ふたりで『ルパン』の系譜を徹底研究。たどり着いた答えは“音楽”にあり? アニメ『LUPIN ZERO』ルパン役・畠中 祐さん×次元役・武内駿輔さんインタビュー
1971年より何度もアニメ化されてきた『ルパン三世』(モンキー・パンチさん原作)の新作スピンオフアニメ『LUPIN ZERO』が2022年12月16日よりDMM TVにて独占配信中!
『LUPIN ZERO』は戦後の東京を舞台に、中学生だった頃のルパンと次元の出会いを描いたオリジナルストーリーです。映像のざら付きや作中に流れるBGM、そしてOPとEDなど『ルパン三世 PART1』をオマージュし、時代背景も『PART1』が放送されていた時代と、『ルパン三世』ファンにはたまらない作品になっています。
少年期のルパンを演じるのは畠中 祐さん、相棒の次元役を武内駿輔さんが担当。毎回登場するゲストキャラも人気と実力を兼ね備えた声優陣ばかり。そんな『LUPIN ZERO』の配信開始を祝して、畠中さんと武内さんの対談が実現! お二人のルパン愛があふれ出る熱い想いを感じてください。
ルパン役を演じることへの葛藤。武内さんは「ルパンは祐しかいない」と確信
――これまでにアニメ『ルパン三世』シリーズをご覧になったことはありますか?
ルパン役・畠中 祐さん(以下、畠中):もちろんオーディションを受ける前から知っていましたし、劇場版も『ルパンVS複製人間』や『カリオストロの城』などTVで何度も流れていましたから。
次元役・武内駿輔さん(以下、武内):夏休みといえば、TVで『ルパン三世』のアニメを見るのが恒例行事になっていました。TVシリーズはレンタルビデオなどで主に『PART2』を見ていましたね。個人的に声優という文化が好きなので、ルパン三世役の山田康雄さんをはじめ、ルパンファミリーを演じられた声優の皆さんは業界の至宝であり、声優を生業にするものとしては絶対に知らなくてはならない存在だと思っています。
畠中:僕も山田さんのことは存じていましたが、「詳しく知らなくては」と思って調べたのはオーディションを受けることになってからでした。
武内:僕は別にマウントをとろうとしているわけではないけど(笑)、山田康雄さんのファーストアルバム『せ・しゃれまん』も持っているからね。
畠中:それ、すごいな!
――オーディションの話が届いた時はどう思われましたか?
武内:すごくビックリしました。
畠中:僕も「ルパンの少年時代をアニメでやるんだ!?」って。
武内:ワクワクできたのは少年時代ということで、今も大人時代のルパンのアニメは放送されていますが、それらを引き継ぐ形ではないので、プレッシャーよりも楽しみのほうが大きかったかもしれません。例え自分が作品に参加できなかったとしてもどんな感じになるのか、楽しみにしていたと思います。
畠中:僕は「どうしたらいいんだろう?」という不安もありました。山田さんから脈々と受け継がれてきたルパン三世像があまりにも強烈ですし、僕の体にも染み込んでしまっているし。しかも『ルパン三世 PART1』に繋がるものであり、その前のルパンがどんな感じだったのかも想像がつかなくて。
だからオーディション前はすごく迷いましたし、オーディションの時は近づけるのではなく、結局、自分のままでやりました。酒向(大輔)監督やスタッフの皆さんも「近づけるのではなく、あなたのルパンで」とおっしゃってくださったので。むしろ合格の報告を受けた時が一番混乱していたかもしれません。キャラクターの重みが違うので、喜びよりもパニックでした(笑)。
武内:僕は次元役でオーディションを受けましたが、「ルパン役は誰がいいかな?」と考えた時、「祐しかいない」と。だから祐が受かった時に「でしょう?」と誇らしく思ったし、安心しました。自分が次元役に決まったことよりも祐がルパン役に決まったことで「この作品、イケるんじゃないか?」と確信しました。
畠中:ありがとうございます(笑)。
武内:お互いに電話もしたよね?
畠中:まだ公表できない時だったから、「聞いた?」と尋ねられて、「何が?」と返したら、「じゃあ、言えないわ」と(笑)。オーディションの結果が届いたのも結構早くて。
僕も武内くんが次元役に決まったと聞いた時、彼の性格や仕事への向き合い方からして、徹底的に次元を研究してくるだろうなと。だから僕も収録までしっかりルパンと向き合わなければいけないなと感じました。そこからほぼルパン漬けです。
武内:毎日、どう演じたらいいのか電話などで話し合いをしました。お互いにTVシリーズを見返して、「今、何話まで見た?」とか確認し合ったり。
畠中:20話くらい差が付けられた時は心が折れそうになりました(笑)。
武内:僕は収録が始まるまで、何とか『PART3』まで見終わりました。