アニメ

2023-04-03 18:00

春アニメ『僕の心のヤバイやつ』連載インタビュー第1回：監督・赤城博昭さん｜「原作のストーリーに沿って、ふたりの距離感を大切に描きました」

田村ゆかりさんは「監督のオファー」

──市川京太郎役は堀江瞬さん、山田杏奈役は羊宮妃那さんが担当されています。おふたりにお願いした理由についても教えて下さい。

赤城：おふたりともオーディションでした。堀江さんは生々しい中学生感を押し出してきて。「彼も中学時代もしかしたら同じ側の人間だったのかな」「分かり合えるかも」と思うくらいの印象を受けました。桜井先生も「堀江さんが良いんじゃないか」とおっしゃられていましたね。

羊宮妃那さんは最近では珍しい声の持ち主で。演技にも緩急があって、バランスの感覚が巧いなと。それと原作も深く読み込まれていて。オーディションのときに、ペラにはなかった「ものを食べる」という演技をアドリブでお願いしたんです。皆さん普通に「もぐもぐもぐ」という中で、彼女だけが原作にあるポテトチップスを食べるシーンも見事にやってくれました。それが決め手となりましたね。

──最近珍しい声というのは、具体的に言うとどういうところなんでしょうか？

赤城：あの声の質感というのでしょうか。緩急が加わり、キャラクターの芝居を盛り上げてくれるのが良いなと。

──実際にアフレコを見ておふたりの掛け合いの感触はどうですか？

赤城：本当に面白くて笑わせていただいています。また、「オッケーです」とこちらが言っても、そのあとに「あの」と声をかけられることがあります。出し切れていないのか、それとももっと上を狙えるのか「まだやれる！」ということがあって。とても熱心に向き合ってくださっています。おふたりともここぞってところに持っていくお芝居をするし、堀江さんの演技によって市川はただのダメ男にもならない。やはりとても上手です。

──以前桜井先生にインタビューした際に市川姉がお気に入りとおっしゃっていました。市川姉・市川香菜を担当されるのは田村ゆかりさんですよね。

同席していたプロデューサー：監督のキャスティングだったんですよ。監督から「田村さんにお願いしたい」と。

赤城：はい（笑）。市川の声、お芝居を見て「市川家は血が濃い系統だ、だとすると！」それで田村さんにお願いできればと思っていました。第一声を聞いたときに、「これだーー！」とガッツポーズでした。お芝居の圧がすごい（笑）。さすがでした。

声なきセリフを大切に

──ところで監督によって進め方や大切にしていることは異なると思うのですが、赤城監督の場合は、どのようなやり方で進め、また、どのような部分に重きを置かれているのでしょうか。

赤城：僕の場合は毎回「自分がやりたいことはこういうことです」「こういう表現が好きです、嫌いです」と各担当の方に伝えた上で制作をしています。それと、声なきセリフを大切にしています。

──さきほども、絵づくりでのお話で“声なき声”というところを大切にしてるといったお話がありました。それは言葉と言葉の“間”も関係しているのでしょうか。

赤城：そうですね。行間と言いますか。そういったところを大事にしています。それと僕は、物語の入り口と出口を大事にしているんです。物語に入ったときと、終わったときで人の感情が変わってたらいいなぁと思っています。1話分の物語に関しても、物語のはじまりからラストまでに関してもそうなんですけども。

──それは市川くんと山田さんといった登場人物に対しても、視聴者に対してもということでしょうか。

赤城：そうですね。

──とても良いお話をうかがったあとに恐縮なのですが、今回の連載インタビューでは皆さんに、自身の思う“僕の心のヤバイところ”を1つ教えてもらおうと思っているのですが。

赤城：大丈夫ですよ（笑）。そうですね……星空を見るとUFOを呼びたくなるところでしょうか。

──星空を見ると、UFOを……ですか！？

赤城：はい（笑）。つい「UFO来ないかなぁ〜」って探してしまいます。実は何回か見たことがあるんですよ。こういうこと言うと本気でヤバイやつだと思われるかもしれませんけど（笑）。中にはニュースになっていたものもあります。ずっと昔なんですけど、ある日、北のほうを見ていたら月のようなものがあって、「でも北に月は見えないしなあ」と思って見ていたら一気に渦巻いて消えるという出来事がありました。そしたら、その後テレビや新聞で「練馬区上空で……」とその時の出来事が紹介されていたんです。ああ、みんな見てたんだなと。

──すごい……！　プライベートなことまで教えていただきありがとうございます。では最後に第2話以降の見どころについても教えて下さい。

赤城：2話はより良い話に仕上がっています。僕の大好きなお話です。で、このあとのお話にはランダムでCパートが登場するので、エンディング後まで楽しんでほしいです。

［インタビュー＆文・逆井マリ］

『僕の心のヤバイやつ』インタビュー連載バックナンバー

遠藤一樹（プロデューサー）×髙橋圭太&福田裕子（原作編集）

遠藤一樹（プロデューサー）×櫻井洋介（アニメーションプロデューサー）

堀江瞬（市川京太郎役）✕羊宮妃那（山田杏奈役）

桜井のりお（原作）

パッケージ情報

僕の心のヤバイやつ Blu-ray

【発売日】
第1巻：2023年6月30日(金)
第2巻：2023年7月28日(金)
第3巻：2023年8月25日(金)

【収録話数】
第1巻：第1話～第4話

第2巻：第5話～第8話
第3巻：第9話～第12話

【収録・特典内容】
初回仕様：スリーブ＆デジパック仕様
映像特典：ノンテロップオープニング・ノンテロップエンディング　※Blu-ray第1巻のみ収録
音声特典：オーディオコメンタリー（市川京太郎役：堀江瞬、山田杏奈役：羊宮妃那）
☆原作「桜井のりお」描き下ろしページを含むスペシャルブックレット付

【店舗共通特典】
■第1巻早期予約特典：描き下ろしイラスト使用「山田ともぐもぐ」A3クリアポスター
■第1巻購入特典：B2ポスター
★対象店舗：
アニメイト・Amazon.co.jp・楽天ブックス・ゲーマーズ・HMV・セブンネットショッピング

▲早期予約特典：A3クリアポスター

【店舗別オリジナル特典】
■アニメイト
＜各巻有償購入特典＞描き下ろしミニキャライラスト使用アクリルスタンド＆56mm缶バッジ
＜全巻購入特典＞描き下ろしイラスト使用B2タペストリー＆56mm缶バッジ２個セット
＜各巻購入特典＞マイクロファイバーコースター
＜通販限定各巻購入特典＞L判ブロマイド
＜第1巻購入特典＞ステッカー

TVアニメ『僕の心のヤバイやつ』作品情報

放送情報

4月1日(土)よりTVアニメ放送開始!!
【テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠】4月1日より毎週土曜深夜1時30分～
【BS朝日】4月8日より毎週土曜深夜1時00分～
【CSテレ朝チャンネル1】4月1日より毎週土曜深夜2時30分～

配信情報

4月1日より毎週土曜深夜2時00分～PrimeVideoにて見放題独占配信!!

※放送・配信日時は予告なく変更になる場合がございます

イントロダクション

“尊死“続出で大反響！今一番応援したくなる、青春初恋ラブコメ!!

コミックス累計発行部数は300万部を突破。

「このマンガがすごい！オトコ編」に2年連続ランクイン、「次にくるマンガ大賞 2020 Web マンガ部門」では1位を獲得し、注目を集めている『僕の心のヤバイやつ』。

大人にも刺さる甘く切ないストーリーながら、くすりと笑える展開に中毒者が続出し大きな話題を呼んでいる。

そしてついに、2023年4月にTVアニメが放送決定。

監督を務めるのは叙情的な演出に定評のある赤城博昭（『からかい上手の高木さん』）。シリーズ構成・脚本は細やかな人物描写を得意とする花田十輝（『ラブライブ！』『響け！ユーフォニアム』）、キャラクターデザインは勝又聖人（『五等分の花嫁∬』）、音楽は牛尾憲輔（『映画「聲の形」』『チェンソーマン』）が担当。アニメーション制作は色彩の美しさに定評のあるシンエイ動画が務める。

さらに市川京太郎役に堀江瞬、山田杏奈役に羊宮妃那を迎え、市川と山田が織り成す初恋模様をリアルに表現。

原作の紡ぐ世界観、そしてもどかしいほどゆっくりと近づいていくふたりの心を丁寧に描いていく。

ストーリー

市川京太郎は殺人にまつわる猟奇本を愛読する、重度の中二病男子。

同じクラスの美少女・山田杏奈をチラチラと見ては、ヤバめな妄想を繰り返していた。

そんなある日、山田が市川の聖域・図書室にやってくる。

一人だと思い込み、大口でおにぎりを頬張ったり、機嫌よく鼻歌を歌ったりと、思うままに振る舞う山田。

予測不能な行動を繰り出す姿に、市川は徐々に目が離せなくなっていき……。

スタッフ

原作：桜井のりお（秋田書店「マンガクロス」連載）
監督：赤城博昭
シリーズ構成・脚本：花田十輝
キャラクターデザイン：勝又聖人
色彩設計：柳澤久美子
美術監督：黛昌樹
撮影監督：峰岸健太郎竹沢裕一
編集：肥田文
音響監督：小沼則義
音響制作：マジックカプセル
音楽：牛尾憲輔
制作：シンエイ動画
オープニングテーマ：ヨルシカ「斜陽」
エンディングテーマ：こはならむ「数センチメンタル」