『SPY×FAMILY』第2クール放送記念! ロイド・フォージャー役:江口拓也さんインタビュー|THE仕事人としてのロイドがどのように動くのか、非常に楽しみです
現在放送中のTVアニメ『SPY×FAMILY』第2クール。第1クールでは常にトレンド入りするほどの人気で、今年のアニメ作品の中でも大きな注目を集めています。
アニメイトタイムズでは放送記念し、フォージャー家の声優陣にインタビューを実施。連載3回目は、ロイド・フォージャー役の江口拓也さん。
第1クールを振り返りながら、ロイドの演じ方の変化や活躍ポイントなどを教えていただきました。
ロイドを演じていくうちに変化したこと
ーー1クール目は始まった当初から大人気で、放送日は常にSNSにて大反響でした。放送を振り返った感想を教えてください。
江口拓也さん(ロイド・フォージャー役/以下、江口):『SPY×FAMILY』というプロジェクトの一員として参加させていただいて、SNSの盛り上がりはもちろんですけど、自分の身の周りの人たちからの反響もあって、「見てるよ」とか「面白いね」という声を多数聞きました。
第1クールの放送時には、いろいろな現場へ行った時に、『SPY×FAMILY』と関わりのない方からも話しかけていただける機会が多かったので、作品のエネルギーの強さを感じましたね。
ーー初めはアーニャとのぎこちない偽装家族でしたが、徐々に馴染み、妻・ヨルも加わってきました。ロイドの演じ方に変化はありましたか?
江口:最初はスパイ活動の任務といったところでの関わり方だったんですけど、家族として過ごす中で生まれた感情がところどころにお話に散りばめられています。
1話を見た時と12話を見た時に、少しずつではありますが、ロイドの印象が変わっていると感じてもらえるかということを、演じる際に意識していました。
細かいニュアンスなんですけど、スタッフの方と少しずつすり合わせてきたので、最終的には見てくださっている方に、「彼の中に何かが生まれたんだろうな」と感じていただけていれば嬉しいです。
ーー江口さんご自身もロイドを演じていて変化はありましたか?
江口:僕自身がどちらかというと、子どもに苦手意識を持ってしまうタイプだったんです。
作品の中で、ロイドが言っているんですけど、自分が理解できないものへの恐怖や拒否感というものがある。
最初は単にうるさいという理由だけでロイドが子どもが苦手なのかと思ったんです。ただお話を進めてみると、ロイドは過去の自分と照らし合わせて、何もできなかった頃の自分を思い出すから、子どもが苦手だったんだという気持ちにたどり着きます。そういった彼のいろいろな部分を通して見た時に、僕自身も「なるほどな」と思うような表現が多くありました。
何より、ロイドとしてアーニャと過ごしていくうちに、泣いたり、笑ったりという喜怒哀楽を通して、「豊かに過ごしているアーニャやそのように生きている人たちを守りたい」という根本的な願いから、今のロイドの姿があるんだと気付きました。彼のそういったところに、リンクしたじゃないですけど、僕にも父性が少し芽生えてきた気がします。
ーー父、夫、スパイの顔を持つロイドですが、演じ分ける際に心がけていることをお聞かせください。
江口:ロイドはセリフとモノローグを切り替える瞬間が多いので、セリフの声色からも違いがよりハッキリとわかった方がいいだろうなと思い、そこの切り替えは意識をしました。ただ、そのセリフが誰に向いているのか、どんな気持ちで発しているのかというところが特に大切にしていたので、シーンによってはそちらを優先していました。
それに加えて、このセリフ量がこのテンポ感に合うかどうかといった技術面も併せて意識して演じましたね。
ーー江口さんご自身が演じていて楽しかったシーンはどちらでしょうか?
江口:ロイドがスパイ活動中に変装して、別の人物に入れ替わるシーンがけっこうあるんですよ。その時の人物は、僕が声を当てるのではなくて、元々声を当てられたご本人が演じるという形で完璧な変装としてやっていたんですけど、12話「ペンギンパーク」では、(ロイドが変装する)水族館の飼育員を僕が演じたので、違うキャラクターとして、自分が演じられたのは楽しかったですね。
2クール目はシリアス&緊迫感あるシーンに注目
ーー激しいアクションシーンが期待される第2クールですが、作品の見どころや、ロイドが活躍する注目ポイントを教えてください。
江口:第1クールでは家族になるまでの過程と、その上で守るべき平和というものを主に作品が作られていて、和やかなムードで終わりました。第2クールからは、ロイドのスパイ活動の主な任務にも徐々にフォーカスが当てられるようになり、だからこそ、幸せな家族生活が際立ちます。
ロイドの仕事は常に危険と隣り合わせなんだと思い出させるようなシーンが数多く存在するので、第2クールはシリアスなシーンが多いです。そういった緊迫感のあるシーンは、ハラハラしながら見ていただけるのではないかなと思います。
そして、ロイドにはいろいろな姿がありますが、「THE仕事人」としてのロイドは、見どころだと思っています。僕自身もオンエアで見ることになるので、ロイドがどのように動くのか、非常に楽しみです。
ーー新たに登場するキャラクターも気になります。
江口:謎のワンちゃんもそうですけど、新キャラクターは作品に深い関りを持っている人物たちです。どういった関わり合いを見せるのかというところに注目して見ていただきたいです。それから、僕も原作の中で好きなシーンが多く登場するので、その辺は楽しみに待っていただけたらなと思いますね。
ーーロイドの演じ方や受けたディレクションを教えてください。
江口:自分で作っていったものに関しては、細かい部分のディレクションはあまりなかったんですけど、家族のシーンだとわりと幸せになりすぎてしまうということがありましたね。セリフひと言の中にも、ディレクションとして「今のセリフは家族過ぎましたね」や「もう少し距離感を」と言われることはありました。
回を重ねるごとに、心を許しながらセリフを言うシーンが多くなっていくので、その辺りのさじ加減はすり合わせしながらやっています。その時のロイドの心と声色みたいなものが本当に少しの差ですけど、「ちょっと入り過ぎたね」という感じです(笑)。
料理でいうと、塩ひとつまみ入れるかどうか、砂糖ひとつまみ入れるかどうか、そういう感じの味付けではありますが、「ちょっとここは薄味の方がいいかな」といったところは、少しずつ調整してやっていますね。
あとはカット内のセリフ数が多い時は、「頑張ってください」といった気持ちを込めたディレクションコメントが多いかなと個人的に感じました(笑)。
アーニャのかわいさにやられてしまう
ーー収録時やイベントなどで、他のキャストとどのようなお話をされましたか。
江口:フォージャー家のヨル役・早見(沙織)さん、アーニャ役・種﨑(敦美)さんと収録することは非常に多いですし、イベントや番組宣伝などでもご一緒させていただいています。でも、3人ともシャイじゃないけど、口数は少ない方なんですよね(笑)。だから、日常会話も少ししますけど、3人とも必要以上に話したりはしないです。その辺りの空気感は心地良くて、僕自身は過ごしやすい空間でやらせていただいているなと感じています。
『ジャンプフェスタ2022』のステージで、キャスト発表になる時の裏での緊張感はありましたね。僕も初めてみなさんの前に立つ瞬間ではありましたし、数言ではありましたけど、早見さん、種﨑さんと「緊張しますね」というお話はしました。
収録現場のマイク前では、「良い緊張感の中で、もの作りに参加できているな」と感じながら収録しているので、とても良い現場に恵まれて、ありがたいなと思っています。
ーー江口さんはフランキー・フランクリン役の吉野裕行さん、ビル・ワトキンス役の安元洋貴さんと他のプログラムなどでもよく共演されていますが、今作で交流はありましたか?
江口:今回は安元さんとは一緒に収録ができなかったんですけど、フランキーとのシーンが多かったので、吉野さんとは2人で収録させていただくことも多かったですね。
ーー今作での吉野さんとの共演はいかがでしたか?
江口:吉野さんはお世話になっている先輩で、交流も長いです。コロナ前は1カ月に1回は一緒にお酒を飲んでいましたね。約束したというわけではないですが、「やりましょうよ」と言って、1年続いたことがありました(笑)。
そういったことからも、プライベートで仲良くさせていただいている先輩ですし、「いつかガッツリ一緒にお仕事させていただきたいな」という思いがあったので、フランキー役が吉野さんに決まったというお話をお聞きし、相棒としてマイク前に立てるということがものすごく嬉しかったです。自分の中では、個人的に感慨深いものがありましたね。
ーー現場でキャラクターや作品についてお話されることはありますか?
江口:安元さんも原作は読んでいたとおっしゃっていましたし、吉野さんも単行本で追っているとお聞きしていたので、原作からいろいろなものを抽出されて、現場にいらっしゃっているんだろうなという印象はありますね。
現場ではキャラクターについて細かい話はあまりしないんですけど、どの先輩方も、それぞれ楽しみながら作品のお話をされていて、現場が和やかになるという瞬間は多かった気がします。
ーー『SPY×FAMILY』は本当に面白い作品ですし、家族をテーマにしたアニメ作品の中でも、こういったタイプの作品は珍しいです。そして、子どもから大人まで多くの方に愛される作品はなかなかないと思います。
江口:作品に不思議な魅力がありますよね。コメディ、家族愛、たまにシリアスなところもあるんですけど、アーニャのかわいさにやられてしまうのが不思議だなと思います。
これまでもめちゃくちゃかっこいい人やかわいい人たちがたくさん登場したり、バトルの熱さを描いていたり、そういったところで心惹かれる作品というのはたくさんあったと思うんですけど、家族愛をテーマにしているのがすごいですよね。
みなさんの心の中にも、家族というものがそれぞれの形であって、その上でどう自分が生きているのか、ということが影響しているのだろうなと個人的に感じました。
江口さんVS早見さん ライバルで競うイラスト対決!
ーー毎回反響の大きい江口さんのイラストが印象的で楽しみにしている方も多いと思います。イラスト制作についてお聞かせください。また、Twitterにて公開されている他のキャストのイラストを見た感想をお願いします。
江口:自分は絵が得意ではないので、その辺りをいじっていただいているという感じなんですけど……。僕の中では特に何も考えずに描いているので、思い入れも特にないです(笑)。
一同:(笑)。
/#江口拓也 さん描き下ろし
— 『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』アニメ公式 (@spyfamily_anime) September 4, 2022
2クール目メインビジュアル公開⁉️
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先日の特番をご視聴いただいた皆様、
ありがとうございます🙏✨
毎日キャストさん描き下ろしの
2クール目メインビジュアルを公開‼️
ラストは江口拓也さんです👏#SPY_FAMILY #スパイファミリー pic.twitter.com/Ol4OwbsB28
ーー無心で描いているんですか。
江口:無心ですね。筆には迷いがないので、走り始めたらペンにゆだねていて、30秒ほどでできあがっています。赴くままに、ペンが勝手に描いているという感じですね。
ヨル役の早見さんとは長年ライバルとしてやってきたので、『SPY×FAMILY』に限らず、ラジオ等でもそうなのですが、事あるごとに僕と早見さんを戦わせようとする意志を感じるんですよ。
ですから、ライバルとしてお互い犬猿の仲みたいなところがあって、お互い譲らないんですよ。僕は早見さんの絵の方がヤバイと思っているんですけど、早見さんは僕の絵の方がヤバイと言っていて……(笑)。いつかこの東西の戦いが終わることを祈っております。
ーー『SPY×FAMILY』の放送を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
江口:第1クールが終わってから、僕の中ではあっという間に第2クールという感じですが、待ってくださっているみなさんからすると、「早く見たい!」という気持ちでしたよね。
みなさんの作品への期待感、ワクワク感というのが高まっている気持ちをすごく感じるので、あとはもう見ていただくだけだなと思っています。
ぜひ毎週『SPY×FAMILY』の日をそれぞれのご家庭で楽しみにしていただけたらなと思いますし、みなさんに喜んでいただけることを思い描きながら、我々も作品を作っているので、それが一番の励みになります。
ぜひ各々の楽しみ方で『SPY×FAMILY』を味わっていただきたいで。よろしくお願いします!
[取材・文]宋 莉淑(ソン・リスク)
TVアニメ『SPY×FAMILY』作品情報
第2クール放送・配信情報
■放送情報
10月1日(土)23:00よりテレビ東京系6局ネットにて放送。
テレビ東京10月1日(土)23:00~23:30
テレビ大阪10月1日(土)23:00~23:30
テレビ愛知10月1日(土)23:00~23:30
テレビせとうち10月1日(土)23:00~23:30
テレビ北海道10月1日(土)23:00~23:30
TVQ九州放送10月1日(土)23:00~23:30
BSテレ東10月2日(日)24:35~25:05
■配信情報
第1クール各動画サービスにて好評配信中
第2クール10月1日(土)23:30より各動画サービスにて最新話順次配信
ABEMAプレミアム
Amazon Prime Video
Disney+(ディズニープラス)
dTV
dアニメストア
dアニメストア ニコニコ支店
dアニメストア for Prime Video
FOD
Hulu
J:COMオンデマンド
milplus
Netflix
Paravi
TELASA
TELASA(auスマートパスプレミアム)
U-NEXT
アニメカ
アニメタイムズ
アニメ放題
バンダイチャンネル
他
ストーリー
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている――
世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。
東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。
西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。
その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。
内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。
〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。
だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!
3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。
ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。
STAFF
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:古橋一浩
キャラクターデザイン:嶋田和晃
総作画監督: 嶋田和晃 浅野恭司
助監督:片桐崇 高橋謙仁 原田孝宏
色彩設計:橋本賢
美術設定:谷内優穂 杉本智美 金平和茂
美術監督:永井一男 薄井久代
3DCG監督:今垣佳奈
撮影監督:伏原あかね
副撮影監督:佐久間悠也
編集:齋藤朱里
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
制作:WIT STUDIO×CloverWorks
第2クールオープニング主題歌:BUMP OF CHICKEN 「SOUVENIR」
CAST
ロイド・フォージャー:江口拓也
アーニャ・フォージャー:種﨑敦美
ヨル・フォージャー:早見沙織
フランキー・フランクリン:吉野裕行
シルヴィア・シャーウッド:甲斐田裕子
ヘンリー・ヘンダーソン:山路和弘
ユーリ・ブライア:小野賢章
ダミアン・デズモンド:藤原夏海
ベッキー・ブラックベル:加藤英美里