これで、縁ができたなーー『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』堂々完結! 壮大な"共生"の物語の結末をネタバレ解説! ファンに愛されたポイントや、物語のテーマも考察!
『ドンブラザーズ』はなぜ多くの人に支持された?
1年間視聴者を楽しませてきた『ドンブラザーズ』。素敵な最終回を迎えた後も、多くの感想コメントやファンアートがSNSに投稿され、中にはロス状態になっている方もいるようです。
本作が視聴者からこんなにも愛されたのは、どのような要因があるのでしょうか?
大人も子供も楽しめる幅の広さ
本作の人気の要因として、まずはその幅の広さがあげられます。
スーパー戦隊シリーズとしての戦闘シーンの工夫や、ロボのかっこよさ、面白さはもちろん、後述するような強烈なキャラクターたち、ストーリー、大人も子供も笑えるギャグなど、視聴すると誰もが元気になってしまう工夫がされていますよね!
先述した通り、最新話が放送されるとTwitterトレンド上位に入るほど多くの人が話題にしていますし、スーパー戦隊シリーズとしては初となる中国での放送も決定。
また、様々な要因によって減少傾向にあるおもちゃの売上ですが、本作のおもちゃ売上は近年では類を見ない数字となっており、子どもたちからも人気があることが伺えます。(筆者も食玩買ってますが……!)
生き生きと活躍するポップなキャラクターたち
本作に登場するキャラクターたちは、かなり個性的で非常にキャラが立っています。
ドンブラザーズのお供たちに関しても、盗作疑惑の売れっ子漫画家のはるか、四六時中俳句を考えているかつ、妄想でご飯を食べる猿原、濡れ衣で指名手配されていてずっと逃げているイケメン犬塚、ヒーロー側なのにも関わらず何度もヒトツ鬼になってしまう雉野など、彼らが登場して会話しているだけでもあっという間に30分経ってしまうほどです。
敵役のソノイ、ソノニ、ソノザも癖の強い存在ですし、彼らが言い争いをしたり、時には協力したり、人間への興味と責務の間で葛藤したり、ドラマも非常に面白い。
そんな彼らが、30分間ノンストップで画面を暴れまわるので見ていて飽きません。中にはキャラのガチ恋勢になってしまったファンの方も見受けられました。それほど魅力的なキャラクター揃いなんです!
🍑ドン!次のおはなし🍑
— 暴太郎戦隊ドンブラザーズ (@Donbro_toei) February 12, 2023
次回はドン49話
「さいごのおもいで」#桃井タロウ はこう言った🍑
「俺は幸せというものがわからない。だから人を幸せにして、幸せを学ぶ」
もうすぐ1年。
縁を重ねて #ドンブラザーズ
どんぶらこ、どんぶらこ🏞
辿り着いた、さいごの答えは?https://t.co/3TYcpEcrGE pic.twitter.com/mYg6ARmEQY
ちなみに筆者は、追加戦士ポジションである「桃谷ジロウ」が大好きです。ヒーローに憧れて田舎からやってくる青年で、空気が読めずその他メンバーから若干ウザがられているのですが、2重人格キャラの側面も。
誰よりも活躍したいという欲望が暴走し、「危ないジロウ」と言われる凶暴な人格が生まれます。彼の中の正義と、自分を満たしたい欲望がぶつかる様が人間臭くて共感できるんですよね。
みなさんも必ず好きなキャラクターが見つかるはずです。
井上敏樹さんらによる、楽しくて重厚な物語
本作はメインの脚本家として井上敏樹さんが起用されています。井上さんは特撮を中心に映画やアニメなど様々な作品で脚本を担当しており、多くのファンの方に愛されている脚本家です。
『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』など平成仮面ライダーシリーズの脚本でも注目されていた方で、筆者は直撃世代なので『ドンブラザーズ』に必然的にハマったのだなと納得。井上さん脚本の物語で育った方はきっと本作を好きになりますよね。
これまでの作品のようなミステリー要素やシリアスな設定、展開を用いながらも魅力的なキャラクターや、普遍的なテーマ、誰もが楽しくなるような明るい物語が紡がれています。
物語のテーマは「共生」?
本作を最終回まで視聴して、根底に強く感じたのは「みんなと、みんなで生きようよ!」という事です。
主人公のタロウは人と人との繋がりである「縁」を大切にしていますし、47話「ドンノーかいぎ」では、「ドンブラザーズに鬼(オニシスター)が含まれている事は、敵も味方もないというメッセージ」というセリフもありました。実際に、最後には対立していたソノイたちも仲間に加わっています。
登場するキャラクターたちほどではないですが、現実を生きる私達もいろんな個性や価値観、思いを持って生活していますよね。世の中にはいろんな人がいますが、それぞれが理解し合う、例え理解することができなくとも、出会った事を「縁」だと受け入れ、共に生きていく。
つまり、「共生」していくことが大切だよね?、と優しく語りかけるのが本作なのではないでしょうか。
🍑ドン!最後のおはなし🍑
— 暴太郎戦隊ドンブラザーズ (@Donbro_toei) February 19, 2023
ことーし、ことし
あるところに……
縁を大事にする
ハチャメチャな暴太郎たちがおったとさ。
次回
ドン最終話「えんができたな」🍑
泣いても笑っても
これが最後の #ドンブラザーズ DON!
さらば、全ての暴れ野郎たちーー。https://t.co/dKkZXYoozq pic.twitter.com/1szNbpC3FU
最後にタロウがお供に訊ねた事
最終回「えんができたな」の前半、タロウはドンブラザーズのお供たちのもとを回って、「ドンブラザーズに入って後悔してないかか?」と質問していきます。
対して、それぞれ「もっと人間を好きになった」、「いい勉強になった、理想の境地に手を伸ばしても届くことはない」、「人生良いことはないけれど、誰かを愛して誰かに愛されているもののために戦いたい」、「人を守るために戦った事が誇りであり、それが自分のためになる」と答えます。
最終回らしい本作でも屈指の名シーンですよね。お供たちの体験を通して視聴者も同じような思いを共有できた瞬間かと思います。放送終了後にも多くのファンの間で話題となっていましたし、筆者も凄く感動しました。
彼らが感じたドンブラザーズとしてのやりがいもそうですが、タロウの言う「縁」や強い力を持つ人の「欲望」、タロウや合体ロボがパワーアップして金色になる事など、筆者は裏のテーマとして「仏教的価値観」が含まれているのではないかな?と個人的に考察しています。
とはいえ、感じることは人それぞれ! 各々が好きな楽しみ方をするのが一番ですし、無限通りの楽しみ方ができるのが『ドンブラザーズ』という作品ですよね!
これからの「縁」も楽しみ!
放送終了となってしまった『ドンブラザーズ』ですが、Vシネクスト『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』が、2023年5月3日(水・祝)より期間限定上映が決定しています。
最終回のその後が描かれる必見の内容となっていて、楽しみですよね。これだけ多くのファンに愛された作品ですので、今後もいろんな展開がされるはず!
歴史に残る名作である『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』と私達の「縁」は、これからもずっと続いて行くことでしょう!
[文・タイラ]