明るく頼れる救世主!?──『アキバ冥途戦争』『東京リベンジャーズ』など、強くて頼れる“ギャル”が登場する作品をエピソードやセリフと共にご紹介!
『ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜』 服部樹里
『ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜』は、クリエイターユニットHoneyWorks制作の青春お仕事ストーリー。ひょんなことから人気アイドルユニットLIPxLIPのマネージャー見習いをすることになった主人公・涼海ひより(すずみひより)が、LIPxLIPの二人やクラスメイトと過ごす青春の日々を描きます。
服部樹里はひよりのクラスメイト。メイクやファッションが好きで恋愛にも積極的な樹里は、上京したてのひよりにとって眩しい都会の女子高生の象徴のような存在。
転校したばかりで困っているひよりを助けて友達になるなど面倒見のいい一面もあり、明るさとコミュニケーション能力で物語も引っ張っていく頼れる存在です。
注目セリフ:「いいぞー、もっとやれー!」
このセリフはアニメ第11話「嫌われヒロインの戦い」、ひよりとクラスメイトの中村千鶴が取っ組み合いの喧嘩をするシーンでの発せられたものです。
一見すると薄情にも聞こえるセリフですが、そこはふだんから積極的に自己表現をする樹里のこと。ひよりと千鶴両方の気持ちに寄り添いたいという想いと、かといって諭すでもなく喧嘩で曝け出すのもアリというオープンマインドが全面に表れています。
そして実際この取っ組み合いの後どちらをひいきすることなく喧嘩を仲裁する樹里。ギャルの面倒見の良さとコミュニケーション能力の高さも、ここまでくると達観しすぎてまるで聖人です!
『2.5次元の誘惑』 喜咲アリア
次に紹介するのはアニメ化が発表されたばかりの『2.5次元の誘惑(リリサ)』。2次元キャラクターであるリリエルが大好きな男子高校生、奥村正宗と、そのリリエルのコスプレが大好きな女子高生、天乃リリサとのコスプレ青春群像劇です。
この作品に登場するギャルは喜咲アリア。リリサ、奥村とは別の高校に通う女子高校生で、ある理由で自分もコスプレがしたいと部室を訪れて直談判する、類稀なる行動力の持ち主です。
注目エピソード:漫画48話「仲間になりたい」
喜咲アリアがよく使うフレーズに「おっはぴー」や「やっほぴー」の挨拶があります。フレンドリーでテンション高めなギャルらしいセリフですね。
でもここで紹介したいのは、漫画48話「仲間になりたい」でのエピソード。ここでアリアは、過去あるキャラクターをコスプレした経緯を話すのですが、実は最初は「プライベートなことだから」と答えることを拒否しているのです。
仲良くしていてもお互いプライベートを尊重することが大事だと自論を明かすアリア。ギャル風に言い換えると「ウザ絡み」しないということでしょうか。健康的かつ常識的という、ギャルキャラのひとつの特性を見事に表現したエピソードです。
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』 宮下 愛
『ラブライブ!』シリーズ3作目にあたる『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』。校内の部活動のひとつである「スクールアイドル同好会」のメンバーがそれぞれソロアイドルとして、時に助け合い時に競い合いながら成長する様子を描いています。
宮下 愛は、ギャルらしい派手な外見とは裏腹にダジャレと漬物が好きなおばあちゃん娘。また、社交性が高いだけでなく成績優秀、運動神経抜群の優等生でもあります。シャイで無口なメンバー天王寺璃奈(てんのうじりな)の気持ちを察して手助けするなど、困っている人に手を差し伸べることをいとわない一面もあります。
注目セリフ:「出来ないことは出来ることでカバーすればいいってね。」
宮下 愛の紹介でも触れた天王寺璃奈にかけたこちらのひとこと。
TVアニメ1期6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」で璃奈は自身の初ライブの直前、不安のあまり段ボールの中に引きこもってしまいます。すると愛は突如その段ボールに向かってダイブ&ハグ! そして慰めるでも諭すでもなく、このポジティブな言葉をかけるのです。
突飛でも人のために迷わず行動できるところを含め、悩むより出来ることを探そうとするポジティブさにギャルマインドが詰まったセリフです。
『けいおん!』 立花姫子
『けいおん!』は、廃部寸前の軽音部で出会った同級生の唯、紬、律、澪の部活動や学校生活を描く日常アニメ。京都アニメーション制作のTVアニメでは、軽音部の結成からメンバー4人の卒業までが描かれています。
そんな中ギャルとして紹介したいのが唯たちのクラスメイトの立花姫子。登場回数の少ないいわゆるモブキャラながら、ルーズソックスを履きこなしたギャルっぽい外見とまじめな言動のギャップで注目され、唯が懐いている(席が隣)という公式設定が明かされるとさらに人気が上がりました。
注目エピソード:TVアニメ2期 2話、6話など
基本的に登場回数もセリフも少ない立花姫子ですが、TVアニメ2期全体を通して見ると彼女のギャルっぽさときちんと感のギャップがみえてきます。
特に注目したいのが、2話「整頓!」で軽音部メンバーと一緒に唯の寝顔を見守るシーンと、6話「梅雨!」で唯のギター愛に対して「お幸せに」とツッコミを入れるシーン。
唯に対する保護者目線や、ギター好きなクラスメイトにツッコミを入れつつ決してけなさない点に、外見だけではない内面的なギャルらしさを感じずにいられません。
修学旅行先ではクラスメイトが立って話を聞いている中しゃがんでいるなど一見悪っぽい印象もある姫子。でも面倒見が良く、人を傷つけることは言わないところは注目のギャルキャラそのものではないでしょうか。
今回紹介したなかでは登場時期が一番古いのが立花姫子。昨今のギャルブームとは年代的にズレているかもしれませんが、清潔感があって学校行事を大事にするしっかり者のギャル像は、もしかしたら立花姫子から始まった兆候なのでは、と思わせるほど今回紹介するにふさわしいギャルです。
おわりに
先日、企業研修で「ギャルマインド」を取り入れるケースが増えてきているというニュースを見ました。
全身派手なコーディネートに身を包んだ講師が登場し、「マジ」「ウケる」「的な」などのギャルワードを惜しみなく使って参加者を鼓舞。ワークショップでは相互理解や自己表現を実践で学び、社会人としてのスキルアップを図るというのです。
とうとう頼れる救世主としての「ギャル」が3次元化したと思った瞬間でした。海夢もケミィも実在はしていませんし、個々の性格をみればマイペースだったり社交的だったりとそれぞれ個性が違います。
でも、彼女たちは今を生きる私たちが求める何かを持っているように感じるのです。
今回紹介した女の子たちを改めて見直してみると、共通項として物怖じしない心や楽観性、そして他人を大切にする寛容さを持っていることに気がつきます。そしてその根底にはノリノリで派手なイメージに隠れた圧倒的優しさが。
ここで紹介した以外にもギャルな特性を持つ魅力的なキャラクターはたくさんいます。自分の「推しギャル」を探してみるのも楽しいかもしれません。