『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』リムル=テンペスト役・岡咲美保さんインタビュー|今回はリムルの大人としての一面が際立つシーンも……!?
ヒイロとベニマルの関係性に説得力を持たせた内田さんと古川さんのお芝居
――今回リムルたちが赴くラージャ小亜国の印象やヒイロ、トワ、ラキュアたちの印象もお願いします。
岡咲:リムルたちのテンペストはかなり潤ってきていて、他の国との外交も広がってきました。そんな中で出会うラージャ小亜国は、伝説のティアラの力で何とか命を繋いでいる衰退した様子が窺えました。
予告編第1弾収録の頃は謎が多かったので少し怖い国だと思っていたのですが、ストーリーを知ってからはリムルが交流を続けると決めた理由がわかりましたね。現在進行形で広がってきているテンペストとの対比が上手く見られる点も良いなと思っています。
後はテンペストとはまた違う色彩の綺麗さが印象に残ります。湖のシーンやワイバーンで上空から国の外観を見られるシーンでは、幻想的な印象を受けたくらいです。
ヒイロについては大鬼族の生き残りはベニマルたちだけだと思っていたので、その存在や設定に驚きました。ゲルドたち猪人族と和解した時点で一件落着くらいに思っていたので、まだひとりベニマルたちに兄者と呼ばれるような存在の人が色々な苦労を背景にしているとは夢にも思わなかったんです。
彼はテンペストと馴染むのも早かったですし、初めましてとは思えないところがあって。それゆえにその悲しみや怒りは凄く胸に刺さるものがあります。
トワは最初、悪い人なんじゃないかと疑っていました。絶対に何か凄い力を持った怪しい存在で、きっとリムルを試しているんだと勝手に思っていたんです。けれど蓋を開けてみるとそんな事はなくて、力を持ってはいるけれどそれを誰かのために使える心の綺麗な女性でした。
リムルと接した人間の女性というとシズが浮かぶのですが、トワはシズと全然違うのに何か懐かしさを覚えるし、守りたいと思える。シュナやシオンをはじめこの世界の女性は強い方が多いけれど、トワは儚さみたいなものが凄く映えるキャラクターだと感じています。
ラキュアは、こちらの闘争心を掻き立てる神経を逆なでするようなお芝居が印象的で、いい意味で情けをかけずとも構わないと感じさせてくれる悪役ですね。それ故にリムルの上から目線の台詞が際立ったと思っています。
リムルは懐が広いので、納得のいく背景や裏事情があるキャラクターだと、相手を思いやったり犯した罪をも自分が背負って許す包容力を見せます。けれどラキュアみたいな相手だと、余裕な感じで罵倒して見せるんです。個人的にはそういう彼の一面も好きなので、「カッコいい!」とか「いけいけ!」と思いながら見ていました。やっぱりトワがピュアな分、ラキュアみたいな欲にまみれたキャラクターがいると見ていて面白いですよね。
――内田さん、福本さん、木村さんと共演した感想をお願いします。
岡咲:内田雄馬さんとは初共演でした。けれど同じ事務所の先輩後輩としてお世話になっていたので、コロナ禍で収録は別でも私にとって大切な『転スラ』という作品で掛け合いができて嬉しかったです。
後は物語後半の叫びの演技がとても印象に残っています。声帯には限りがあるのですが、その中で作品のため全身全霊を懸けていることが伝わって感動しました。そんなお芝居に命を懸けている姿を尊敬しています。
そしてベニマルとの親和性。掛け合いは古川慎さんとコミュニケーションを取りつつ作り上げられたそうで、実際に作品を見てみるとそこに納得感があるんです。同じ里の出身というシンパシーをひしひし感じられると思います。そういったふたりの関係性を見た目だけでなく声色や雰囲気からも受け取れるのですが、私はおふたりのこだわりがその感覚に寄与しているのではないかと思っています。
福本さんは普段女優業をされている方で、声優業はあまりやったことがないと話していました。もし私が声優のお仕事をはじめて1年目くらいの時に、トワというキャラクターに出会ったら凄くハラハラしたと思います。それくらい難しいキャラクターなんです。
ティアラの呪いで体が弱っているので、それを踏まえると長台詞を言う時に呼吸が浅くなるし、『転スラ』は用語が難しいところもあります。そうやって集中しなければならないところがたくさんある中で、トワというキャラクターのピュアさや伝えたい感情の真っ直ぐさの加減が絶妙だったので本当に凄いなと思っていました
ラキュアは木村昴さんが一発で怪しいキャラクターだとわかるようなお芝居をされていたので、きっと『転スラ』が大好きな子供たちも「うわ、なんか怪しいなぁ」とすぐに理解できるんじゃないかなと。
――ベニマルたちの兄貴分が登場するので、テンペストの中でも大鬼族のみんなの活躍は期待している人が多いかと思います。彼らの活躍で岡咲さんが特に印象に残っているシーンも教えてください。
岡咲: それぞれの場所でそれぞれが活躍する戦闘シーンが今回の見どころのひとつで、ディアブロもちゃっかりついてきただけではなく、裏でしっかりリムルのために動いている。誰かひとりでも欠けると成立しない戦いになっているので、戦闘シーンは注目して欲しいです。
『紅蓮の絆編』というサブタイトル通り一番熱い戦いはベニマルとヒイロのぶつかり合いですが、『転スラ』らしさに溢れるリムルとラキュアのバトルも、リムルたちがこれから出会う強者の存在を匂わせるディアブロの戦いも、それぞれ圧倒されるものがあります。作画も劇場版という気合を感じるスピーディさがありました。目で追えないくらいの速さのシーンもあったくらいです。
『転スラ』の戦闘シーンはTVシリーズでもハイクオリティなものを見せてくれましたが、劇場版ではどんな描き方になるのか気になっていました。実際の映像はそんな期待を遥かに上回る感動が画面に溢れていて、特にヒイロに関するシーンは怒りをはじめとする繊細な表情の変化、バトルでは迫力ある動きを見せてくれます。
――リムルに関するバトルシーンだと、トロッコで逃げるラキュアをランガに乗って追うシーンは印象に残ったかなと思います。
岡咲:疾走感が凄かったですね!私が乗っている訳ではありませんが、リムルがランガに乗っていると落ち着くんですよね。リムルひとりで空を飛んでいる姿も様になりますが、ランガと一緒だと無敵というか、地に足がついたような安心感があります。
――そろそろまとめに入ります。劇場版に期待しているファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
岡咲:伏瀬先生が原案を担当してくださった、原作ファンのみなさんや初めて『転スラ』に触れていただく方でも納得できる完璧なオリジナルストーリーに、楽曲や声優陣のお芝居、制作スタッフのみなさんの作画と全部に気合が入った熱量の高い作品に仕上がっています。
『転スラ』らしさをこの作品だけで存分に味わえるので、みなさんの思う『転スラ』の大好きなところをこの作品でも沢山見つけて欲しいです。そしてアニメ『転スラ』もここまで来たんだという喜びや、これまでの4年間の歴史を私たちと噛みしめていただけると嬉しいです。
――そして、この先の展開として第3期の発表もありましたので、最後にファンのみなさんにそちらで期待して欲しいことも教えていただけますか。
岡咲:ティザービジュアルでヒナタ・サカグチが描かれたので、彼女の活躍に期待していただければと思います。実は第1期のオープニング映像から彼女は登場していたのですが、原作ファンの方からの活躍を期待する声を私も何度か聞かせていただく機会があったんです。だから私も彼女の活躍には期待しています。
後はテンペストの国交もかなり広がって来たので、色々な国の思惑が絡まり合うところや、そこに対するリムル達のアプローチを楽しみにしていて貰えればと思います。
――ありがとうございました。
『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』作品情報
大ヒット全国公開中!
STORY
【魔国連邦】(テンペスト)の西に位置する【ラージャ小亜国】。かつては金の採掘で栄えていたが、今はその繁栄は見る影もなく、湖は鉱山毒に侵され、国は危機的状況に陥っていた。
女王「トワ」は、王家に代々伝わるティアラの魔力を使い、毒を取り除いて民を守っていたが、その代償としてティアラにかけられた呪いを全身に受けてしまい、命を蝕まれていた。
そんな中、テンペストに突如現れた、大鬼族(オーガ)の生き残り「ヒイロ」。ベニマルたちの兄貴分だったというヒイロは、トワに命を救われ生き延びていたのだった。
自分を救ってくれたトワと【ラージャ小亜国】を守るため、テンペストのリムルに助けを求めに来たヒイロは、ベニマルと運命の再会を果たす。ラージャの危機を救うため、そしてトワにかけられた呪いの謎を解くため、リムルたちはラージャへ向かうが…。そこには驚くべき陰謀が待ち受けていた!
STAFF
原作:川上泰樹・伏瀬・みっつばー「転生したらスライムだった件」(講談社「月刊少年シリウス」連載)
ストーリー原案:伏瀬
監督:菊地康仁
脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:江畑諒真
モンスターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:田中雄一
コンセプトアート:富安健一郎(INEI)
美術デザイン:ボワセイユ レミ、佐藤正浩
美術監督:佐藤 歩
美術:スタジオなや
色彩設計:斉藤麻記
モニターグラフィックス:生原雄次
CGIプロデューサー:町田政彌
編集:神宮司由美
撮影監督:佐藤 洋
撮影:チップチューン
音響監督:明田川 仁
音楽:藤間 仁(Elements Garden)
アニメーション制作:エイトビット
配給:バンダイナムコフィルムワークス
CAST
リムル:岡咲美保
ヒイロ:内田雄馬
トワ:福本莉子
ベニマル:古川 慎
智慧之王:豊口めぐみ
ヴェルドラ:前野智昭
シュナ:千本木彩花
シオン:M・A・O
ソウエイ:江口拓也
ハクロウ:大塚芳忠
クロベエ:柳田淳一
リグルド:山本兼平
ゴブタ:泊 明日菜
ランガ:小林親弘
ゲルド:山口太郎
ガビル:福島 潤
ディアブロ:櫻井孝宏
ラキュア:木村 昴
「転生したらスライムだった件」について
TVアニメ『転生したらスライムだった件』は、異世界で一匹のスライムに転生した主人公が、身につけたスキルを駆使し、知恵と度胸で仲間を増やしていく異世界転生エンターテインメント。
TVアニメ『転スラ』第1期が2018年10月より2019年3月までTOKYO MXほかでTV放送され、更に2021年1月から9月まで『転生したらスライムだった件 第2期』第1部、初TVアニメ化となる「転スラ」スピンオフコミック『転生したらスライムだった件 転スラ日記』、『転スラ第2期』第2部が9ヶ月連続で放送されました。
原作コミック「転生したらスライムだった件」(講談社「月刊少年シリウス」連載中/漫画:川上泰樹、原作:伏瀬、キャラクター原案:みっつばー)は、小説投稿サイト「小説家になろう」で8億PV(ページビュー)を突破した、伏瀬氏による同名人気小説のコミカライズで、
コミック、小説、スピンオフ作品など関連書籍のシリーズ累計発行部数は3000万部を突破しています。
『転スラ』ポータルサイト
公式Twitter:@ten_sura_anime
公式Instagram:tensura_official
劇場版公式サイト
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