プリキュアシリーズで3作連続主題歌を彩ってきたMachicoさんのベスト盤『Machico♡プリキュアのうた!』新曲・キャラクターソングもパッケージ「私がプリキュアと歩んできた足あとが詰め込まれています」
まだまだ逢えるよ!と「やくそく」
──プリキュアライブでベストアルバムのことをアナウンスされたとき、皆さん大きな拍手を送っていましたね。
Machico:実は緊張していたんです。いざ新曲の収録が終わって、撮影して……「ファンの方たちはどういう反応をしてくださるんだろう?」というのが、私もスタッフさんも気になっていて。
宮本佳那子さん、北川理恵さんが時間をかけてベスト・アルバムというものをリリースしてきた中で、私は早い段階でベスト・アルバムを出させてもらうことになって。
発表するまでは、そのスピード感に対して前向きな捉え方ばかりではないかもしれないなと……。
でも当日皆さん拍手を送ってくれて。そしてライブ終了後、会場でたくさんの方が予約してくださったとうかがいました。「ああ、良かった」とホッとしました。自分が心配していた部分は早い段階で拭うことができました。
──アーティスト盤、アニメ盤の2形態でのリリースです。アーティスト盤のブックレットには、レコーディングインタビューのときもおっしゃっていたように手書きの歌詞が。
Machico:私バージョンは手作り感がある一方で、アニメ盤のほうはまたまた違ったブックレットになっていて、キャラクターの可愛さを活かしてもらっています。私が主題歌を担当した3人のプリキュアが表紙で、実は後ろのページには岬(あやね)さんがいるんです。
さらにアニメ盤のブックレットには、私のことを描いてくださったイラストもあります。
──イラストもですか!
Machico:イラストレーターさんが描いてくださったんです。だから私もみんなの中にいます。すごく嬉しいです。
──さきほど手作り感とおっしゃっていましたが、アーティスト盤のナチュラルな笑顔も印象的です。こういった表情をジャケ写にされるのはこれまでのアーティスト活動の中では珍しいですよね。
Machico:そうですね。MV撮影の日にジャケットの写真も撮ったんです。その日の撮影がすごく楽しかったんですよ。井上 洸さんをはじめとしたマーベラスさんチームも、ヘアメイクさん、衣装さんも愉快で(笑)。特に監督とカメラマンさんのコンビネーションが面白すぎたんです。
──皆さん顔見知りだったんです?
Machico:監督とカメラマンさん、メイクさんも衣装さんも初めましてだったんですけど、そうは思えないほど距離が近かったです。だから自然な表情になったような気がします。それとカメラマンさんが女性というのも大きかったかもしれません。
MVも、写真も「女性の思うかわいい」が詰まっているというか。いかに私がかわいく、綺麗に映るかを考えてくれていたので、どの写真も本当に良くて、選ぶのが大変だったくらいです。この日はめちゃくちゃ盛れています!(笑)
──プリキュアライブ当日もさりげなく流れて客席がざわついた『デパプリ』OP主題歌「Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア」と新曲「POPPING NOW」のMVとメイキング映像も収録で大ボリュームですね。
Machico:そうなんです! 11曲プラス、新曲が3曲。うち2曲は作詞もさせていただいて。自分のソロデビュー10周年の年に自分のターニングポイントになったプリキュアシリーズのベストアルバムを出させてもらえるということが運命的だなと思っています。個人的にもすごく特別ですね。
──1年の季節の流れを感じるような作品で、春ではじまり春で終わります。まさにプリキュアシリーズならではだなと。
Machico:そうなんですよね。1曲目は新曲の「ワタシイロ」で、最後は「やくそく ~Original Remix Version~」。どちらも春らしい曲です。
ベストアルバムって何かの節目の時に出す印象があるので、もしかしたら「うれしい」だけでなく、これで何かが終わってしまうんじゃないか、と不安に思ってしまう方も中にはいらっしゃるかもしれません。
でも、この曲が最後にあることで「これからもきっと、まだまだ逢える場所はたくさんあるよ」っていう「やくそく」にもなるんじゃないかなって自分は捉えています。そういうメッセージになれば良いなと思っていました。
──さらに『キラキラ☆プリキュアアラモード(以降、「プリアラ」)』の岬あやねさんのキャラクターソングも収録されています。
Machico:ベストアルバムという形だったので、私が主題歌に携わった『ヒープリ』、『トロプリ』、『デパプリ』関連の曲が収録されるのかなと思っていたら、声優で参加させてもらった岬さんの楽曲を2曲も入れてもらえたので。
私が『プリキュア』と出会って歩んできた足あとが詰め込まれています。制作の方々に感謝です。みんなも岬さんの曲が本当に好きだから。
──私も待っていました(笑)。
Machico:ありがとうございます(笑)。希望に溢れたやさしい気持ちになれるような曲が多い中で「ゴリゴリのロックやな!」っていう(笑)。もちろんこの2つの曲に希望がないわけでは決してなくて。
──格好いいんですよね。
Machico:そうなんです。とにかく格好いい。初めて聴く方も、曲を知っている方も改めてプリキュアソングの幅を感じられるんじゃないかなと思います。また、主題歌のMachico、キャラクターソングのMachicoの変化も感じてもらえたら嬉しいです。
ナンバー1でオンリー1☆
──それでは曲についても改めて教えて下さい。アルバムの幕開けを飾る「ワタシイロ」は、Machicoさんがプリキュアになった気持ちで書かれたとおっしゃっていました。作曲・編曲の馬瀬みさきさんはMachicoさんとの「念願の共作」とTwitterに書かれていて。
こちらMachicoさんの #プリキュア ベスト盤アルバムに作曲、編曲で参加させていただきました!
— 馬瀬みさき / Misaki Umase (@UmaseMisaki) October 29, 2022
M1 「ワタシイロ」はMachicoさん作詞で、念願の共作が叶いました!✨
ぜひぜひリリースをお楽しみに!🎁 https://t.co/eVeLqdERCj
Machico:馬瀬さんにはソロのライブのオープニングSEでもお世話になっていたんですが、共作させてもらうのは初めてで! デモが届いたときに「ああ、馬瀬さんだなぁ!」って。私の好きな輝きというか。希望に満ちあふれていて、青空が澄み渡るような曲だなと思いました。
曲をもらう前は「どんなイメージで歌詞を書こうかな?」「ソロでは作詞してるけどベスト盤ならではの歌詞を書けるかな?」「プリキュアらしさを出せるかな?」とかいろいろ思っていたんですけど、曲から情景がすぐに浮かんだので、迷いなく言葉にすることができました。
それにプラス、春というテーマがあったので『ヒープリ』っぽさや、私がプリキュアになったら……というところを想像しながら書きました。
──ある意味Machicoさんのキャラソンでもあるのかもしれませんね。
Machico:そうですね。今までソロ活動では自分のことしか考えなくて良い作詞しかやったことがなかったんです。でも知り合いの中には、作品内で歌も作詞も担当しているという方もいて。「意外とできるものだよ」と聞いていたのですが、私はテーマを絞っての作詞は難しいように感じていたので「私だったら絶対できないだろうな」って思っていました。
でも実際やってみたら「出てくる!」って(笑)。『プリキュア』のおかげで作詞することができました。
それと、「分かりやすい言葉で」というのも意識しています。以前もちょっとお話させてもらいましたが、子どもたちに届ける楽曲なので「難しい言葉ではなく分かりやすい言葉で」というのはもうひとつの作詞曲「POPPING NOW」も含めて意識していました。
──「POPPING NOW」は『トロプリ』をイメージされたとおっしゃっていました。どちらも分かりやすい言葉ではあるんですけど、でもイメージが違う感じが面白いですよね。
Machico:「ワタシイロ」は優しい言葉選びをしていますが、逆に「POPPING NOW」は勢いや輝きをテーマにしていて「良いじゃんそれで行っちゃおう!」という感じの口調に。同じ作詞でもそういう変化がありました。
「POPPING NOW」には、自分のお気に入りのフレーズがあるんです。それが<昔に見たお姫様はかっこよくブーツを履いたんだ>のところで。
一般的にはお姫様というとキラキラのドレスにキラキラのハイヒールというイメージがあると思うんです。そこをあえて「自分がかわいいと思うならブーツでも良いんだよ」って伝えたくて。自分がかわいいと思うなら周りがなんと言っても正解で、恥じることもないし、自信を無くすこともない。
──<ドレスコードなんて"私"でいいじゃん>という言葉も素敵だなって。ココロは自由で良いんですもんね。
Machico:まなつだったら絶対「良いじゃん良いじゃん!なんでだめなの?」って言うと思うんですよね(笑)。一般的な常識なんて考えなくていいと言うか。自分の感性を信じる大切さを私自身も『トロプリ』から教えてもらっていて。それで<ナンバー1でオンリー1☆ >という言葉も出てきました。
誰しも変身願望は持っていると思うんですけど「一歩踏み出すのは悪いことじゃないよ」「ありのままの自分が素敵だよ」って思いを書きました。
──作曲をされているのはEFFYさんで、シティ・ポップ的な趣です。サウンドを聴いたときはどのような印象がありましたか?
Machico:パーティ感がすごいなと思いました! 大人っぽい世界のパーティ感。自分の思い思いの“好き”を着飾って踊っているという印象を受けていたので、歌詞のテーマもすぐに決まりました。ノリノリの曲ではあるんですけど、別のパターンの高まりを感じられる曲だと感じています。
──ハンズクラップで盛り上がれる曲ですけど、本当は一緒に歌いたい曲でもありますよね。
Machico:そうなんですよねえ……。ハンズクラップでも盛り上がれる曲ではあると思うんですが、いつか気にしなくていい時代に戻ったらサビ頭や最後の歌詞を一緒に歌ってもらいたいです。