カワイイは最強! 人類の特権! “カワイイ”に宇宙人が侵略されてしまう『カワイスギクライシス』声優インタビュー│花守ゆみりさん、藤原夏海さん、小笠原仁さん、会沢紗弥さんが奥深い魅力を語り尽くす【前編】
2023年4月7日(金)よりTVアニメ放送の『カワイスギクライシス』は、城戸みつる先生が『ジャンプSQ.』、『少年ジャンプ+(プラス)』にて連載中のマンガを原作とするSFコメディ。宇宙の帝国『アザトス』から地球の調査にやってきた主人公・リザが、地球上の猫や犬をはじめとした“カワイスギ”る動物たちに翻弄される姿に多くの共感が寄せられている話題作だ。
第1話では猫をはじめとする地球の“カワイスギ”る動物に触れてしまったことで、“地球を侵略”していくはずの宇宙人・リザが、逆にかわいさに侵略されていく様子をユニークに描いている。
本作の放送を記念して、リザ・ルーナ役・花守ゆみりさん、よぞら役・藤原夏海さん、向井誠二役・小笠原仁さん、矢薙華澄役・会沢紗弥さんの座談会を公開! 期待度を高めつつ、放送を待っていてほしいニャン……!
「カワイイ!」と悶える宇宙人と人間を見る30分間のアニメ
──花守さんには『トロピカル〜ジュ!プリキュア』でも取材をさせてもらっていたのですが、その時は自分のカワイイを信じて力にするさんごちゃんだったのが、今度はカワイイにもだえるリザ・ルーナ役。
リザ・ルーナ役・花守ゆみりさん(以下、花守):はい、カワイイに狂ってしまった役を演じることになりました!(笑)
よぞら役・藤原夏海さん(以下、藤原):カワイイつながりですね!
花守:そしてこちらが、そのリザが愛でている“カワイイ”です。
藤原:はい(笑)。リザのことが大好きなよぞらを演じています。
──冒頭から相思相愛っぷりが伝わってきて倒れそうです……!(笑) まずは皆さんの『カワイスギクライシス』のご印象からお伺いさせてください。
花守:カワイイは最強なんだなと(笑)。タイトルからして「これってどういう話なんだろう?」と考えると思うんですよ。“クライシス”って言葉があるし、主人公は宇宙人だしで、「もしかしたら侵略されてしまうのかな?」とも。
でもまさか、その“カワイイ”に宇宙人が侵略されてしまう側とは、誰も思っていなかっただろうなと。タイトルから入っていただいたら「私たちはこの30分、猫を見せられていたのかな?」と思うかもしれません。ただただ「カワイイ!」と悶ている宇宙人と人間を見る30分間です。
向井誠二役・小笠原仁さん(以下、小笠原):間違いない!(笑)
花守:「カワイイを愛でている人たちが楽しいな」と思ってもらえる作品じゃないかなと思います。
藤原:平和な作品だなと感じています。よぞらを演じさせていただく身ではありますが、原作を読ませていただいたときに、一コマ一コマに映るよぞらがかわいくて悶絶しました。また、話のテンポも良いのでどんどん読み進めていって。1巻の最後のあたりに、先生が「カワイスギクライシス」を作ったきっかけを書かれていました。それが「動物をまったく知らない人たちが猫を見たらどんなことになるんだろう?」といったことを書いていらっしゃって。それを受けて「この世界の動物の概念を私も消して、リザたちの立場になってみたいな」という思いを感じながら作品を読ませていただきました。だからとにかく楽しいです、すごく。
──藤原さんはリザ視点で物語を読み進めていったんですね。
藤原:ですね! 気持ちはめちゃくちゃリザでした。「カワイイー! 分かるー!」って(笑)。でもリアルの自分自身はどちらかというと、ラスタくん寄りで猫アレルギーなんです(リザの後輩の宇宙人で動物アレルギー)。だからラスタくんとリザをかけ合わせた立場で、共感できるところもありました。
──会沢さんはどうでしたか?
矢薙華澄役・会沢紗弥さん:猫って、犬って、こんなに可愛ったっけ? 地球って素晴らしい!って。
花守:スケールが大きい!
小笠原:「大地讃頌」みたい(笑)。
会沢:可愛くて当たり前というところがあったので、改めて見返すと「猫・犬ってこんなに可愛いんだな」と気づかせてくれる作品でした。私自身は犬・猫を飼ったことはありませんが、飼ったことがない人でも思わず「飼いたい!」と思わせてくれるような、そんな魅力があるなって。ペットを飼うにあたっての印象的なセリフも多くて、動物を勉強する作品でもあるのかなと思いました。
小笠原:たしかに。
花守:小ネタが多いもんね。
会沢:そうなんですよね、学べることが多い印象です。ペットを飼っている方も、飼っていない方もぜひ読んでほしいです。
──会沢さんは以前、亀を飼われていたんですよね。初めて動物を飼う“飼い主あるある”的な部分も含まれているので、初心者の方にもおすすめですね。例えば猫と仲良くなる秘訣とか……。
小笠原:それはおやつをあげる、の一択ですね(笑)。
会沢:あとは“静かにする”。
花守:大事!
──大事ですね(笑)。小笠原さんも猫を飼われているんですよね。
小笠原:そうです(笑)。だから僕の場合は「わかるーーーーーーー!」。
花守&藤原&会沢:ながっ!
小笠原:もうずっと「わかるーーーー!」と思いながら読んでいました(笑)。でもやはり、この作品はやはり“業”がポイントですよ。人類を滅ぼすのは人類自身だ、ということを感じる物語はたくさんあります。例えば環境破壊だったり、悲しさだったり。
でも“カワイイ”という感情は、人類しか持ち得ないものでして。他の哺乳類も“愛しい”とは思うかもしれませんが“カワイイ”でね、あんなにも心を動かされるというのは、人類の特権なわけでございます。その“カワイイ”という気持ちに、リザをはじめとした宇宙の帝国「アザトス」の人たちは、心臓が破裂してしまい、死んじまうよ!と。まさに人類の業!
花守:……もしかして宇宙人ですか……?
小笠原:御託を並べるだけしか脳のない地球人です(笑)。つまり『カワイスギクライシス』は、カワイイという感情を知ってしまったがゆえに身を滅ぼしていく業の話ですね。
──まさか“カワイイ”が人の業まで辿り着くとは……壮大なスケールの捉え方ですね……!
花守:戸惑わせている(笑)。
小笠原:一言で言うとすれば「最高のコメディ漫画です!」(笑)。
──(笑)。でも私自身も猫を飼っているので、小笠原さんのように「わかるうううーーー!」となっていました。