TVアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』スペシャルイベント ~探窟家組合 大精算会~ 昼の部レポート|富田美憂さん、久野美咲さん、平田広明さんらキャスト陣がそれぞれ“価値”を感じたシーンは?
つくしあきひと先生の漫画を原作としたアニメ『メイドインアビス』。TVアニメ第1期、第1期劇場版総集編、劇場版を経て、2022年7月~10月にかけてTVアニメ第2期『メイドインアビス 烈日の黄金郷』が放送されました。
そしてこの度、第2期を振り返る「TVアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』スペシャルイベント ~探窟家組合 大精算会~」が、2023年1月15日(日)に、日本教育会館 一ツ橋ホールにて開催。
富田美憂さん(リコ役)、伊瀬茉莉也さん(レグ役)、井澤詩織さん(ナナチ役)、久野美咲さん(ファプタ役)、寺崎裕香さん(ヴエコ役)、平田広明さん(ワズキャン役)、斎賀みつきさん(べラフ役)のキャスト陣7名が登壇し、印象に残ったシーンの紹介や、書き下ろし脚本による朗読劇などを披露しました。
本稿では、イベント昼の部の模様をお届けします!
キャスト陣が“価値がある”と思ったシーンを紹介
以前、オンラインで開催された「決起集会」とは違い、今回はリアルイベント。大勢のお客さんが詰めかけている様子を見て、キャスト陣も嬉しそうな表情を浮かべました。
このイベントは、第2期の舞台となった「成れ果て村」で開催されている、という設定から、「我々はチケット代に見合った価値を提供できなければ、帰りに清算されてしまいます! 頑張りましょう!」と富田さんが告げ、笑いを誘います。
一人ずつ挨拶を終え、キャスト陣がそれぞれ第2期の中で“価値がある”と思ったシーンを紹介する、最初のコーナーへ。
トップバッターの斎賀さんが選んだのは、第1話の冒頭、ガンジャ隊から物語がスタートしたシーン。斎賀さんは「新しいキャラクター、状況から始まるので、見た方も度肝を抜かれたんじゃないかな?と思った」と印象に残った理由を語りました。
「このシーンは揃ってアフレコできたんですか?」と井澤さんが質問すると、寺崎さんは「揃っていました!」と力強く回答。一方、平田さんは「揃っていたよね?」とやや記憶がおぼろげな様子で、お客さんの笑いを誘います。
寺崎さんの口からは、伊瀬さんが第1話の収録時、自身の出番の前からスタジオ入りして、ガンジャ隊のキャスト陣の声を聞き、絶賛していたというエピソードも飛び出しました。
そんな伊瀬さんが選んだのは第4話のレグとファプタが再会したシーン。「ファプタを覚えていない心苦しさを感じつつ、印象的な出会いのシーンでした」と振り返ります。
このシーンを一緒に録ることができた久野さんは「本当にドキドキしました。隣にいるのが伊瀬さんではなく完全にレグだったので。すごく引っ張っていただいた感じがしました」と伊瀬さんのお芝居を絶賛しました。
続いて富田さんが選んだのは第5話より、リコがムーギィに成れ果て語を教わるシーン。リコが後々、教わった言葉を使うシーンを見て、「レグやナナチのために動ける子なんだな」と感じたことからこのシーンを選んだことを明かしました。
伊瀬さんも「成れ果て村の住人と一緒に収録できたことが嬉しかった」と続け、リコさん隊の三人での収録が多かった第1期からの変化を語りました。
平田さんは、第9話にてワズキャンが「選べるのは、挑む者達だけなんだ」と語るシーンをチョイス。「なにか意味ありげな、いいこと言ってそうな感じがするでしょ?」と周囲へ投げかけると、伊瀬さんが「挑戦する者にしか道は開かれないですし、すごくワズキャンらしい台詞ですよね」と同意を示します。
いろいろな解釈ができる台詞が多いキャラクターだと口々に語る中、最後は平田さんが「部分部分をピックアップするとすごい人なのかな?と思いつつ、全体を振り返ると虫しか食べてない人」と冗談交じりに評し、笑いを誘いました。
井澤さんが選んだのは、第10話より、ナナチとミーティの別れ、そしてベラフが「拾うもの全てが、君の価値だ」と語るシーン。ベラフの台詞のカッコよさや、成れ果てになった状態の「人間のところと人間じゃないところの中間を取るのがすごく難しそうと思った」と収録時に感じたことを語りました。
一方の斎賀さんも「テスト時の(井澤さんの)演技もみんなに聞かせたい。思いが溢れていて、グッときた」と褒め返しました。また、このシーンのベラフについては「成れ果てからベラフ本人に変わっていってください」というディレクションがあったことも明かしました。
寺崎さんと久野さんが選んだ第12話のシーン紹介の前に、キャスト陣が収録時、どんな様子なのかをお客さんに伝えるべく、貴重なテスト時の映像が公開。
非常にリラックスした、和気あいあいとした様子が伝わってくる内容で、終わるや否や「恥ずかしい!」と口々に語ります。
アフレコ時の思い出や、現場の印象について、寺崎さんは「(音響監督の)山田さんも、一緒に理解しながら作っていった印象があります。分からないところは(原作のつくしあきひと)先生に一緒に訊きにいったりしました」と振り返りました。
再びシーン紹介へ。久野さんが選んだのは、第12話のガブールンとファプタの出会いのシーン。「ガブールン役の竹内さんのお芝居が毎回素晴らしくて。人間じゃない喋り方や声のトーン、テンポ感が、すごい表現だなあと隣でやっていて鳥肌が立っていました」と述懐します。続けて、「ファプタにとってもガブールンって、すごく大切な存在なので、このシーンがあったからこそ、別れのシーンもより気持ちを込められました」とひと際印象に残ったシーンであることを明かしました。
井澤さんは「獣が威嚇する時の“シャーッ”ってすごく難しいんですよ」と、久野さんのすごさを力説。「喉が焼けそうになります」という久野さんの返答に「わかる!」と大きく頷くなど、獣役が多いからこそ分かる“獣あるある”で盛り上がりました。
寺崎さんが選んだのは、第12話より、ヴエコとファプタの最後の会話のシーン。最終話は、前話から少し期間が空いてしまったうえ、他のキャストと一緒に収録ができなかったそうで、収録前は不安が大きかった、と前置きしたうえで、「ファプタの「なんそす?」という優しい声が聞こえた瞬間に今までのことがバーっと戻ってきて。第1話でヴエコがイルミューイに言っていた“探していたもの”を伝えることができて、心置きなく成仏できたなと思いました」と、アフレコ時の思い出とともに、シーンの“価値”を熱く語りました。
久野さんも、このシーンは強く印象に残ったそうで、「イルミューイとファプタを両方演じた意味が分かりました」と振り返りました。
伊瀬さんも「第2期はヴエコのナレーションで始まり、ヴエコの台詞で終わるので、ヴエコはある意味、もう一人の主役だと思っていて。プレッシャーもあったと思うんですが、繊細なお芝居で気持ちがすごく伝わってきた」と絶賛。
富田さんが「みなさんも価値を感じてくださりましたよね?」と客席に投げかけ、大きな拍手に包まれてコーナーを締めくくりました。