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『アキバ冥途戦争』黒沢ともよ&高垣彩陽&増井壮一 鼎談【インタビュー連載第5回】

秋アニメ『アキバ冥途戦争』しぃぽん役・黒沢ともよさん&店長役・高垣彩陽さん&増井壮一監督インタビュー│しぃぽん&店長が大活躍した第4話を振り返る「とんとことんは店長にとって守りたい居場所なんだろうなと」【連載第5回】

高垣さんのオーディション秘話

──高垣さんがこの連載インタビューにご登場いただくのは初めてなので、ここで改めて、作品に対する最初の印象を教えて下さい。

高垣:もともと店長役でテープオーディションを受けていたんです。オーディション資料に「秋葉原を舞台にしたメイドものですが、任侠もので、暴力があり、人が命を落とします。可愛いだけの作品ではないです」といったことが書いてありました。なんじゃそりゃと(笑)。

一同:(笑)

高垣:そして「なんて面白そうなんだ!」と。これはぜひ関わりたいと思い、かなり気合いを入れてテープを録りました。そのときのセリフが取り立て屋との掛け合いの、おひねりちゃんを出す、出ません!って場面だったんです(第1話)。「ここは絶対に面白いシーンだから超がんばろう!」と思っていました。

その後、テープと同じセリフを読むスタジオオーディションがあって。コロナ禍になってからスタジオオーディションってそんなに多くなくなったと思うんですよね。久しぶりだったので、人がいるのが嬉しくて。「受かるか分からないけど、今日はここにいる人たちを楽しませよう!」っていう、謎の精神で(笑)。

一同:(笑)

──高垣さん自身も楽しかった?

高垣:はい。生でお芝居を聞いてもらい、ディレクションをもらえることが嬉しくて。それでおひねりちゃんをひねりだしたら、スタッフさんの笑い声が聞こえてきたんです。それで「誰かが私の芝居で笑ってくれたなら、落ちても後悔はない」と。「今日、コロナ禍でも私は誰かを笑顔にできたんだ……!」という謎の達成感で帰路につきました。もう千穐楽のような気持ち(笑)。それと同時に謎の自信もあったんです。だから結果がきたとき「やったー!」と思いました。ご縁があって良かったです。

──スタッフ座談会のときに、オーディションのときから「店長はドンピシャだった」というお話がありました。また、黒沢さんは監督のご指名でオーディションを受けられたそうですが、監督としてはオーディション段階から手応えは感じられていましたか。

増井:そうですね。もうオーディションの時点で「もう(自分の)仕事は半分くらい終わったな」という感じでした。その時点から役を任せていた感覚がありました。その後スタッフ同士で話し合いはしているんですが(今のキャストになるのに)ほぼ相違がなかったです。

黒沢&高垣:嬉しい。

黒沢:実際、キャラクターとのズレを感じることはないですか?

増井:まったくない。もうキャラクターの声として、ふたりのイメージがついているんですよね。2人ともキャラクター本人って感じ。

黒沢&高垣:(顔を見合わせて)本人!(笑)

高垣:いやいや、私はこんなにクズじゃないよ!(笑)

黒沢:クズ(笑)。

高垣:うん。店長自身はクズだし(笑)、適当なところはあるんですけど、経営者としての才能がないとできない役職だと思うんです。もともと、私は計算やスケジュールを立てるのが得意じゃないので、私は店長には向いていないんですよね(笑)。だから彼女のことを凄いと思っています。

──増井監督も、座談会の時に「店長はなんだかんだ言っても、いろいろ背負ってるものがあるんじゃないかな」とおっしゃっていましたね。

「もっと胡散臭く」

──アフレコを通して増井監督からおふたりや皆さんにリクエストされることはあるのでしょうか。

増井:あまりないです。頼んだ記憶がない(笑)。あ、でも店長にはいろいろリクエストすることがあります。

高垣:「もっと胡散臭く」「もっと良いこといってる風に」とか(笑)。一字一句合ってるかは分からないですけど、そういったリクエストをいただくことがあります。その言葉を受け、「もっとやっちゃって良いんだ!」って思いました。

実際に指示を出してくれるのは音響監督の飯田(里樹)さんで、飯田さんと監督がどういう会話をされているのかは私たちには聞こえないんですけど、方向性が大きく変わるということはないですね。細かい匙加減でのご指導いただきます。あと、こちらから「こういう方向はどうですか?」と進言することも。

そうすると、いつも「じゃあやってみてください」と言ってくれるんです。信じて任せてもらっている分、いろいろなチャンスをくださるんですよね。いろいろな可能性を一緒に探っていかせてもらっている感覚がありました。

増井:そうですね。こっちも正解が分からないので「なるほどそうきたか、やられた!」って瞬間がいちばん面白いんですよ。

だからキャスト陣からこちらサイドが思いもつかないアイデアをもらえると、「そっちでいこうか」という場合があります。

例えばしぃぽんはいい感じで外してくるので。

黒沢:外してたんだ(笑)。

増井:それが楽しいんですよ。

高垣:ナチュラルに変化球があるってことですよね。

増井:うん。イメージ通りって何も問題がないんですけど、それだとなんかつまらないんです。キャストさんから「もう1回やりたい」と言われると「ああ、別のルートがあるのかもしれない」と思い、そこはもう「ぜひ」とお願いしています。

もっと面白いルートがあるのなら探してみたいと思うんですよね。僕は声は出せないので、そこは本業の方にお任せしていますけど。

高垣:一度オッケーをいただいても、自分から「もうちょっと別の方向のほうが良かったですか?」と再度こちらからお願いすることもありますし、ともよちゃんから「(店長の)あれも聞いてみたかったなぁ」と別方向のアイデアをもらうことも(笑)。

自分からリテイクをするからには「やらなくても良かったんじゃないの?」ということにはできないですし、その分、自分でハードルはあげているんですけど、ポジティブに皆さん受け止めてくれます。

オリジナルアニメで原作のイメージがない分、やりながらキャラクター性を作っていってるのかなと思っています。特に店長はいろいろな方向から試させてもらっていますね。ありがたいです。すごく楽しい現場ですよ。

黒沢:楽しいです(笑)。もうヘラヘラしちゃってます。(増井監督に向かって)私のヘラヘラした声を聞いててイライラしないです? 大丈夫ですか?

増井:まったく。こっちはしぃぽんだと思ってるから(笑)。

黒沢:よかったです(笑)。

高垣:ともよちゃんに限らず、良い意味で緊張感がないというか(笑)。もちろんいざ収録となったら集中力、緊張感、責任感を持ってやっているんですけど、それ以外は和気あいあいとしていますね。感染症対策で少人数制のアフレコなので全員で集まれることはありませんが、グルーブLINEを作ってやりとりをしてますしね。

黒沢:いつも3人ずつが多いんですよね。キャストの組によってもまた雰囲気が違う印象です。

 

(C)「アキバ冥途戦争」製作委員会
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