「このアルバムでいろいろな私を感じてもらえたらいいですね」──アニソンシンガー・奥井雅美さんソロデビュー30周年! ベストアルバム『Mas“ami Okui”terpiece』発売記念インタビュー
このアルバムでいろいろな奥井雅美を感じてもらえたら。そして初めて聴いた時にはわからなかったこともわかるかも
――ご自身で3枚通して聴いてみた感想は?
奥井:いろいろやっていたなと(笑)。また曲を聴くとそれぞれ当時のことを思い出して。音楽と香りは体感した瞬間、その当時に戻れるといいますが、まさにそういう感じでした。
――奥井さんはカッコよく、凛々しく歌う印象がありましたが、さわやかさやせつなさ、かわいさなど、いろいろな引き出しを持ったシンガーであることを再確認できました。
奥井:JAMに入ってから強そうなイメージが浸透してしまいましたが(笑)、私はロックな人ではなく、歌謡曲やニューミュージック、バラードが好きなので。このアルバムでいろいろな私を感じてもらえたらいいですね。
――ジャケットは衣装がシックで、鮮明な赤も印象的ですね。ツイッターで今年は「赤」が勝負カラーだとつぶやかれていましたが……。
奥井:むしろここで赤い衣装を着たので、今年は赤でいこうかなと。あと白。ドレスっぽい衣装やこれまでランティスさんからリリースしたアルバムで着ていた衣装とはまったく違うものにしたくて。
大人っぽいけど、カッコいい、自然体になればいいなとみんなで相談した結果、こうなりました。スーツでちょっとバリバリのキャリアウーマンみたいですよね(笑)。
――奥井さんといえば、ワイルドで強めな印象があるので、こういう雰囲気もいいですね。
奥井:あとJAMでは黒ばかり着ているのもあって(笑)。白い衣装は中身や特典で見られるので、そちらもご覧になっていただけたら。
今回の制作チームは初めてのメンバーばかりで、女子が多いんですけど、ジャケットやブックレット、このアルバム名といい、ランティスの女子はセンスがいいなと思いました。決して男子がダサいという意味じゃないですからね(笑)。
私は人に任せるのが苦手で、細かいところにもこだわってしまう性格なので、何でも自分でやろうとしちゃうんですけど、今回はかなり皆さんにのっからせていただき、一生懸命甘えました。
もう大人ですし、根を詰めても病気になっちゃうので(笑)、いいバランスでやれたらいいなと改めて思いました。私の曲「birth」(『アキハバラ電脳組』OP曲)で「良いカゲンで行くのは決して悪いことじゃないよ」と歌っていますが、「良いカゲン」をつかめてきた気がします。
――他にこのアルバムの聴きどころを挙げるとすれば?
奥井:他にもいい曲がたくさんあるんですけどね(笑)。このアルバムには20代の頃から思っていたことや駆け抜けた30年が入っているし、初期から応援してくださっている方は同世代だったり、家庭を持っていたり、もう孫がいる人もいるかもしれないので、このアルバムをぜひお迎えしていただきたいです。
既に持っているという方も今回リマスタリングもしていますし、カバーも含めて一生懸命選んだ曲たちです。私たちシンガーは曲という形で、生きた証がたくさん残りますが、今回バラバラではなく、きれいに1つにまとめられたことも嬉しいです。
たまにファンの方に言われるのが当時学生でピンとこなかった歌詞も、その後社会人になったり、家庭を持ったことで「大人になってから刺さるようになりました」と。
それはとても嬉しいことで、私もたまに1stアルバムや2ndアルバムを聴くことがありますが、若かった頃の自分が歌詞として言っていることに励まされることも多くて。
あとアニソンを歌っている同業者の方にも聴いてほしいくらいなので、若いアニソンシンガーに配りまくろうかな?(笑) 「最近、奥井さんの曲聴いてないな」という方もJAMで知ってくれた方も聴いてもらえたらいいなと願っています。
アニソンシンガーは魂を残せてレジェンドになれる仕事
──お誕生日の前日となる3月12日に『奥井雅美 30th Anniversary Live 2023「EVE~一夜限りのBirth Live~」』が行われます。
奥井:ある時期から「Birth Live」は会場を押さえるところからすべて1人でやっていたので、毎年やるのが大変で数年前にやらないことにしました。その代わりにリリースがあったり、いい機会やタイミングがあればソロライブは開催しています。
だから『Birth Live』と銘打ったライブは2016年の『Masami Okui Birth Live 2016〜TURNING POINT〜』以来久しぶりです。会場もイスがある大人に優しいホールにしました(笑)。
今回サポートしてくれるメンバーさんも各時代にご一緒したり、お世話になった方が集まってくれました。ソロライブはリリースタイミングが多いので、どうしてもそのアルバム中心の選曲になりますが、デビュー時から最近まで網羅するライブはめったにないかも。
かなりおもしろいライブなると思いますし、JAMの私しか知らない方に特に来ていただきたいです。もちろん古くからの方もいつも来てくださる方も。この取材の時点では残席はわずかになっているので、もし売り切れていたらゴメンナサイ。公式サイトやツイッターなどでチェックしてみてください。
――他にお知らせや今後のご予定などございましたらご紹介お願いします。
奥井:まず私と福ちゃん(福山芳樹さん)が体調不良になって延期になってしまったJAMの愛知公演の振り替えが3月26にZepp Nagoyaで行われるのでそこに全力投球ですね。
あとはこのアルバムの発売記念のトーク&ミニライブイベントが4月30日、アニメイト池袋本店で行われますので、そちらも楽しみです。今は配信系のイベントも増えましたが、私はリアルに皆さんとお会いできるライブやイベントが好きなので、今後も機会があるといいなと期待しています。
――奥井さんは80歳まで現役シンガーとして歌い続けたいとおっしゃっていたので、30周年も通過点ですね。
奥井:まだまだですね。初期の頃、プロデューサーの矢吹俊郎さんが矢沢永吉さんを好きで、すごい先まで歌い続けるとおっしゃっていたので、それ以上の80歳までと言ってみようと思ったのがきっかけで。
80歳までこのジャンルを歌い続けられるのかはわからないけど、歌い続けていきたいので、のどを大切にしていますし、音楽には関わっていきたいです。まずは健康でいることが一番ですね。
――今度40周年、50周年の時は『奥井雅美全集』ですね。
奥井:私にとってのラストソングがいつになるのかわからないので、私があの世に行ってからでいいです(笑)。私たちの仕事は伝説になれるのがいいですね。私はアニキ(水木一郎さん)ほどの華はないけど、残せる仕事で良かったと心から思います。
アニキの魂と歌は永遠に残り続けるし、私も皆さんの心にいつまでも歌や魂を残せるシンガーになれたらいいなと思っているし、歌い続けます。これからもマイペースで。そして私の分身ともいえるこのアルバムをぜひお手元に置いていただけると嬉しいです。
奥井雅美『Mas“ami Okui”terpiece』
2023年3月8日発売
3Discs 7,700円(税込)
発売:バンダイナムコミュージックライブ
発売記念トーク&ミニライブ
2023年4月30日(日)東京・アニメイト池袋本店9F animate hall
17:45開場
参加応募券は全国アニメイト各店で3/7より、アニメイト通販では4/3 23:59までにご注文いただいたお客様に配布。
『奥井雅美 30th Anniversary Live 2023「EVE~一夜限りのBirth Live~」』
2023年3月12日(日)東京・日本橋三井ホール
16:15開場 17:00開演
VIP席 11,111円(税込・完売)
A席 8,888円(税込)
特設サイト
http://okuimasami.fireworks.tokyo/2023eve/
奥井雅美公式サイト
http://makusonia.com/