『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』リムル=テンペスト役・岡咲美保さんインタビュー|今回はリムルの大人としての一面が際立つシーンも……!?
11月25日(金)より大ヒット公開中の『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』。本作はTVシリーズ第2期以降のリムルたちの物語を描いており、ストーリー原案を原作の伏瀬先生が担当した完全新作となっています。
物語の主な舞台はリムルたちの国である魔国連邦(テンペスト)の西に位置する国・ラージャ小亜国となっており、ベニマルたちの兄貴分である大鬼族のヒイロや同国の女王・トワといった新たなキャラクターの活躍も注目です。
アニメイトタイムズでは本作の公開にあわせ、主人公のリムル=テンペストを演じる声優・岡咲美保さんにインタビューを行いました。
本作の見どころや収録の裏話はもちろん、『転スラ』と駆け抜けたこの4年間についてや岡咲さんの視点から見たヒイロとベニマルの印象や演技についても伺っています。
特にヒイロは本作の新キャラクターではありますが、ベニマルとの親和性から初めて会ったような感覚があまりなかったのだとか。その理由は内田さんと古川さんの掛け合いにあるようで……!?
『転スラ』に関わってきた時間は間違っていなかった
――遂に劇場版『転スラ』が公開となりました。まずは今の心境をお願いします。
リムル=テンペスト役:岡咲美保さん(以下、岡咲):『転スラ』という作品をもっと広げたいというスタッフさんたちの熱意や気合を、当初から私も感じていました。「転生したらスライムだった件 ~転スラジオ~」の収録や事前の上映イベントの際に、自分もその一員になれているような感覚を覚えて嬉しかったです。後は「待っていました!」みたいに、いよいよお祭りが始まる前の高揚感がありましたね。
――本作は第2期でリムルが魔王になった後の物語ですので、これまで以上に見ていてリムルが頼もしく思えました。収録の際にこれまでと変えた部分はありましたか?
岡咲:最初にシナリオを読んだ時に、今回の劇場版で熱くぶつかり合うのはベニマルとヒイロだと感じたんです。だからこそ今回は、リムルの冷静に全体を俯瞰する一面が現れやすいストーリーになっていると思いました。
魔王になった後のリムルは殆どの戦いが余裕なので、アフレコではその雰囲気を保つよう心がけていました。この部分をちゃんとしていれば、作品を見てくれるみなさんにテンペストのみんなは大丈夫だと感じてもらえると思ったんです。とはいえ、シオンの料理に怯えたりするリムルらしいクスっと笑える可愛らしいシーンでは感情を沢山付けていました。
そんな魔王としての一面を見せるシーン以外では、リムルはどちらかと言うと色々なキャラクターたちの気持ちを受け取る側になることが多いんです、例えば今回のキーキャラクターになるトワと話し合うシーンでは、リムルが冷静に言葉をかけることで彼女が想いを語ってくれる。そんなリムルの大人としての一面が際立っていたのかなと。
三上悟だった頃の経験が生きているのか、普段から仲間たちの得意な事や欠けている部分をよく考えて采配を下していますし、私としてもリムルはより主らしくなったと感じますね。そんな彼の姿を見て安心して楽しめるのも『転スラ』の魅力ですし、テンペストの仲間たちも大所帯になって本当に強くなりましたから。
――収録で印象に残ったエピソードやディレクションはありましたか?
岡咲:指示や指摘をいただける事もまた嬉しいのですが、今回に関しては自分のお芝居に大きな修正が無かったことが嬉しかったです。劇場版ともなるとリムルでさえあまり体験したことのないような場面に出くわすのですが、そうなっても余裕を失わず彼の初めての表情を引き出したいと思っていました。その考えが間違っていなかったと感じられたんです。
私自身『転スラ』に関わってきた4年もの間、様々なゲームのコラボやAudible(オーディブル)でリムルを演じてきたので、その日々が間違っていなかったと実感できました。そこは自分ひとりでは自信を持てない部分なので、全体を俯瞰しておられる監督さんたちに言っていただけて嬉しかったですね。
今もまだまだなのはもちろんですが、当時は本当に駆け出しだったので、今TVシリーズ第1期の第1話を見ると赤面してしまうんです。ですのでリムルの成長に合わせる形になりますが、この4年間はリムルを通して色々な感情の表現の仕方を教えてもらったと思っています。
――シオンの料理をはじめファンのみなさんもテンペストのみんなのお約束な場面を楽しみにしていると思います。岡咲さんが気に入ったシーンはありましたか?
岡咲:序盤にハクロウとの稽古でゴブタが鼻血を垂らしてぶっ倒れているシーンがあるのですが、結構重症なのにいつも通りゴブタだから大丈夫だろうと思っちゃいました。冒頭はヒイロのシリアスなシーンですが、場面がテンペストに移ってリムルたちがお茶を飲んでいたりすると急に安心しちゃうんですよね(笑)
シオンの料理ネタはもはや恒例ですが、何を言っているのかわからないけれど料理から呻き声が聞こえてきて、それが彼女が作ったことの証明になっている。この下りは本当に大好きです。
――シオンの料理といえば、その臭気でワイバーンが卒倒するみたいなシーンもありましたね。
岡咲:実はあのシーン、リムルはシオンの料理が原因だと気づいていないんです。だから本当に何かがあったと思って対応しています。「なんだ!?」みたいに驚いていましたからね。臭いも相当酷いんだろうなぁって思いました。何せワイバーンが嗅いだだけで気絶するくらいですから。