アニメ映画『すずめの戸締まり』第73回ベルリン国際映画祭「コンペティション部門」レッドカーペットアライバル・プレミア上映の公式レポートが到着! 新海誠監督、原菜乃華さんらが大観衆に迎えられ登壇
新海誠監督3年ぶりの新作として2022年11月に公開されたアニメ映画『すずめの戸締まり』。
本作が、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭の「コンペティション部門」に正式出品され、2023年2月23日(木)に上映されました。
このたび、イベントの模様を記した公式レポートが到着。新海監督、原菜乃華さんらが登壇し、大勢の観客に向けてコメントを残しました。
『すずめの戸締まり』第73回ベルリン国際映画祭公式レポート
現地時間2月23日午前中に行われたフォトコール、記者会見に続き、午後からはレッドカーペットアライバルに新海誠監督、原菜乃華、川村元気プロデューサーが登場!
ベルリン国際映画祭のレッドカーペットに初めて降り立った新海監督の登場に、現地に駆け付けた様々な国のファンから歓声が上がり、サインや握手を求められ熱い歓迎を受けました。そして、初のレッドカーペットアライバルがベルリン国際映画祭となった原は赤色の着物をセレクト。原が放つ艶やかさと瑞々しさに車から登場した瞬間は駆け付けたファンや集まったメディアが感嘆の声を漏らし魅了され、多くのフラッシュがたかれていました。
新海監督と原は口を揃えて「夢のようだ」と語り、いよいよベルリンの地で上映される今の気持ちを「日本の出来事を描いたこの映画がベルリンから、そこから先の世界の方々に少しでも深い場所へと届くといいなと思っています」と語りました。
さらに、新海監督は非常に多くの海外メディアからサウンドバイツを求められるなど、注目度の高さがうかがえました。またカーペットには黒の蝶ネクタイでおめかしをした草太(すずめの椅子)の姿が・・・。原は「草太さんも一緒です」と、新海監督は「我々は松村くんと一緒に、いってきます」と力強く話し、プレミア会場へ歩を進めました。
その後、15時45分頃からいよいよプレミア上映がスタート。キャパシティ790席のチケットはソールドアウトとなっており、待ちわびていた沢山の観客が見守る中実施されました。
本編が終了すると約3分に及ぶ長い拍手が巻き起こりました。鳴りやまない拍手に迎えられ、新海監督、川村プロデューサー、原が壇上に登場!
新海監督は「沢山の人に観て頂けてとても嬉しいです。この作品は12年前の東日本大震災をベースにしています。今でも故郷に帰れない人たちが沢山います。すずめが最後に飛び込んだ扉の先で街が燃えているのは、地震や津波の後にガスの爆発などで街が燃えた為です。屋根の上に横たわる船の描写は津波によって打ち上げられたものです。これらは全て12年前に日本に起こったことです。『すずめの戸締まり』というエンターテインメント作品を楽しんでもらいながらも、少しでもそのことを知ってほしかった。どんなに大きな災害にあっても、人笑いながら成長していきます。こうやって沢山の方に笑いながら観てもらえたことが幸せでした」と、原は「私はアニメが大好きで、新海監督の作品が大好きでした。そんな監督の隣でこのベルリンに来ることが出来て、こんなに沢山の人に映画を観てもらえて、夢のようで贅沢すぎる時間でした。この作品に関われた皆様に感謝しています」と挨拶しました。
フォトコール、記者会見、レッドカーペットアライバル、ガラ・プレミア上映を全て終えた新海監督は「ベルリン国際映画祭のレッドカーペットはとても素敵でした。色々な国から来た沢山の方々が声をかけてくれて嬉しかったです。プレミア上映では、凄く笑いが起こっていました。日本とは違うところで笑いが起こるので勉強になりました。特にダイジンが出てくるたびに笑う人が多かったですね。笑いながら、泣きながら観てくれていました。今回は着物姿の菜乃華さんと、椅子の状態となってしまった北斗君と一緒に、3人でこの作品をベルリンへ伝えにきました。この場所に来ることが出来たのも、日本の皆さんの応援があったからです。ありがとうございます。これからすずめはベルリンをスタートにして色んな世界へ旅立っていきます。何となく気にして遠くから応援してもらえたら嬉しいです」と、原は「ベルリンの方々の反応がとても良くて、沢山元気をもらいました。ここまで来ることが出来たのも、本当に沢山の人が観てくださった結果だと思います。観てくださった方たちに感謝していますし、新海監督や、沢山のスタッフの方々にも感謝しています。世界中の方と感想を語り合えるような機会があったらいいなと思います」と語りました。
「ベルリン国際映画祭」概要
ベルリン国際映画祭(1951年~)は、ドイツの首都ベルリンで毎年2月に開催される国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。ベルリンの人口は370万人、ヨーロッパの中ではロンドンに次ぐ規模を誇る。ヨーロッパ最大の映画産業都市であり、1000の製作会社と270の映画館が存在し、毎年300以上の映画撮影が行われている。
また、ヨーロッパ最大の撮影スタジオ、バーベルスベルクスタジオがあることでも知られている。ベルリン国際映画祭の歴史は1951年に始まり、カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と並ぶ、世界三大映画祭のひとつに数えられている。三大映画祭の中で唯一首都で開催されることから国内外の注目度も高く、来場者数は50万人、上映本数は400本にも上る。
これまでに多くの日本映画が上映されており、今井正監督の「武士道残酷物語」と宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が長編部門の最高賞に当たる金熊賞を受賞している。この賞の名は熊がベルリン市の紋章であることにちなむ。
[開催地]ドイツ・ベルリン
[開催期間]2023/02/16 ~ 2023/02/26
[開催回数]73回
賞
■コンペティション部門
金熊賞、銀熊賞、新人監督賞、ドキュメンタリー最優秀作品賞、テディ賞
最優秀賞は金熊賞が授与される。コンペティション部門にノミネートされるには、ワールドプレミア(世界初映)もしくはインターナショナルプレミア(製作国以外で初映)が必要となる。
■エンカウンターズ部門
最優秀作品賞、最優秀監督賞、審査員特別賞、新人監督賞、ドキュメンタリー最優秀作品賞、テディ賞
■ベルリン・ショート部門
金熊賞、銀熊賞、テディ賞
■パノラマ部門
新人監督賞、ドキュメンタリー最優秀作品賞、テディ賞、観客賞
■フォーラム部門
新人監督賞、ドキュメンタリー最優秀作品賞、テディ賞、カリガリ映画賞
■ジェネレーション部門
クリスタルベア賞、審査員賞、新人監督賞、ドキュメンタリー最優秀作品賞、テディ賞
日本との関わり
1958年 - 今井正監督『純愛物語』が銀熊賞 (監督賞)を受賞
1959年 - 黒澤明監督『隠し砦の三悪人』が、銀熊賞 (監督賞)を受賞
1963年 - 今井正監督『武士道残酷物語』が、金熊賞を受賞
1963年 - 今村昌平監督『にっぽん昆虫記』で、左幸子が銀熊賞 (女優賞)を受賞
1975年 - 熊井啓監督『サンダカン八番娼館 望郷』で、田中絹代が銀熊賞 (女優賞)を受賞
1976年 - 柳川武夫監督『彫る 棟方志功の世界』が短編部門(金熊賞)を受賞
1986年 - 篠田正浩監督『鑓の権三』が銀熊賞 (芸術貢献賞)を受賞
1986年 - 熊井啓監督『海と毒薬』が銀熊賞 (審査員グランプリ)を受賞
2000年 - 緒方明監督『独立少年合唱団』がアルフレッド・バウアー賞を受賞
2001年 - 東陽一監督『絵の中のぼくの村』が特別個人貢献賞を受賞
2002年 - 宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』が、金熊賞を受賞
2008年 - 熊坂出監督『パーク アンド ラブホテル』が最優秀新人作品賞を受賞
2010年 - 若松孝二監督『キャタピラー』で、寺島しのぶが銀熊賞 (女優賞)を受賞
2012年 - 和田淳監督『グレートラビット』が短編部門(銀熊賞)を受賞
2014年 - 山田洋次監督『小さいおうち』で、黒木華が銀熊賞 (女優賞)を受賞
2021年 - 濱口竜介監督『偶然と想像』が銀熊賞 (審査員グランプリ)を受賞
アニメ映画『すずめの戸締まり』作品情報
大大ヒット公開中!!
イントロダクション
新海誠 集大成にして最高傑作
国境や世代の垣根を超え、世界中を魅了し続けるアニメーション監督・新海誠。全世界が待ち望む最新作『すずめの戸締まり』は、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる”扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描く現代の冒険物語だ。
すずめの声に命を吹き込むのは、1700人を超えるオーディションから新海誠が探し出した、たったひとりの才能・原菜乃華。溢れ出る感情を声にのせるみずみずしい原石に、物語のヒロインを託す。
扉を閉める旅を続ける“閉じ師”の青年・草太役には、新海誠が「内面の豊かさ」をオーディションで見出した松村北斗。椅子に姿を変えられてしまう青年という難役を真摯な姿勢で乗り越え、見事に演じ切った。
そして二人を支える、すずめの叔母・環役に深津絵里、草太の祖父・羊朗役に松本白鸚。さらには染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜という精鋭キャストが集結。すずめの旅を鮮やかに彩る。
音楽には、新海作品3度目のタッグとなる RADWIMPS。共作として日米の映画やアニメシリーズで活躍する映画音楽作曲家・陣内一真が参加し、本作でしか成しえない最強の布陣で、壮大かつ繊細な冒険映画の機微を表現する。
また、主題歌「すずめ」を唄うのは次世代の逸材・十明。唯一無二の歌声で、物語の昂ぶりを奏でる。
すずめが歩む道の先で待つのは、見たこともない風景。人々との出会いと別れ。驚きと困難の数々。それでも前に進む彼女たちの冒険は、不安や不自由さと隣り合わせの日常を生きる我々の旅路にも、一筋の光をもたらす。
過去と現在と未来をつなぐ、“戸締まり”の物語。2022年11月11日。その景色は、永遠に胸に刻まれる。
ストーリー
九州の静かな町で暮らす 17 歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年・草太に出会う。彼の後を追って迷い込んだ山中の廃墟で見つけたのは、ぽつんとたたずむ古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…。
扉の向こう側からは災いが訪れてしまうため、草太は扉を閉めて鍵をかける“閉じ師”として旅を続けているという。すると、二人の前に突如、謎の猫・ダイジンが現れる。
「すずめ すき」「おまえは じゃま」
ダイジンがしゃべり出した次の瞬間、草太はなんと、椅子に姿を変えられてしまう―!それはすずめが幼い頃に使っていた、脚が1本欠けた小さな椅子。逃げるダイジンを捕まえようと3本脚の椅子の姿で走り出した草太を、すずめは慌てて追いかける。
やがて、日本各地で次々に開き始める扉。不思議な扉と小さな猫に導かれ、九州、四国、関西、そして東京と、日本列島を巻き込んでいくすずめの”戸締まりの旅”。
旅先での出会いに助けられながら辿りついたその場所ですずめを待っていたのは、忘れられてしまったある真実だった。
スタッフ&キャスト
原作・脚本・監督:新海誠
声の出演:
原菜乃華、松村北斗
深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜、神木隆之介
松本白鸚
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
音楽:RADWIMPS、陣内一真
主題歌:「すずめ feat.十明」RADWIMPS
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
制作プロデュース:STORY inc.
公式サイト:https://suzume-tojimari-movie.jp/
公式Twitter:@suzume_tojimari