冬アニメ『ツルネ —つながりの一射—』鳴宮 湊役・上村祐翔さん×藤原 愁役・小野賢章さんインタビュー|家族、仲間、師弟……弓道を通していろいろな“つながり”を感じられる第2期
2023年1月4日(水)から放送がスタートしたTVアニメ『ツルネ —つながりの一射—』。
湊たち風舞高校弓道部は全国大会への出場を決め、“敗者復活戦”となる地方大会に懸ける愁をはじめとした桐先高校。各県の強豪が集う地方大会では、湊・静弥・愁の中学時代の先輩であり、現在は辻峰高校弓道部に所属する二階堂永亮の姿も。TVアニメ第2期となる本作では新キャラクターも登場し、さらに物語が加速します。
今回、アニメイトタイムズでは、鳴宮 湊役の上村祐翔さんと藤原 愁役の小野賢章さんにインタビューを実施。いろいろな“つながり”を感じられる第2期の魅力を語っていただきました。
第1期とは違う面白い“つながりの一射”
――まずは、TVアニメ第2期が始まってのお気持ちをお聞かせください。
鳴宮 湊役・上村祐翔さん(以下、上村):劇場版で4年ぶりに再集結して、そこからあまり間を空けることなく収録が始まったので、またみんなで集まることができて嬉しいなという思いのままスムーズに第2期へ入ることができました。
今回は風舞高校だけじゃなくて他の高校のメンバーにもフォーカスを当てられているので、いろんなキャラクターの新しい面を僕たちも台本をいただいて収録するたびに知れていますし、どんどんツルネが深まってきているなと実感しながらアフレコに臨めています。
藤原 愁役・小野賢章さん(以下、小野):僕自身、劇場版を挟めたのはすごく大きかったですね。どの作品においても第2期までの期間が空いた分、自分から役が抜けてしまっている部分があったり、それを取り戻していくのに時間がかかったりします。
ツルネは劇場版という形で第1期でやったものを改めて作り直せる時間があったので、第2期にスムーズに入っていくことができ、とても楽しく収録が進んでいます。
――劇場版でもそうでしたが、第2期の序盤から「ツルネだ……」と感動しちゃいました。第1話で湊が愁へ“昔こういうことがあったよね”と気軽に電話をかけるシーンでも、これまでの過程がしっかりと感じられるようになっていて。
小野:描き方として第1期は風舞高校が中心だったので、愁たちは敵側みたいな雰囲気で登場していました。愁は幼馴染でありつつ湊にとってのライバル・強敵のようなポジションだったので、ちょっと距離感があるのかなと感じる節があったと思うんです。
でも、第1期の最後にあった試合を通じて、第2期では良きライバルという関係性みたいなものがすごく柔らかく、お互いに影響を受けて高め合っていくような関係性として描かれています。
上村:第1期よりも愁をはじめとする桐先高校のキャラクターたちを近くに感じられますよね。前の描き方だと“強豪校で風舞とは対になる存在”という感じでしたが、愁たちは愁たちで悩むこともあり壁にぶつかることもあります。
そこがちゃんと描かれているからこそ、その湊と愁の距離感が割とフラットで、同じ弓道を楽しんで極めていく仲間という意識があるのかなと感じます。
何より、湊が第1期よりも前向きになったので、いつもよりもテンションが高めです(笑)。
小野:(笑)。
上村:自分に対して感じているネガティブなものを取っ払って前に進めているので、その中での会話で雰囲気も変わったのかなと思います。
――第1期の序盤に比べると、湊は本当に変わりましたよね。第2期に関しては、特に愁が大きな変化を見せるのではないでしょうか。
上村:第2期は愁の謎な部分やわからなかったところに、いろんな追加要素が増えましたね。
小野:うんうん。
上村:だから見え方が変わるというか、そういう関係性もあったんだ!と新鮮さがあります。特に、遼平と愁は面白いバランスですよね。
小野:その2人は本当にすごく面白い。この後遼平と愁はあることがきっかけで交流しますが、愁は割と特殊な家族関係を持っているので愁自身も家族に対して思うところがあるんですけど、遼平の在り方が愁にとってはものすごく新鮮で”そういう考え方もあるんだ”と思ったり、物事を見るときも人と向き合うことに対しても、感心したりするところもあります。
そういう意味で第2期の愁は、すごく人間味を感じられるんじゃないかなと。第1期は湊に対して「弓道は1人でやるものだ」「もっと弓道と向き合うべき」と結構弓道のことしか考えていない厳しい面が多く出ていたと思うんです。
もちろん第2期でも弓道をメインに考えてはいますが、愁の周りのことも丁寧に描いてくださっているので愁を演じる上でももっと幅が出たり、こういうことを考えていてこういうことに驚くんだと、演じていて僕自身も彼の変化を感じたりしました。
そしてやっぱりその変化を感じることができたのは、劇場版の影響が大きかったと思います。もう1回作り直すことはなかなか大変な作業だと思いますし、4年間という期間が空いて改めて向き合って見えたものや気づきなど、当時では表現できなかったことも今だからできるのかなと。それは風舞高校のみんなも同じだと思います。
上村:そうですね。風舞のみんなも劇場版を経て、それぞれ見えてくるものがあったと思います。特に、湊はひとつ自信がある中で第2期を迎えているので。ただ、その自信があるが故に……。怖いぐらいピュアなんです(笑)。
――確かに、怖いぐらいピュアです(笑)。
上村:そこがみんなの原動力にもなっていますし、気持ち良い主人公になったなぁと。彼にこれから起こることもきっと成長には必要な経験だと思いますし、それを湊が周りの仲間に助けられて気づくことができるので、ひとつのチームとして風舞も一歩前に進もうとしています。
雰囲気としてもみんなすごく真剣にひとつひとつの物事を捉えていて、第1期とは違う感じになっています。結構、日常会話が多いんですけど、そこにもその真剣さが垣間見えてその空気感が心地良い。
みんな同じ方向を向こう!と意識しているけど向けなくて、じゃあどうしようともがく姿が自然とすり合わされている感じは、面白い“つながりの一射”だなと思います。