『ENNEAD』(エネアド)にハマった人に読んでほしい! 尾羊 英先生による漫画『災禍の神は願わない』をご紹介── 軍神セトと兄王オシリスの絆と運命が絡み合うエジプト神話を描く
エジプト神話を題材に描かれる『ENNEAD』(著・MOJITO先生)は、今や韓国のみならず日本でも人気を博し、なかでも美しき「セト神」は大注目を浴びています。エジプト神話に興味を持った人も多いはず。
そんななか、尾羊 英先生による漫画『災禍の神は願わない』(一迅社 ZERO-SUMコミックス)が気になっている人も多いのではないでしょうか。本作は古代エジプトを舞台に「軍神セト」を主人公とし、兄王オシリスとの確執と絆を描く物語です。
兄王オシリスが統治し軍神セトが仕えるなか、オシリスが何者かによって殺害されてしまいます。セトは、オシリスを暗殺した容疑で処刑されることに。しかし目を覚ますと五年前の世界に時が戻っていて──。
王を殺害しセトを陥れたのは誰なのか。セトはトート神の協力を得て、未来を変えるために行動します。
本記事ではそんな『災禍の神は願わない』をご紹介。孤高で強く美しい軍神セトと、そんなセトを見つめる兄王オシリス。彼ら兄弟の運命をぜひ、見届けてください。
また、尾羊先生の解説漫画とともにエジプト神話についてもご紹介していますので、さらに神話の世界に浸っていただければと思います。
『エネアド』の紹介記事はこちら
目次
- 『災禍の神は願わない』とは
- 『災禍の神は願わない』の見どころをご紹介
- エジプト神話について知ろう
- エジプトの神々の物語を尾羊先生の漫画とともにご紹介
- 尾羊先生と『エネアド』の著者・MOJITO先生のやりとり
- 『災禍の神は願わない』2巻は電子特装版がオススメ
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『災禍の神は願わない』とは
本作は古代エジプトを舞台とし、軍神セトや兄王オシリスを中心に繰り広げられる神々の物語。神話をもとにした発想が秀逸で、綺麗な絵でエジプト神話の魅力に触れることができる作品です。
あらすじ
古代エジプト、王都はヘリオポリス。軍神セトは、兄王オシリスが “戦なき統治” を目指すことに不満を抱きながらも兄を支えていました。そんなある日、オシリスと共に王宮を抜け出したセトは、ほんの一瞬、目を離した隙に何者かによって兄を殺害されてしまいます。謀反を疑われ処刑されることになったセト。目覚めるとそこには死んだはずのオシリスの姿が──。
オシリスが生きていることに驚きながらも安堵するセトですが、なぜか話が噛み合わないふたり。なんとそこは五年前の世界だったのです。未来を変えるため行動するセト。果たして彼らの運命は──⁉
(ちょっとネタバレあります)1話の簡単なあらすじ紹介。#災禍の神は願わない #サイカミ pic.twitter.com/sTQJpudPhr
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) June 28, 2019
『災禍の神は願わない』の見どころをご紹介
時間逆行×エジプト神話
【本日発売‼️】ゼロサム8月号では「災禍の神は願わない」(著:尾羊英)の新連載が始動✨
— ゼロサム編集部 (@comic_zerosum) June 28, 2019
兄へ複雑な想いを抱くセト。そんな弟を信頼し、傍に置きたがるオシリス。はたして、彼らはどんな神生を歩むのか――?
感想&今後の展開予想お待ちしております🔥🔥🔥#災禍の神は願わない #サイカミ pic.twitter.com/pZdwrhK7ag
本作の物語の舞台はエジプト神話に登場する九柱の神々・エネアドに名を連ねる豊穣神オシリスが統治している時代。エジプト神話の世界を大切にしつつ、オシリスとその弟である軍神セトの兄弟の絆がたっぷりと描かれています。
父であるゲブが王位を退き、戦なき統治を掲げ即位したオシリス。国民から絶大な支持を集めるも、甘い理想ばかり並べる兄が王など納得のいかない弟・軍神セト。それでも兄の前で跪き、仕えています。
そのなかで起きたオシリスの暗殺。セトは暴君ではありますが、複雑な思いはあっても兄を殺したりはしていないのです。孤高の存在でもある弟を気にかける兄のことを、セトはなんだかんだ言いながらも守ろうとしています。
死んだはずの兄王オシリスがセトの前に現れる
エジプト神話において、死んだはずのオシリスが復活することは広く知られていますが、本作では時間逆行で死んだはずのオシリスがセトの前に現れます。セトだけが時間が戻る前の記憶を持ち、オシリスは自分が死んだことを知らないという状況。
セトは運命を変えることができるのか、どのように運命を変えていくのか。セトが少しづつ変わろうとしていく姿は見どころ。変わりゆくセトを見て、オシリスがかける言葉にも注目です。そして、クライマックスのセトの姿に心打たれるでしょう。
美しき軍神セトに魅せられる
赤き砂漠のセト王〜#災禍の神は願わない pic.twitter.com/KnS87QjhJw
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) December 7, 2021
赤い髪をなびかせ、いつもどこか不機嫌で美しい軍神セト。古代エジプトでは赤は不吉の色とされ、忌み嫌われる存在として扱われていたセト神ですが、鮮やかな赤色が際立つ本作のセトの美しさはまさに眼福で、そして格好いい……! セトによる御前剣舞の美しさにも魅せられることでしょう。
幼い頃から父であるゲブから憎しみの目を向けられていたセトは、偉業を成し遂げ軍神と呼ばれるほどに強さを手にしていました。けれど父が王の後継者に選んだのは、強いセトではなく兄のオシリス。セトの父への思い、長きにわたる親子の確執にも注目です。
4兄妹の婚姻
オシリスが即位したあと、オシリスとイシス、セトとネフティスと、4兄妹のなかでそれぞれ夫婦となります。夫としてのオシリスにドキっとさせられたり、ツンツンなセトにキュンとさせられたり……それぞれ対照的な初夜など、神々の夫婦関係もお楽しみください。
pixivコミックに4話-③きてます〜今回の好きなコマ↓。セトは興味なさすぎて次の日には結婚したことも忘れてる可能性がある。エジプトは夜は冷えるというのがなんか好き。よろしくお願いします!https://t.co/ow4W5ogbKu pic.twitter.com/Lmo6xZdLEa
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) March 1, 2020
兄王オシリスのセトへの深い愛
オシリスの大変身#災禍の神は願わない pic.twitter.com/pLE0MPpbpC
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) September 3, 2020
見事な手腕で国を治めるオシリスは妻であるイシスを大事にしながらも、いつもセトのことを気にかけています。何度もセトの髪に触れるオシリス。兄としてセトへの愛情は深いものだと分かりますが、果たしてどのくらい深いのか、ぜひ本作を読んで体感していただければと思います。
穏やかで優しいオシリスですが、時折見せる兄としての圧、また王としての威厳に、彼の本質を見ることができるかもしれません。
遅れちゃったけどpixivコミックに5話-②来てました〜!よろしくお願いします!今週の好きなとこ(顔)↓https://t.co/ow4W5ogbKu pic.twitter.com/Gtx3imsiym
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) March 16, 2020
神々のさまざまな愛の形と大人の秘密
ラーとトート。交わっても混ざらない陽光と月光#災禍の神は願わない pic.twitter.com/5NaIiX8S9b
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) February 11, 2021
オシリスとセトの兄弟の絆だけでなく、本作では神々をめぐる愛に溢れています。王家の宿敵であるアポピスのオシリスへの執着や、太陽神ラーと月神トートの関係など見どころ満載です。ラーとトートの、共に過ごした長い年月のなかでの蜜月もお見逃しなく。
トート先生の秘密
満ちて欠ける月#災禍の神は願わない pic.twitter.com/jIBzCsIOxl
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) December 12, 2020
幼い頃のセトやオシリスの先生でもあったトート。ずっとこの兄弟を見てきたトートは二人のことをよく知る存在。医師長でもありとても聡明です。五年前に時が戻った事実をセトから聞き、セトと協力して未来を変えようと奮闘しますが、トートには謎も多く、何やら秘密もいろいろと抱えているようです。
本編は完結していますが、尾羊先生がTwitterで神々の大人の秘密事情や裏話などたくさん掲載してくださっていますので、そちらもぜひお楽しみください!
『オシリスの思い出』トートと父上の秘密を見ちゃった話(※ふたりがつまりそういう関係です)
— 尾羊 英⭐︎ふつつか③6/30 (@a_aries06) October 18, 2020
1/2#災禍の神は願わない pic.twitter.com/y3svoMjBhJ