アニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』4K リマスター版の初日舞台挨拶を実施! 主人公・シロツグ役の森本レオさんが収録当時を語る
10月28日(金)より、長編アニメーション映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の4Kリマスター版が劇場公開スタート! これを記念して、新宿バルト9にて初日舞台挨拶が開催されました。
イベントには、監督の山賀博之氏、シロツグ役の森本レオさん、プロデューサーの渡辺繁氏が登壇。MCは小林治氏(アニメライター)が務め、濃密な「王立」トークを展開しました。
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』とは
1987年3月14日に劇場公開された長編アニメーション映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』が、今年35周年を迎えました。本作は山賀博之監督をはじめ、庵野秀明氏や貞本義行氏、樋口真嗣氏など、後に多くの名作、話題作を世に送り出すトップクリエイターが集結した若き制作集団GAINAXと、バンダイ(※1)がタッグを組み制作された、両社にとって初の長編アニメーション映画。
通貨や言語、文化に至るまで、全てゼロから作り上げられた膨大且つ緻密な世界観は、その世界で息づくキャラクターとともに高い評価を得ています。
また、本作の作画技術の高さは当時世界中のアニメファンに熱烈に支持され、今なお高い評価を得ています。特に庵野秀明氏によるクライマックスのロケット打ち上げシーンはそのリアリティで観る者を圧倒します。
1987年の劇場公開以来、今なお「後世に遺したいアニメーション作品」のひとつとして世界中で語り継がれる伝説的な作品です。
そんな『王立宇宙軍 オネアミスの翼』が公開35周年を記念し、山賀博之監督の監修のもと、本編の4Kリマスター化が実施されました。35mmマスターポジフィルムからの4Kスキャン&4Kリマスター化により、フィルムが持つ情報を鮮やかに再現。
2022年10月28日(金)より4Kリマスター版によるリバイバル上映(※2)がスタートしました。そして、4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Disc「王立宇宙軍 オネアミスの翼 4Kリマスターメモリアルボックス【特別限定版】」も、10月28日(金)より上映劇場にて最速先行発売。一般流通商品として「王立宇宙軍 オネアミスの翼 4Kリマスターメモリアルボックス」を11月25日(金)一般発売します。
※1:バンダイが製作し、現在はバンダイナムコフィルムワークスが映像事業を継承しています。
※2:音声は1987年オリジナル版になります。
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』4Kリマスター版の初日舞台挨拶より公式レポート到着!
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』4Kリマスター版の劇場上映を記念し、新宿バルト9にて、初日舞台挨拶が開催された。
イベントには、山賀博之(監督)、森本レオ(シロツグ役)、渡辺繁(プロデューサー)、MCには小林治(アニメライター)が登壇し、濃密な「王立」トークを展開させた。
まず、35年の時を経て4Kリマスターとして再び上映されることについて聞かれ、山賀は「フィルムというのはどうやってもボケてしまうものだが、(4Kになって)当時作業していたママのものが観られる。当時の記憶がよみがえってきた。今のテクノロジーは凄い」と語った。
森本は「35年前、当時も仲間内で、面白いし絵もとても綺麗だと話題になっていた。それが4Kになってより綺麗になるなんて、どこまで高みへ行きたいんだろうと思います」と笑顔で4Kリマスターへの驚きを語った。
続いて当時を振り返り、主人公・シロツグを演じた森本は「上手くやらないでくれ、と言われて驚きました。当時は『どうしよう』という気持ちで演じていたところもあったが、やる度にどんどん興奮してきた。不思議とどんどん『もっとやりたい』と思うようになっていった」と語る。
これに対し山賀は「声優さんなら当然、上手にやってくれるとは思いました。しかし、そういう雰囲気にはしたくなかったので、主人公の声は森本さんではどうだろう?という話になった」と語った。続けて、「語弊を招くかもしれないが、芝居を不安定にしたかった。声優さんは芝居で場面をグッとまとめてくれる。けれど、そうではなくて、森本さんが入ることで不安定な雰囲気を出したかった。そのほうが、作品がよりリアルになると思った」と主人公に森本を起用した裏話を語った。
ここから、話は35年前に移り、『王立宇宙軍 オネアミスの翼』が企画設立された経緯を振り返ることに。
本作は、いまでこそ、多くのアニメ視聴者に知られる著名なクリエイターが携わっているが、公開当時の山賀監督は24歳。ここまで若手のクリエイターが携わる作品が生まれた経緯について、プロデューサーの渡辺は「岡田斗司夫さんが企画書と一緒に、貞本(義行)さんが描いた1枚の飛行機の絵を持ってきて、それを見てピンときた。それで面白そうだからやってみよう、となった」と語った。
さらに渡辺は「ものすごい熱量だった。コップのデザインを一つ決めるのに、徹夜で会議をやっていた。そんな熱量は他の現場では見たことがなかったので、そのままの熱量で行きたいと思った」と作品が作り上げられた当時の制作現場の熱気を振り返った。
最後に、渡辺、森本、山賀の挨拶でイベントを締めくくった。
渡辺「今回の4Kリマスターでは本当にキメが細かい作業をしていただいた。みなさんの手に作品がわたって初めて本物になると思う。その感動をさらに先に繋げていきたい。一つのエネルギーが世の中を変えていく前例のようになってほしいし、若者にはどんどん挑戦してほしい」
森本「戦争が終わった時、私は3歳でたくさん本を読んでいたが、母親から、本を読んだ分もっと漫画や演劇や映画も観たりしなさいと言われて、たくさんの映画を観た。そうしたら、気が小さかったのに、気が付いたらこんな素敵な場所に立たせていただいている。この作品は母親が送ってくれた宝物だと思う。見てやってください」
山賀「今日はもう本当にあっという間で、短い時間でしたが楽しかった。あえて何も言いません。作品を観てください。ありがとうございました」
※レポート文中、敬称略。
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』4Kリマスター版 BD発売情報
通常版
2022年11月25日発売
品番:BCQA-0016
価格:¥14,080(税込)
発売・販売元:バンダイナムコフィルムワークス
【スペック情報】
□カラー/363分 [本編4K UHD BD:120分+本編BD:120分+特典BD:123分]
■本編4K UHD BD:リニアPCM(ドルビーサラウンド)・ドルビーTrueHD(5.1ch)/英語・リニアPCM(ドルビーサラウンド)/HEVC/100G/16:9/日本語・英語音声収録/日本語・英語字幕付(ON・OFF可能)
■本編BD:リニアPCM(ドルビーサラウンド)・ドルビーTrueHD(5.1ch)/英語・リニアPCM(ドルビーサラウンド)/AVC/BD50G/16:9/日本語・英語音声収録/日本語・英語字幕付(ON・OFF可能)
■特典BD:リニアPCM(ステレオ・一部モノラル)/AVC/BD50G/16:9・一部16:9 ・一部4:3 ・一部4:3 /一部英語字幕付(ON・OFF可能)
【特典】
■特製ブックレット(16P)
■特典DISC(BD)
●パイロットフィルム
・Aタイプ 音声「ニュルンベルクのマイスタージンガー」版(シンセサイザー:川井憲次)
・Bタイプ 音声「俺ら宇宙のパイロット」版(「ゴジラ伝説Ⅲ」より。映画『妖星ゴラス』劇中歌)※初収録
・リテイク版 ※音声はAタイプ
●ドキュメントファイル
制作風景やGAINAXスタッフへのインタビューなどが収められたドキュメンタリー映像。
※1987年発売のVHS「オネアミスの翼 王立宇宙軍 ドキュメントファイル」(BES-166)を現存する素材よりアップコンバートし抜粋にて初収録
●1987年版劇場特報
●本編未収録映像 ※SD版よりアップコンバート収録
●BGM集(2022年バージョン)
多数のイメージボードとともにお届けする「BGM集」。
※LDメモリアルボックス(BEAL-367)収録の内容を映像のみ一部素材変更による再編集を行った2022年バージョン。
●ブックレットデジタルアーカイブ
※既発商品(LD:BELL-140、BEAL-367、BELL-460、BELL-1141、BEAL-1142/DVD:BCBA-0007、BCBA-0245/Blu-ray:BCXA-0002)に封入のブックレットを静止画にて収録。
●4Kリマスター版 予告編&上映告知TVCM
●4Kリマスターメモリアルボックス 発売告知TVCM
●サウンドリニューアル版 スタッフクレジット
●英語吹替版 スタッフ&キャストクレジット
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』4K リマスター版 作品情報
劇場公開:2022年10月28日(金)公開
★劇場情報はこちら
1987年、若き制作集団「GAINAX」が成し遂げた第1回長編アニメーション映画!
35年の時を経て、4Kリマスター版で今再びスクリーンに登場!
ストーリー
ここでやめたら、俺たちゃ何だ…。俺はまだやるぞ、死んでも上がってみせる!
シロツグ・ラーダット。彼は戦わない軍隊、「王立宇宙軍」の兵士。この30年の歴史を誇る宇宙軍も政府には見放され、今じゃ人間どころか人工衛星すら満足にあげられない。いつの間にやら、宇宙への夢も遠ざかり訓練もさぼり放題のシロツグ。
そんなある日、街で神の教えを説くふしぎな少女リイクニに出会ったことでシロツグの運命は変わってしまった。シロツグは仲間の兵士の反対にもめげず宇宙パイロットに志願してしまったのである。
かくして「王立宇宙軍」の威信と名誉挽回の宇宙飛行計画が開始された…。
スタッフ
エグゼクティブ・プロデューサー:山科 誠
企画:岡田斗司夫、渡辺 繁
プロデューサー:末吉博彦、井上博明
原案・脚本・監督:山賀博之
キャラクターデザイン・作画監督:貞本義行
作画監督:庵野秀明、飯田史雄、森山雄治
助監督:赤井孝美、樋口真嗣、増尾昭一
美術監督:小倉宏昌
撮影監督:諫川 弘
音響監督:田代敦巳
音楽監督:坂本龍一
制作:GAINAX
配給:バンダイナムコフィルムワークス
キャスト
シロツグ・ラーダット:森本レオ
リイクニ・ノンデライコ:弥生みつき
マナ:村田 彩
マティ:曽我部和恭
カロック:平野正人
ドムロット:鈴置洋孝
ダリガン:伊沢 弘
チャリチャンミ:戸谷公次
ネッカラウト:安原義人
ヤナラン:島田 敏
マジャホ:安西正弘
将軍:内田 稔
指導官:飯塚昭三
グノォム博士:大塚周夫
アナウンサー:徳光和夫