秋アニメ『アキバ冥途戦争』増井壮一監督、シリーズ構成・比企能博さん、Cygamesプロデューサー竹中信広さん、P.A.WORKSプロデューサー・辻充仁さんによるスタッフ座談会をお届け! 作品が生まれた意外な(?)経緯を語る【連載第3回】
CygamesとP.A.WORKSのタッグで贈る新作オリジナルTVアニメ『アキバ冥途戦争』が2022年10月6日(水)より放送中です。
メイドカフェ「とんとことん」に新人メイドとして入店した17歳の和平なごみと35歳の万年嵐子。兼ねてより対立していたメイドリアン系列と、最大手グループ・ケダモノランド系列による抗争の余波が続く中、第2話では怪しげな「メイドカジノ」へ……。ディーラーメイドの暗躍、そして「とんとことん」のエースメイド・ゆめちの活躍、なごみの葛藤が描かれました。
連載インタビュー第3回は、増井壮一監督、シリーズ構成・比企能博さん、Cygamesプロデューサー・竹中信広さん、P.A.WORKSプロデューサー・辻充仁さんによるスタッフ座談会。現在、明かせる範囲での裏話をたっぷりとうかがいました!
「面白いものを作りたい」が発端
──改めて、みなさんが本作にどういうポジションで作品に関わられているのかを改めて教えていただけますか? また皆さまの関係性についてもおうかがいできればと思うのですが……。
竹中信広さん(以下、竹中):僕はCygamesのプロデューサーですが、「この作品を作りたい」と言い出した人です。具体的な仕事はありません。
──発案者ということですよね?
竹中:発案というとちょっと大げさな気がします。思いついただけです(笑)。
辻充仁さん(以下、辻):竹中さんは、この企画の走りというか。
竹中:それだけです。「やりたい」と言い出したところ、みなさんが一生懸命に作ってくれたという。
──そんなことはないと思いますが、ひとまず了解しました(笑)。では続いて、辻さんお願いします!
辻:P.A.WORKSでプロデューサーをやっていて、「アキバ冥途戦争」のアニメーションを作らせていただいています。
竹中:(盛り上げるように)よっ!
辻:すごくざっくりですけど(笑)。
増井壮一さん(以下、増井):僕は本作の監督をやらせていただきました。呼んでいただき、参加させていただいたような感じです。
竹中:まあ、間違ってはないですよね……(笑)。
比企能博さん(以下、比企):そうですね(笑)。僕も竹中さんたちに呼んでいただき、作品のシリーズ構成を担当しています。
──増井監督、比企さんから「呼んでいただき」というお言葉がありましたが、この皆さんが集まるまでの、スタッフィングの経緯についても教えていただけますか?
竹中:もともとは僕と辻さんが知り合いで、「なんか一緒に面白いことをやりたいね」という話をしていたんです。いくつか企画を持っていった中で「面白そう」と言ってもらったのが『アキバ冥途戦争』だったという。
辻:いくつかありましたっけ? 他はどんなのでした?
竹中: 3つくらいあったような気がします。僕自身もどれを持っていったかあまり覚えていないんですけど(笑)。それで『アキバ冥途戦争』の物語をピックアップすることになって。じゃあ、お話を作る上で、誰を脚本の中心にしていこうかという時に……。
辻:株式会社ピタという脚本チームによる会社の代表・杉浦理史さんにお話を持っていかせていただいたんですよね。シリーズ構成はあえて決めなかったんです。たくさんのブレーンを集めて、「どういう企画にしていこう」「どういう物語にしていこう」とブレストしていこうと。確か、最初は5人くらいで話してたかな?
竹中:そうです。後に4人になるんですけども。
辻:その中に比企さんがいらっしゃったんですよね。
竹中:で、進め方的に「やっぱりシリーズ構成がいたほうが良いよね」って(笑)。
辻:「まとまらないよね」と(笑)。だから「やっぱり立てよう」と。
──まとまらなかった(笑)。
竹中:そうです(笑)。その後、比企さんを中心にして企画を組み立てていく中で、「ある程度見えてきたから、監督を呼ぼう!」という話になったんです。そうしたら辻さんから、増井監督のお名前が上がって。僕は「ご本人が良ければぜひ」と。
辻:それで増井さんに連絡して、内容を見てもらって。「面白そうですね」と言ってくださったんです……確か(笑)。快く引き受けてくださったと、僕は認識しています。
──「なんか一緒に面白いことをやりたいね」というお話から始まった企画とのことですが、そもそも、竹中さんと辻さんの間ではどのような話し合いがあったのか、詳しくお伺いしてもいいですか?
辻:竹中さんから「面白いものをやりたいんです」というお話をもらって。自分は「メイドのお仕事モノとして描きたい」という思いが強かったんです。でも竹中さん的には「任侠をしたい」と。ちょっと相反する感じの意見だったんですよね(笑)。じゃあ、どっちの要素を強く入れるかという感じになっていたんですけど……。
──放送が始まる前は、メイドのリアルなお仕事アニメと思っていた方もいらっしゃるでしょうね。
辻:そう思います。結果的に、メイドの仕事の要素は全体的には少ないんですよね。でもやっていくうちに「これでもいける!」という手応えを感じました。
──タイトルは当初から決まっていたんですか?
辻:タイトルは最初に決まっていました。決まっていたというか……。
竹中:僕の中でだけね。
辻:最終的にそのタイトルのままになりました。