春アニメ『贄姫と獣の王』花澤香菜さん×貫井柚佳さん×藤原夏海さんインタビュー前編|“人外×少女”の異種ロマンスだからこそ現代人に響く! 心に優しく問いかけてくれる作品の魅力を声優陣が熱弁!
2015年から2020年まで「花とゆめ」で連載されていた、友藤結先生による漫画『贄姫と獣の王』。累計発行部数230万部を超える大人気の“人外×少女”の異種ロマンス作品が、ついにTVアニメ化され、2023年4月19日(水)24:00よりTOKYO MX、BS11にて放送開始!
本作は、異形の眷属の王・レオンハートに生贄として捧げられた少女・サリフィが、王の真実を知り、妃として迎えられるという物語。種族の違いから起きる争いや差別、キャラクターたちの過去や内面が繊細に描写されており、見る人の心に響く作品となっています。
アニメイトタイムズは、サリフィ役の花澤香菜さん、彼女の世話係の魔族・キュク役の貫井柚佳さんと、ロプス役の藤原夏海さんへ、先行上映会後にインタビューを実施!
前編では、アフレコ現場の様子や作品の印象を伺い、連載当初からの原作ファンである貫井さんには本作の見どころを特に熱く語っていただきました。
動物から神様まで、人外キャラクターのモチーフにも注目!
ーー先行上映会、お疲れ様でした。
一同:ありがとうございます。
ロプス役・藤原夏海さん(以下、藤原):実は今日、初めて完成したアニメを見たんですよ。
ーー第1話(「生贄と供犠の夜」)放送前なので、完成したアニメを見た映像面の感想を教えてください。
サリフィ役・花澤香菜さん(以下、花澤):アニメーターの方の多くはいつも人間を描いているはずなので、獣を描くのは大変だろうなと思いました。
キュク役・貫井柚佳さん(以下、貫井):種族によって見目形が全然違いますしね。
花澤:色々な種族が登場するので見応えがありますよね。
藤原:私たちも初めて見る属性の子たちがいました。
貫井:モチーフが動物だけじゃないのも魅力だと思います。キュクとロプスの一つ目設定はギリシャ神話に出てくる「キュクロープス(鍛冶技術を持つ単眼の巨人・下級神)」が元になっているんですよ。
ーーアヌビス(CV:寺島拓篤)のデザインも、古代エジプトの死者の神がモチーフですもんね。
藤原:そうそう、ヨルムンガンド(CV:小林 親弘)の名前も北欧神話からのモチーフです。
花澤:あとは、動くサリフィがとってもかわいかったです! 透き通っている感じがあって。
貫井・藤原:(目を輝かせながら)かわいかった〜!
藤原:まさに「純白」という言葉がピッタリですよね。今日の衣装も……。
花澤:そうなんです(照)。
貫井・藤原:素敵です!
ーーサリフィらしさが感じられるなと思っていました! 裾やイヤリングのブルーがとってもかわいらしいです。
花澤:サリフィの瞳がブルーなので合わせました!
現代人の心にも通じる、争いや差別に向き合う物語の魅力を貫井さんが熱弁!
ーー「“人外×少女”の異種ロマンス」がテーマの本作ですが、原作漫画や台本をご覧になった感想をお聞かせください。
花澤:オーディションを受ける時に原作を読みましたが、読む手が止まらないくらい面白くて! ファンタジー作品ですが、種族の違いから起きる争いや差別は、現代に通じる社会問題がたくさん散りばめられています。そんな心の問題を優しく考えさせてくれる作品だなと思いました。
貫井:私は漫画を連載当初から読んでいました!生贄が送られる国の物語ということで、初めは衝撃を受けましたが、一方で「おーさま肉球ぷにぷに~」と怖がらないサリフィの反応に「どうなるんだろう?」とすごく引き込まれたのを覚えています。一見怖い人に見えても、言動の理由や意味を知ることで、見えてくるものがまた違ってきたり…心の奥底に響く物語だなと思います。私たちの世界にもある問題について考えさせられますし、当たり前だけどみんな同じ“心”を持っているんだと言うことに改めて気付かされます。
あとは、サリフィの周りが賑やかになったり、王様にときめいたり、癒されながらも心に沁みるお話でもあって。アニメ化されると知った時は、テンションがワッと上がって、嬉しい気持ちでいっぱいでした!
ーー貫井さんの原作愛が伝わります。
藤原:アフレコ初回から、熱い愛を友藤先生に伝えていたよね。
貫井:はい、出演できて夢のようです。本当にありがたいです!
ーー藤原さんはいかがですか?
藤原:世界観はシリアスめで、サリフィに影響を受けて、世界が解れていくようなお話に感じました。読んでいると「なんでこんなに素敵な言葉が出てくるんだろう?」と思うんですよ。また、キャラクターが抱えている問題の背景も繊細に描かれていて、話が進むと納得できますし、悪者ポジションであっても事の重大さを考えさせられるんです。
ーー「差別が差別を生む」世界に心が苦しくなりますよね……。
花澤:でも、王様はそんな世の中を変えようとしてくれているんです。あと、サリフィの台詞が全部良いんですよ!
ーー(皆さんも頷きながら)わかります!
藤原:王様とサリフィには何度心を動かされたことか。
花澤:なにひとつ欠けてはダメなくらい、全部良いんです! 友藤先生の絵と共に描かれている素敵な言葉が、フッと心に入ってきて。
その言葉を声に出した時に、安っぽくならないようにしたかったんです。なので、オーディションの時から「声に出したら軽くなってしまう……。どうしたら良いんだろう?」とたくさん考えました。