年10月6日（木）～TOKYO MXほかにて放送

放送情報

TOKYO MX・サンテレビ・KBS京都・BS11
10月6日より毎週木曜 24:00～放送開始
AT-X
10月7日より毎週金曜 21:30～放送開始
リピート放送：毎週火曜9:30～　毎週木曜15:30～

配信情報

ABEMA：10月6日より毎週木曜 24:00～
ｄアニメストア：10月9日より毎週日曜 24:00～

ほか各配信プラットフォームにて　10月12日（水） 24:00以降、順次配信予定！
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スタッフ

原作：ケダモノランド経営戦略室
監督：増井壮一
シリーズ構成：比企能博
キャラクターデザイン・総作画監督：仁井学
美術監督：本田こうへい
美術設定：伊良波理沙
色彩設計：中野尚美
プロップ設定：入江健司、鍋田香代子
撮影監督：石黒瑠美
3D監督：小川耕平
特殊効果：村上正博
編集：高橋歩
音楽：池頼広
音楽制作：Cygames
音響監督：飯田里樹
音響効果：中野勝博
音響制作：dugout
アニメーション制作：P.A.WORKS