冬アニメ『便利屋斎藤さん、異世界に行く』リリーザ役 花守ゆみりさん×ギーブル役 田所陽向さん第7話振り返りインタビュー|田所さんはギーブルの乙女心を探求中!? なかなか見られないお芝居に花守さんも大満足【連載第7回】
第4話のギーブルの乙女ぶりを花守さんは絶賛。田所さんは乙女心を要求されて困惑!?
――リリーザとギーブルが初登場した第1話、カギがかかった宝箱を開けてもらったサイトウに、ギーブルが一目ぼれしてしまった第4話についても、感想をお聞かせください。
花守:かわいいリリーザちゃんが魔獣狩りで、筋肉質のギーブルさんが魔術師、とふたりはギャップがありますよね。更にギーブルさんは男性もイケるという(笑)。
田所:ギーブルは好きな人が見つかってよかったです。
花守:リリーザから「あなたのタイプでしょ?」と言われて顔を真っ赤にしてうつむいてしまうギーブルさんがまたかわいくて! 収録中に「かわいく、乙女に」というディレクションがありましたよね。
田所:そう言われても乙女心が分からないし、「どう心を揺らしたらいいのかな?」とか「これまで僕がキュンとしたものなんだっけ?」と必死に考えました。更に収録が進んでいくと「尻上がりに『はわわ』って、なってください」と言われて(笑)。
花守:そのディレクションを受けているのが田所さんというのがまたおもしろかったです(笑)。
――今のお話しぶり的に、花守さんはそばで見ていて楽しんでいましたね?
花守:楽しかったです! テストテイクが終わるごとに、虚空を見つめる田所さんを見て、「田所さんが『乙女』で悩んでる!」と後ろで盛り上がっていました。
田所:僕にしてみれば、「これは終わらないぞ」と途方に暮れそうになりながら必死でした。
花守:全部かわいかったですよ。監督たちも「今度は田所さんにどんな乙女をやってもらおうか」と楽しんでいたと思います。
――第1話でギーブルが登場した時は、まだキリっとカッコいい戦士風でしたね。
田所:振り幅が広すぎます。シーンというよりも僕のアフレコの想い出として、きっと一生忘れないと思います。今後、乙女な部分も大切にやっていかないといけませんね(笑)。
――ということは田所さんも、男性もイケるということで。
花守:(リリーザの声で)「うちの田所さんはどっちでもイケるの」。
田所:それは断じて違いますから(笑)!
――サイトウパーティとの絡みで言えば、リリーザとラエルザは戦士同士ということで、ライバル関係のようにも見えます。
花守:お互いに強くて、芯があって、最初は衝突しましたが、意外とデコボココンビで気が合うかもしれませんね。もし言い争いをするとしたら、「うちのギーブルちゃんのほうがかわいいわよ。料理だって上手だし」みたいに、サイトウさんを巡るラエルザとギーブルの争いを応援する時かもしれません(笑)。
――リリーザとギーブルのコンビについてはどう思われますか?
田所:一緒に戦うパートナーでありながら、リリーザのほうがお姉ちゃんのような感じがしますね。なかなか感情や言いたいことを表に出さないギーブルの代わりにリリーザが代弁してくれているような気がします。リリーザは面倒見がいい、魅力的なキャラです。
花守:確かに姉御肌なところはありますね。いいパーティだと思いますが、どうやってふたりが出会ったのか気になります。「どちらかというとリリーザちゃんが積極的だから、彼女から声をかけたのかな?」など考えちゃいます。
リリーザはあんなにかわいいのに、大きなオノを振り回していて、ギーブルさんとは違う意味でギャップ萌えですね(笑)。
収録の合間には、花守さんが田所さんへ乙女エピソードを要求!?
――ご自身が演じるキャラクターの印象と、ご自身との相違点・共感した点などをお聞かせください。
花守:かわいくてオノを振り回して、面倒見のいい姉御肌という印象が最初からありつつも、あどけないかわいさも存在し続けていて、そのアンバランスさがおもしろい子だと思いました。
演じる時も迷いなくやれましたし、真っすぐに叩けば、ギーブルが受け取ってくれるので、すごく遊びがいがありました。ギーブルをイジると田所さんがかわいいリアクションをしてくれるのが楽しかったです。
田所:そんなことを思われていたのか?(笑)
でもすごく絶妙なラインでイジってくるので、いつもぞわぞわしています。第8話でも「もう! そんな言い方して!」みたいな。
花守:「そう思われているんだろうな」と分かっていながら、つい投げたくなっちゃいます。
田所:すごくいいパスを投げてくれるので、こっちも照れなどを出しやすくて助かりました。
花守:そうだったら良かったです。
田所:ギーブルに共感できたのは、僕も見た目に反して、心が弱くて不器用で、内気なところがあるので、「分かるよ! ギーブル」と思いました。乙女心は分かりませんが(笑)。
イカつい見た目の男性だから、ちょっと乙女なところを出したら嫌われてしまうんじゃないかと考えて、モジモジしちゃうんだろうなと、ギーブルの気持ちを汲みながら演じました。
花守:心が弱いというより、優しいんだと思います。田所さんは細やかなところまで気をつかってくれて、会うたびに話しかけてくれます。
田所:逆ですよ。会うたびに花守さんから元気にあいさつしてくれて、「今日も元気だな。助かるな」って思っています。
花守:第4話で「乙女心を学ばなくちゃ」と言っていたので、それ以降、お会いするたびに「今週あった乙女なことは何ですか?」と尋ねています(笑)。
田所:そう言われてもなかなかないんですけど。
花守:そう言って教えてくれません。
――言ったら花守さんは喜んで突っ込んだり、深堀りしそうだからじゃないですか?
花守:「え~! そうなんですか~!?」って(笑)。
田所:「小さな動物の動画を見るとキュンとするけど、こっちじゃないんだよな」と言ったことはあります。
花守:そうおっしゃっていたので「それもいいんじゃないですか?」と。
田所:道でノラ猫が鳴きながら近づいてきたのもかわいかった。
花守:かわいい!
田所:でもギーブルのキュンはこれじゃない。
花守:田所さんは今、乙女探しの最中です(笑)。
――今、お話を聞いている宣伝の方が田所さんの乙女修行企画を考えたりして。
田所:それはやめてください!
――収録は一緒にやられることが多かったんでしょうか?
花守:1回だけ別でしたが、ほとんど一緒です。
田所:ギブングル役の相馬(※フルネームをお願いします)さんと三人で録ることが多かったです。
花守:相馬さんも「乙女なことかあ?」って田所さんと一緒に悩んでくださっていました(笑)。
田所:サイトウさんなど別のパーティの方とは一緒に録っていないですね。
花守:皆さんが事前に収録されたお芝居を聴きながらの収録でした。サイトウさんのパーティ4人の声を聴くと、4人ともまったくベクトルが違うのがおもしろかったです。
――ギーブルがサイトウにキュンとするシーンも(サイトウ役の)木村良平さんの声を聴きながら?
田所:「これにキュンとならないといけないんだな」と……もちろん木村さんの声は魅力的でしたし、サイトウは素晴らしかったです。これは僕の役者としての問題です。
花守:サイトウをじっと見ているギーブルもすごくかわいかったです。
――お話を聞いてからだと「木村さんの声にキュンとした田所さんの反応がこれなんだな」と思いながら見てしまいそうです(笑)。
花守:そう言われたらそうかも(笑)。
田所:何テイクかやらせていただきましたが、どのテイクが使われるのか、僕は気が気じゃありません(笑)。
花守:いろいろなシーンが組み合わされているかも。息が荒いシーンとか。
――「これでOKですが、もう1テイク録ってみましょうか?」という感じだったんですか?
田所:ありましたね。「今のはキープしておくとして、今度はこうやってみてください」とか、何パターンもディレクションを受けました。
花守:遊ばれていたのかも(笑)。
田所:収録後は「はあ……」とため息をつきながら帰りました。
花守:私はほくほくしながら帰りました(笑)。「田所さんのあんな声が聴けるなんて」と。
――それ以外に、おもしろかった収録エピソードはありますか?
花守:これ以上、おもしろいことありますか?
田所:僕にとってはおもしろいことではないんだけど。真剣だったから。でも花守さんが「おもしろかった」と言ってくれて良かったです。
花守:最高でした! この現場に来て、人生で得したなと思ったのは、この田所さんのカッコいい声から乙女っぽさや「はわわ」の声が聴こえたことです。
――花守さんがそれほど絶賛するのであれば、特典映像かイベントでの実演をお願いします。
田所:それは絶対イヤ!