TVアニメ『モブサイコ100 Ⅲ』第10話~第12話上映イベントレポート|声優・伊藤節生さんがモブとともに歩んだ6年間の想いを語る! 蓮井隆弘監督が心持ち的にシンクロしていたのはまさかの芹沢!?
伊藤さんが大好きな、第1期第1話の霊幻を思い起こさせるシーンとは?
話題はいよいよ最終第12話「告白 ~これから~」へ。シナリオの練り合わせについて蓮井監督は、自身が監督を務めたのは第3期からなので、第1期、第2期は分からないが、と前置きした上で「第3期のシナリオは進みがものすごく早く、スムーズなやり取りでした。ONEさんからの要望も、終盤に関しては、客観的に見たときに、モブがけっこうなことをやってしまっているので、なんとか残虐に見えないような見せ方だと嬉しいです、という点くらいでした」と、とてもスムーズに制作が進んだことを明かしました。
第12話で印象的だったことを聞かれ、伊藤さんは「モブくんの中のモブくんとの対話が印象的でした」と回答。続けて「僕にとっては、普段のモブくんが、僕が演じてきた、僕の目線で。内にあった彼は、最初は悪いものだと認識していたんですよ。なので、悪く演じたほうがいいのか、とも思ったりしたんですが、最終的には“これもモブだから”と。似て非なるものということを表現できたらいいなと思っていました」と、演じる上で意識したことを語りました。
外と内にいる“モブ”をどちらも認め、普通のことだと言ってくれる師匠・霊幻については、「どんな人であっても、モブにとっては大事な存在であり、自分が行くべきところを指し示してくれるような存在ということが、すごく見えました」とコメント。さらに「僕の中で、1期の1話の収録で一番印象に残っている、プロの現場で感銘を受けたシーンがあって。それは洞窟の中で、風が巻き起こって、ビンが口に入るという師匠のシーンなんです。あのアクションがすごく好きで、プロの力を感じて。最終話で、巡り巡って師匠のそういったシーンが見られたのがすごく嬉しかったです」と、思い出とともに感動ポイントを熱く語りました。
また、モブの暴走を止める上でも、この作品を語る上でも欠かせない存在、エクボについても触れ、「困ったときにいざ参上というか、助けてくれるのは意外といつもエクボで。エクボはモブにとって一番の友達なんだなと改めて感じました」と述懐。「ライバルがいて、兄弟がいて、師匠がいて、友達がいて、仲間がいて。全部出てくるのがこの12話なんですよね」と振り返りました。
続けて、暴走が収まった後の、モブが3年生になった描写については、「「影山先輩!」と呼びに来る後輩役(新肉改部員A)を演じたのが、木内太郎という僕の後輩なんです。それも含めてちょっと嬉しいですよね。ちなみに、本人は肉体改造をする必要がないくらいムキムキです。よかったら事務所のHPを見てみてください」と、会場の笑いを誘いつつ、感動的なエピソードを披露しました。
多くの登場人物が「霊とか相談所」に集結するラストシーンについて、蓮井監督は「大変でした。ちょっと(パースの)ウソをつきながらも、みんな収めてあげたいと入れ込みましたね」と振り返るとともに、「キャラクターデザインの亀田さんによる私服のデザインにも注目です」と紹介。
伊藤さんは、「笑うお芝居が苦手というのもあり、ラストシーンが実は、自分が一番収録で苦労というか、つまづきました」と回想。最後に伊藤さんのブースの横にいてくれたのは入野さんだったそうで、「最後の最後まで入野さんにいろいろと教わりました。作中では弟なんですが、自分にとっては大先輩で、憧れた声優の一人で。そんな方と最後まで一緒に収録できて嬉しかったです」と、入野さんへの感謝の思いとともに収録時を振り返りました。