秋アニメ『アキバ冥途戦争』ゆめち役・田中美海さん、店長役・高垣彩陽さん、ラーメン屋の大将役・小山剛志さんインタビュー│嵐子の誕生日会はみんながひとつになったきっかけ。衝撃的なトマトジュースのシーンは「マジで意味がわかんねぇよ……」【連載第6回】
CygamesとP.A.WORKSのタッグで贈る新作オリジナルTVアニメ『アキバ冥途戦争』が2022年10月6日(水)より放送中です。
第5話「赤に沈む!三十六歳生誕祭!」は、嵐子の36歳のバースデー回。嵐子と同じく誕生日を迎えたメイドシープ・薫子により一波乱あった中、とんとことんメンバーは絆を深めます。なごみにとって転機にもなりましたが……。
インタビュー連載第6回は、ゆめち役・田中美海、店長役・高垣彩陽さん、大将役・小山剛志さんが登場。田中さん、高垣さんが「昔からお世話になっている」まさに大将的存在であり、兄貴・小山さんを交え、和気あいあいとした鼎談となりました。
店長の「ハッピーバースデー」は「さすが彩陽だなぁ」と
──第5話「赤に沈む!三十六歳生誕祭!」は、とんとことんの絆の強さが分かった回でしたね。今回もいろいろありましたけども……。
店長役・高垣彩陽さん(以下、高垣):そうですね(笑)。嵐子の36歳の誕生日を祝うお話でしたが、その中でとんとことんの人たちの人柄も伝えられることができたんじゃないかなと。グッとチーム感が強くなった大事な回でもありました。人情っていうかね。
ゆめち役・田中美海さん(以下、田中):人情、そうですね! 大好きな回です。今まではなごみがとんとことんのメンバーに振り回されていて「あわあわ」ってところがあったと思うんですけど(笑)、仲間としてひとつになって。それが嵐子のバースデーがきっかけというのがなんだか良いなぁ、みんな優しいなぁっとほっこりしました。
──嵐子さんのために影で頑張ってましたもんね。
田中:みんなでもやしを食べて、切り詰めて生活をして、大将がケーキを仕上げてくれて。「アキバ冥途戦争、ほっこり回もあったぞ!」っていう感じでした(笑)。
──大将の腕によりをかけたケーキ、素敵でした。大将の存在感も大きかったですね。
大将役・小山剛志さん(以下、小山):ケーキを作って、一言、二言話すだけだけどね(笑)。
高垣:大将ってある意味、いちばん謎の人ですよね。嵐子との関係性も含めて。
小山:そうだね。ラーメンを作っているだけじゃなくて「昔いろいろあったんだろうな」と仄めかす場面があるもんね。毎回、ぼそっと喋るだけではあるんだけど。まるで『HERO』に登場する「あるよ」の人みたいな感じ。
高垣:ああ、分かる(笑)。
小山:ワンシーンだけではあるんだけど、楽しかったですね。
田中:しかもそのケーキがめっちゃかわいいですよね!
高垣:ギャップがあって良い!
小山:ギャップ萌え。僕もね、こう見えてかわいいところがあるので、(この役に)ピッタリなんじゃないかと……。
高垣:ピッタリです!
小山:あはははは。まあそれは冗談ですけども。いろいろな組み合わせで録っていたこともあって、アフレコ中は全貌が見えないところがあったんだけど、完成した作品を見たときに「こんな感じなんだ」と感心しました。店長のマリリンモンローみたいな歌い方(「ハッピーバースデー」)もめちゃくちゃおもしろかったよ。
高垣:今回、店長の歌が「数え歌」と「ハッピーバースデー」の2曲あって。
小山:あれは彩陽が先に(アフレコで)録ってたよね。俺は録ったやつを聞きながらアフレコしてたんだけど、漏れ聞こえてきたときのあの面白さ。「はっぴぃばぁすでぇ〜……」。
高垣:みんなはわりと普通に歌ってるんですけどね(笑)。歌い出しの店長は独特。
小山:「さすが彩陽だなぁ」と思ったよ。彩陽とはまだ一緒に録ったことはないんだよね。美海は一回、一緒に録ったから目の前でその素晴らしさは体感してたけど。
高垣:作中で大将と、とんとことんのメンバーがやりとりするのは、第5話までの時点では多くないんですよね。描かれていないところでラーメン屋に行ってるんでしょうけど。
でも、出番は少なくても大将の“只者じゃない感”は、きっと皆さん感じているんじゃないかなと思います。実は第6話では「大将ってこういうことをやってきていたんだ」とバックボーンが透けて見える場面があります。そこはぜひ楽しみにしていてほしいです。
最初は「面白そうだな」と
──小山さんは本連載初登場なので、大将役のオファーをもらったときのお話などをお伺いできればと思うのですが。
高垣:私たちはその前の取材でいろいろとお話させてもらっている今日はたっぷりと大将の話、聞きたいですね!
小山:いや、でもなんの前情報もなくて。オリジナルアニメだから当然と言えば当然なんだけど、1話の台本を見たら、(大将の声色で)「ねぇよ」「…フンッ、変わらねぇな」だけ書いてあってさ。
一同:かっこいい……。
小山:いえいえ(笑)。これ、岡ちゃん(音響制作・dugout岡田拓郎さん)が制作担当をしているじゃないですか。「本当は俺は違う人を推したんですけどね、決まっちゃってね」なんて軽口を叩かれながらのオファーでした(笑)。いつものノリなんですけども。
最初にメイドカフェのアニメと聞いていたので、萌えのかわいらしい作品なのかなと思ったんです。そうしたらめちゃくちゃな抗争がはじまったり、銃が出てきたり。「なんだろうなこれは」と。台本をもらうたびに「えっ、この人が死ぬの?」とか、意外性がすごくありました。刺激的な作品だなと思いました。僕もですね、パッと見は暴力系ですけど、中身は萌えなところもあるので。
──はい。
小山:「はい」って! そんなわけないでしょ!
──小山さん、チャーミングなところがある気がしますけども……!
田中&高垣:チャーミング!(笑)
小山:あっははは! 萌え要素は俺の中にはないですよ(笑)。でも萌えと暴力というふたつの要素を合わせたのは面白いですよね。だからこそ振り幅も広いし、ドラマチック。なごみと嵐子がいて、美海と(しぃぽん役の黒沢)ともよの、助さん格さんみたいなあの関係性があって、さらにジェーニャが演じるゾーヤが良いスパイスで入ってきて。
田中:助さん格さん(笑)。
小山:俺、美海も好きだけど、ともよも好きでねぇ。だからキャストを見たときに「おお!」と思いました。……で、店長ですよ! 良いよねえ。
高垣:ありがとうございます!
小山:あの役はやりようによっては、ただのクズになってしまう気がするんです。「なんだこいつ」って思われてしまう。でも彩陽が演じることによってね、深みが出るというか。「かわいらしいクソ野郎」って感じになる気がする。
高垣:“かわいらしいクソ野郎”(笑)。ありがとうございます。
小山:あと、一言でいえば『アキバ冥途戦争』って任侠ものじゃないですか。俺は『仁義なき戦い』シリーズをめちゃくちゃ見ていた世代なんです。その世界に入ろうとは思わないですけど、男はやっぱりああいうものに滾るんですよね。
若い頃は『仁義なき戦い』に憧れて、ただ単に「強くなりたい」と思ってましたけど、やがていろいろなことを覚え、何かを守るために強くなりたいと願うようになる。違う形の強さに対する憧れになるわけですけども……。家族、犬を守るために……ってなに喋ってんだ俺。
一同:(笑)
小山:家族と言えばね、彩陽ですよ。(妊娠発表をされたあとだったため)おめでとう。あの彩陽がお母さんに……。もう付き合いが長いからね。感慨深いよ。
高垣:ありがとうございますー!!
──おふたりがよくお話するようになったのは、いつ頃からだったのでしょう?
小山:なんだっけかなぁ。
高垣:よくお話させてもらっていたのは『Gのレコンギスタ』ですかね?
小山:そうそう。作品で絡んだのはそのあたりなんですけど、ずっと前から知ってたよ。スフィア(※高垣さんが参加している声優ユニット)のデビュー時も知ってるしね。『Gのレコンギスタ』のときも、アフレコ前に声のチューニングをずっとしてるわけですよ。それも毎回。ずっと一生懸命なんですよ。
高垣:ありがとうございます! 恥ずかしいですが(笑)、嬉しいです。