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『HIGH CARD』佐藤元、増田俊樹ら登壇の先行上映会レポート

冬アニメ『HIGH CARD』先行上映会にフィン・オールドマン役の佐藤元さん、クリス・レッドグレイヴ役の増田俊樹さん、和田純一監督、岡本浩樹プロデューサーが登壇! キャスト&スタッフ陣が乗り越える“ハードル”の数々

トムス・エンタテインメント×KADOKAWA×サミーが送るメディアミックスプロジェクト『HIGH CARD』。2023年1月9日のTVアニメ放送開始に先立ち、12月12日(月)にグランドシネマサンシャイン 池袋にて先行上映会が開催され、公式ラジオ『HIGH CARD RADIO』がスタートすること、各種プラットフォームでアニメが配信されることなど、新情報が続々と解禁になった。

『HIGH CARD』は、特定の者に異能力を与える52枚の《エクスプレイングカード》と、そのカードを回収する集団《ハイカード》に加入したフィンと仲間たちの活躍を、ユーモアを交えてスタイリッシュに描いた作品だ。現在、ドラマCDやキャラクター原案・えびもの作画によるコミカライズやノベライズも展開されている。

本イベントには、フィン・オールドマン役の佐藤元さん、クリス・レッドグレイヴ役の増田俊樹さん、和田純一監督、岡本浩樹プロデューサー(トムス・エンタテインメント)が登壇。第1話&第2話を先行上映し、フリーアナウンサー/アニメ研究家の中倉隆道さんの進行のもと、上映前と上映後にスタッフ&キャストトークショーを繰り広げた。

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ストリートを根城に気ままに暮らしていたフィンは恩のある孤児院が資⾦難で閉鎖の危機に陥っていることを知り⼀攫千⾦を狙ってカジノヘ乗り出す。しかし、そこで待っていたのはツキをほしいままにする男が持ったカードを巡って繰り広げられる銃撃戦にカーチェイス、悪夢のような修羅騒ぎだった。やがて、フィンは知ることとなる。世界の秩序を守るも混乱に陥れるも、意のまま。選ばれし者に⼈知を超えた異能⼒を与える52枚の《エスクプレイングカード》の存在を。そして、幼い頃から肌⾝離さず⼤切にしていた〝相棒〟に秘められた⼒を――。⾼級⾃動⾞メーカー・ピノクルに勤務する表の顔を持ちながら真には、フォーランド国王直々に王国中に四散してしまったといわれるカードを回収する任務を命じられたプレイヤー集団《ハイカード》。その第5のメンバーとしてスカウトされたフィンはイカした仲間たちとともに、危険なミッションに当たる。「必要なのはマナーと気品、そして命を張れる覚悟。それだけです」対するは、悪名⾼きマフィア・クロンダイクファミリーとピノクルを打ち負かすことに執念を燃やすライバルメーカーのフーズフー。⼤義、欲望、復讐を抱き、カードに魅せられたプレイヤーたちによ...

「この日を迎えられて嬉しい」と佐藤さん

中倉さんの進行で、フィン・オールドマン役の佐藤元さん、クリス・レッドグレイヴ役の増田俊樹さん、和田純一監督、岡本浩樹プロデューサーが順に登壇すれば、超満員の会場に大きな拍手が響き渡った。

この日、佐藤さんと増田さんは7月の特番同様、《ハイカード》のメンバー5人が着用しているスーツをイメージしてオーダーメイドしたスーツを着用。

ピンと背筋を伸ばしつつ「この日を迎えられて本当に嬉しい限りです」と笑顔で佐藤さん。増田さんは「去年の今頃から作品に参加させてもらいました。その時からアニメ化も聞いていたので、今日というこの日を待ち望んでいました」と感慨深げな表情を見せる。

先行上映を控え「皆さんの反応が楽しみで仕方ないです」と語る岡本プロデューサーに対し、和田監督は緊張している様子で「楽しみですけど、怖いです」と率直な心境を明かす。第1話、第2話の見どころについても一言ずつ語った。

佐藤さん「フィンの初めてのプレイ!と言ったあとの集中力、身体能力の高さに注目していただけたらと思います。本当にカッコいいので、お見逃しのないようにお願いします」

増田さん「会場を見渡すと(クリスのカラーである)まだ赤い服を着ている方が少なめなので、上映後には会場が真っ赤になるくらい、不死身の色男・クリス・レッドグレイヴに注目してほしいなと思っています」

和田監督「佐藤さんもおっしゃっていた通り、“カッコよさ”に注目してほしいです。特に第1話、2話は作り手の自分たちが思うカッコよさを打ち出しました。あと、第1話には、私の大好きなベテラン声優をゲストに迎えています。その方の演技も見どころです」

岡本プロデューサー「キャラクターはもちろん、美術やカーシーンなども見どころです。余すことなく見てもらえたらなと思っています」

ここでキャストを一度見送り第1話、第2話の上映会がスタート。ネタバレになってしまうため、詳しいストーリー展開は本稿では省くが、大迫力のスリリングな映像、巧みなストーリーテリング、ハードボイルドな世界観が魅力的で、画面に惹き込まれる観客の姿が本作の素晴らしさを物語っていた。

上映後、再び中倉さんの進行で佐藤さん、増田さん、和田監督、岡本プロデューサーがステージへ上がり、上映前よりも大きな拍手が起こる。佐藤さんはフィンのカードにキスをしながら登壇。しかし緊張のあまりカードを落としてしまい、増田さんが思わずツッコミ。佐藤さんは「カッコつかなかった」と少し落ち込み気味だ(笑)。ふたりの仲の良さが伝わってくる和やかなムードの中、改めて制作陣が本作制作の背景を語った。

岡本プロデューサーは「メディアミックスプロジェクトとして既にさまざまな展開をしていますが、アニメが物語の本線だと最初から考えていました。各メディアの物語を知っているとよりアニメが楽しく見られるような作りにしたい」と考えながら、現在も並行して制作をしているそう。

和田監督は企画書をもらったときのエピソードを振り返り「まず私の手元に来た段階でものすごい分厚い企画書。でも、かっこよければオッケーです、という感じで自由度の高い中で作らせてもらいました。やりたいことが溢れている企画書だったので、まずここに出てくる能力やキャラクターをどういう順番で組み合わせていったら良いフィルムになるかを考えていきました。プレッシャーを感じながら現在も制作しています」とオファー時から続く心境を語る。

これまで『SAKUGAN』『Caligula』『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』など数々の作品に携わってきた和田監督にとってもチャレンジングな作品であることを滲ませた。

それは役者陣も同様で、「ハードルが高い作品だなと思った」と増田さん。 「クリスは飄々としていて、芯がありそうでなさそう。1話、2話ではそういったところを描ききらずに、ギリギリのところで爪痕を残すイメージがありました。僕の役者人生の中でも、挑戦をし続けることのできる作品だなと思いました」

作品の世界観について問われると、佐藤さんは「第1話、第2話はスタイリッシュなアクションに焦点が当たっていたと思うのですが、キャラクターたちの言動にも注目していただけたらと思います」とコメント。

佐藤さん演じる主人公・フィンは幼いころ事故で家族を失い孤児院で育ってきた。佐藤さん自身が児童福祉施設でアルバイトをしていた経験があるそうで、さまざまな出自の子どもを見てきた。「当時の経験が今活きると思わなかった」と話しつつも「まさかオーディションに受かるとは思わなかったので“マジすか”」と、驚いたとのこと。

岡本プロデューサーはキャストオーディションに携わったのは初めてだったそうだが、佐藤さんの演技を見たときに「フィンだな」と直感。和田監督曰く「オーディションでは本当に緊張していたことが伝わってきました。良い意味で洗練されていなくて不器用。その彼がカッコいいアクションをするというギャップが良いなと思った」そう。

フィンの相棒・クリスを演じる増田さんは「クリスというキャラクター像が単純に自分の好みだったんです。自分の中の作戦を考えてオーディションに挑みましたが、捉え方が表面的すぎる気がしてすごく悩みました」と明かす。

そんなとき「キャラクターボードを改めて見たら、キメキメのカットの中に膝をついて謝っているものがあって。それを見たときに“こいつ絶対ダメなやつだ!”と思って(笑)。このダメさに気づいているのはきっと俺だけな気がする……!と、そこを攻めてチャレンジしました」と、シニカルさだけではない“少し抜けた部分”があることを分析した上でオーディションに挑んだことを話した。

ちなみにテープオーディションの音源を聞いた制作陣からは「増田くん“やってんねぇ!”」とコメントされたとか。実際和田監督も「やってるなぁ、って感じはしました」と笑う。岡本プロデューサーも「爪痕残しにきてるなぁ」と感じたそう。それだけ印象深かったそうで「それがクリスなんじゃないかな、と。ハマってる感じがあった」と和田監督。

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