フランのお父さん、お母さんの気持ちで見守ってほしい! アニメ『転生したら剣でした』リレーインタビュー第2回:フラン役・加隈亜衣さん
独特の“フラン節”をいろいろな場面にちりばめています
──スタッフさんと何か相談されたことはありましたか?
加隈:第1話で「幼くしなくてもいいですか?」と伺ったら、「大丈夫です」と言ってくださったので、私が感じたままのフランを出せたかなと思います。細かいところだと、独特の“フラン節”にはこだわりがあるんだなと感じました。
──“フラン節”ですか?
加隈:例えば、「大丈夫」のような「う」の入る言葉は、「だいじょぶ」になるんです。
──ああ~! 確かに「うん」という返事も「ん」になっていますよね。
加隈:そうです! ちょっと言葉を省略してどこかたどたどしい感じ、不安定な感じをいろいろなところにちりばめています。
──それがフランの子どもっぽさ、あどけなさにつながっているんですね。
加隈:子どもっぽくもあり、黒猫族なだけあってやっぱり猫っぽくもあるんです。急に感情を爆発させたり、甘えてきたりすることがありますし、そうかと思えば急に飽きちゃうなんてこともありますから(笑)。
子どもや猫から目を離せないのはかわいさもあると思うんですが、何をするかわからないところも大きいと思うんです。それを音でも表現できたらなと思いながら演じています。
──映像からもフランのかわいらしさ、子どもっぽさが伝わってきました。
加隈:本当に大事に描いていただいているなと感じます。アニメーターさんたちも愛情をもってフランを育ててくださっているのが伝わってきて私も嬉しくなります。
戦闘シーンもそうですね。フランの戦いのセンスが感じられると同時に、剣を構えたときの重量感からは小柄ながらに頑張っている姿が伝わってきて、フランのスピード感はあのゆっくりとした動きなんだなと掴むことができました。
──フランと師匠の関係性についてはいかがでしょうか。
加隈:まず師匠の切り替えの早さがすごいと思いました。前世に縛られることもなく、転生してすぐに「この世界で生きるにはどうしたらいいか」と切り替えて、フランに出会ってからはフランのために頑張ろうとする。そして気づいたら過保護なくらいフランのために考え、行動するようになって(笑)。いつの間にかお父さんになり、お父さんとしても成長しているところが素敵だなと思いました。
──お互いの信頼もどんどん強くなっている印象があります。
加隈:フランも師匠のことをすごく大切に思っていますよね。第4話には、汚れた師匠をお風呂で洗ってあげるシーンがあるんですが、あれも誰に教わるわけでもなく師匠のことが大切だと思った結果できた行動で、私はあのシーンに愛を感じました。「剣だし適当に拭いておけばいいや」ではなく、一人の“人”としてちゃんとケアできるところが素晴らしいなって。
それは黒猫族として虐げられてきたことも理由にあると思うんです。種族を理由に虐げられてきたからこそ、見た目で判断せず大切な人には愛を捧げる。師匠をぎゅっと抱きしめるシーンなどもそうですが、フランの思いや考えがちょっとした行動にも詰まっているのがこの作品の魅力だと思います。
──師匠を演じる三木眞一郎さんとの掛け合いはいかがでしたか?
加隈:たくさん引っ張っていただいています! 三木さんとメインキャラクター同士でここまで掛け合うのは初めてで、以前、共演させていただいたときも情熱を持って役に向き合われている方だなと感動したんですが、改めて説得力が違うな、と。特に、第1話のあの膨大なセリフを成立させる表現力に圧倒されました。
それから、三木さんはかっこいい役や頭のいい役の印象が強かったので、今回ご一緒する前は「剣役ってどうやるんだろう?」って興味がありました(笑)。
──確かに!
加隈:思いのほかコミカルで楽しかったです。第1話は物語だけを追うと意外と暗いお話なんですが、三木さんは師匠があの世界をゲームとして楽しんでいるような声にされていたので、逆に私はフランを思いきり暗くすることができました。フランとのバランスを考えてくださっていたのかなと勝手に解釈しています(笑)。
収録の待ち時間に「フランちゃん、いいね」と言ってくださったのも嬉しかったですね。自分の考えるフランでいいんだと背中を押された気持ちになりました。
──そして、物語はゴブリンとの激闘が続いています。
加隈:フランのまっすぐさがかっこよくもあり、怖くもあるんですが、師匠が大丈夫かどうか確認して、冷静に判断してくれるのが心強いです。この2人は相性とバランスがいいですよね。師匠だけでは倒せないし、フランだけだと途中でやられてしまう……お互いに頼れるところは頼り、突き進めるところは突き進む。この素晴らしいコンビネーションがどこまで洗練されていくのか、楽しみにしていただきたいです。
──今後、登場予定のアマンダについてはいかがでしょうか。フランに「ママと呼んでもらおうと奮闘」すると、キャラクター紹介にはありますが……。
加隈:その通りですね! ママとしてのアピール、“圧”がすごいんです。すごく楽しいキャラクターなんですが、もちろんそれだけではなくて。アマンダは誰よりも強い実力者であり、“子どもを守る”という強い信念があるんです。
フランも“守るべき子ども”の対象の一人ですが、なかなかなびかないんです。たぶん相手にグイグイこられると少し引いてしまうのかもしれないですね。相手のテンションが高ければ高いほど冷静になる、みたいな(笑)。その対比が面白いですし、そういう意味では噛み合っているような気がします。
愛情を注いでくれる人との関係性という点でも、フランにとって見逃せないキャラクターです。演じられているあみっけさん(小清水亜美)のお芝居もかっこいいところはかっこよく、面白いところは面白くて。個人的にも大好きなキャラクターなので、アマンダとのやりとりは最後まで注目していただきたいです。
──他に、何か気になっているキャラクターはいますか?
加隈:ネルさんは登場してひと言目が「死ねばいいのに」だったのが面白かったです。何かヤバい敵が出てきたのかなと思ったら、すごく綺麗なギルドのお姉さん。フランのことを快く受け入れてくれたのが嬉しかったです。
──ネルをはじめ、フランと街の人との交流が広がっていくのもいいですよね。
加隈:そうなんです。どのキャラクターにもそれぞれの人生が感じられて、生身の人間として生きているのが伝わってくるんです。そういった魅力的な人たちがフランを受け入れ、お互いに信頼し合う関係性がいいなと思いますし、フランがちゃんと生活しているのが見えてくるのが何より素敵だなと思います。
命がけで戦うからこそ、温かい日常がかけがえのないものになるというか。フランには帰る場所がなかったので、街が“帰る場所”として描かれているのを見るとほっこりしますし、ふいに振り返るとグッとこみ上げてくるものがあります。
──では、第4話以降の注目ポイントを教えてください。
加隈:ゴブリンだけではなく、フランの夢や目標を阻む存在が登場してきます。フランはそういった存在にどう立ち向かっていくのか。師匠はいかにフランを支え、引っ張っていくのか。2人の関係性と、周囲との関わり方に注目してみてください。フランのお父さんやお母さんの気持ちで見守っていただけたら嬉しいです(笑)。
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画像をクリックすると、関連記事にとびます。TVアニメ『転生したら剣でした』作品情報
放送&配信情報
10月よりTOKYO MXほかにて放送中&ABEMAにて地上波1週間先行・独占配信中!
<放送情報>
TOKYO MX:毎週水曜日23:00~
ABCテレビ:毎週水曜日26:14~
BS朝日:毎週金曜日23:00~
AT-X:毎週金曜日21:00~
【リピート放送】毎週火曜日 9:00〜/毎週木曜日 15:00〜
<配信情報>
ABEMA:毎週水曜日23:30~
イントロダクション
転生したら剣でした――。
「知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)」と呼ばれる”剣“として異世界に転生した彼は、装備者との出会いを夢見ながら、孤独にスキル収集に励んでいた。
ある時、迂闊にも魔力を吸収される「枯渇の森」へ踏み入り、一歩も動けなくなってしまう。途方に暮れる中、奴隷として虐げられていた黒猫族の少女フランに出会う。
フランは巨大な魔獣に襲われ、絶体絶命の危機に陥っていた。彼女は眼前に突き刺さっていた彼を引き抜き、その力で窮地を脱すると、彼を「師匠」と名付けて正式に装備者となるのだった。
冒険者となったフランと師匠は、お互いにスキルを磨きながらクエストをこなしていく。フランは強さの果てにある「進化」を目指すために、師匠は少女の「願い」を叶えるために。
猫耳少女と親バカな剣の大冒険が始まる!
スタッフ
原作:棚架ユウ
(GCノベルズ『転生したら剣でした』/マイクロマガジン社刊)
キャラクター原案:るろお
監督:石平信司
シリーズ構成・脚本:永野たかひろ
キャラクターデザイン・総作画監督:齋藤温子
助監督:清水一伸
師匠デザイン:浅沼信也
モンスターデザイン:有澤 寛、工藤糸織、桑原良介
キーアニメーター:芳賀 亮
総動画監修:髙橋知也
色彩設計:高木雅人
美術監督・設定:佐藤正浩
美術ボード:永吉幸樹
プロップデザイン:桑原良介
撮影監督:小野寺正明
編集:定松 剛
音響監督:はたしょう二(サウンドチーム・ドンファン)
音楽:高梨康治(Team-MAX)
OPテーマ:「転生したら剣でした」岸田教団&THE明星ロケッツ
EDテーマ:「more<STRONGLY」黒崎真音
アニメーション制作:C2C
製作:転剣製作委員会
キャスト
師匠:三木眞一郎
フラン:加隈亜衣
アマンダ:小清水亜美
クリムト:羽多野 渉
ドナドロンド:稲田 徹
ネル:大久保瑠美
ガルス:辻 親八
公式サイト
公式ツイッター(@tenken_official)
書籍情報
■原作小説(マイクロマガジン社刊)
GCノベルズ「転生したら剣でした」
著:棚架ユウ イラスト:るろお
最新第14巻発売中!
■公式スピンオフコミックス「転生したら剣でした Another Wish」(マイクロマガジン社刊)
「コミックライド」にて好評連載中
最新第5巻発売中!
漫画:いのうえひなこ
原作:棚架ユウ
キャラクター原案:るろお
■コミカライズ「転生したら剣でした」(幻冬舎コミックス刊)
無料webコミックサイト「comicブースト」にて好評連載中
最新第12巻発売中!
原作:棚架ユウ 作画:丸山朝ヲ キャラクター原案:るろお