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TVシリーズ『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』中島美嘉インタビュー

三浦建太郎先生が『ベルセルク』を描き始めた時の感情を思い浮かべながら2番の歌詞を考えました――『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』ED主題歌 中島美嘉インタビュー

鷺巣詩郎さんの作られる音楽が好きなんです

――カップリングの「Mirage with Shiro SAGISU」は、最近作られたのでしょうか? キャリア初となるセルフプロデュースアルバム 「I」で得たものも反映されているように感じていて。

中島:確かにそうです。制作期間は少しタイトだったのですが、わたしの大好きなイメージが詰め込まれた曲になりました。

――『ベルセルク』の音楽を手がけられている鷺巣詩郎氏が作曲と編曲を担っています。鷺巣さんは「J-POPでもアニソンでもない『歌物語』の誕生! 定型概念をくつがえし、音楽の美しき深淵を表現する美嘉さん、お見事!!」とコメントを寄せられていました。

中島:風景を思い浮かべるような歌詞にしたいなと思ったんです。最初に思いついた風景をそのまま言葉にしました。<眠れ眠れ世界よ 空も風も獣も>という言葉がありますが、彼(ガッツ)がいなくなってしまったら、世界さえも眠ってしまうことなんじゃないか、って。それが風景として見えればいいなって。実は私もわからないんですよ。すぐに書けたのであまり困らなくて(笑)。

私は鷺巣詩郎さんが大好きなんですよ。ご一緒できるビクビクとうれしさが混ざってどうなるのかなと思っていて。で、プロデューサーが「美嘉できたよ! 美嘉大好物だと思うよ」って(笑)。

――それはすごくわかる気がします(笑)。中島さんが絶対に好きであろう音楽の世界というか。

中島:最初に聴いたものは仮のメロだったんですが、実際「とんでもなく格好良い!」と思いました。それだけでなく、そこから先の展開も分かったんですよ。「きっとこうなるだろうな」って。その思いに重ねていきたいと。

でも難しい曲でもあるので、プロデューサーが「ちょっと(作詞には)時間が掛かるかもよ」と言ってて。字数をハメなきゃいけないという問題もあるので、曲をいただいたら覚えるようにしているんです。それに時間が掛かるかもね、って。

でも聴いたらすぐに覚えて。すぐ書いて、手直しをして提出した感じでした。鷺巣さんの曲のおかげで風景が思い浮かんで、ダダッと歌詞がかけて。だから、レコーディングもスムーズでしたね。最初はいままでの歌い方がいいのか、今まさにやっているような少し違う方向でいいのか、迷いはあったんです。でもプリプロの時点で「ここまで突き抜けたならやっちゃえばいいじゃん」って。

――解放するというか。

中島:そうそう。それで「その世界の人になって歌う」方向を選んだから、楽でしたね。

21年目の中島美嘉

――MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2022『 I 』のお話もおうかがいさせてください。ツアーから一ヶ月弱が経って、今思い返してみるとどのようなツアーになったと感じていますか?

中島:すごく良いツアーになったなって。いつも口には出さないのですが。

――普段は「もっとああいうことをすれば良かった」という反省点に目がいってしまうものなんですか?

中島:そうです。100点は絶対に取れないんですよね。100点になることは今後もないと思ってます。でもそれに近づいたかもしれない、と思うくらい今回は良かったです。

――中島さんの中で、これをすれば100点になる、というものって……。

中島:分からないんです。21年間でいくつかのツアーをやってきましたが、一回でも「最高のライブだった、完璧にできた」って思えたらすごいことなんですよ。私自身が自分を完璧に認めることってそうそうないんです。でも、たまにあって。

それはピッチがはずれなかった、巧く歌えた、とかそういうことではないようで。全てにおいて……思いの好感をできたときなのか、メンバーとの演奏がうまく合ったときなのか、何なのかは分からないんですけど「これだこれだ!」って思う瞬間が今回は多かったです。もうそれは声を出した瞬間にわかるんですよね。お客様がどう、じゃなくて。お客様の大事さっていうのはもちろんあるんですけど「あ、いま来た!大丈夫だ」って思う日があって。そのままいける。

――最高のツアーにできた、その理由ってなんだと思いますか?

中島:なんだろうなあ。自分がはじめてセルフプロデュースをしたアルバムを引っさげて、演出まで細かく自分で決めて。そういうはじめてのチャレンジがあったというのも大きかったのかなと。

いつもはいろいろな方を歌わせてもらったあとって消化する時間が必要なんです。それに加えて、生で歌うまでに気持ちを持っていくための時間も必要。

今回は自分で曲を作っていた分明確なイメージができていたので、レコーディングの間などに、気持ちができていたということも大きかったかもしれません。だから演出についても「こういうふうにしたい」と伝えやすかったんですよ。私自身はいつものように、任せることも好きで。みんなが思うイメージをもらって歌うことが多かったんですけど、細かく一緒に決めていきました。そういうことを経て、初心に戻れた感覚がありました。新人のころに戻った感じ。

――なるほど、初心に返りつつも、今だからこそできることもあって。中島さんは自身の分析力もすごいですよね。すごくストイック。

中島:自分ではそうは思ってないんですよ(笑)。好きなことをしているだけです。分かりやすい努力はしないタイプですし、できれば楽していきたい(笑)。

――でもそんな自然体の中島さんも魅力です。そんな素顔をInstagramで定期的に更新されていて。時には懇意にされている動物病院にいる猫の里親募集を呼びかけられていて愛猫家のひとりとしてはすごく嬉しいなと。その後、里親は決まったのでしょうか。

中島:まだなんです。本当は我が家で迎えたいくらいなんですけど、咄嗟におびえてしまう子だと思うので、そう考えるとうちは環境が整ってないんですよね……。どなたか飼いたいと思ってくれる方がいたらぜひお願いしたい……。これはぜひ拡散して欲しいです!

(C)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS
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