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春アニメ『スキップとローファー』声優・江越彬紀インタビュー【連載第2回】

志摩くんを演じることは、そぎ落としていくこと│春アニメ『スキップとローファー』志摩聡介役・江越彬紀さんインタビュー【リレー連載:第2回】

4月より、TVアニメ『スキップとローファー』の放送がスタートしました。駅で迷子になっていたみつみを助けてくれた、都会的でスマートなイケメン・志摩聡介。みつみだけでなく、ミカや誠の心にもそっと寄り添い、さりげなくフォローしてくれます。誰にでも優しくて、誰からも好かれる志摩くんですが、彼自身はつかみどころがなく……? 彼とみつみが出会ったことで二人に起こる変化にも注目です。

十人十色、だけど、きっとあなたとの共通点が見つかる、魅力的なキャラクターたちを深掘りするべく、アニメイトタイムズではキャスト陣のリレー連載をお届け! 第2回は志摩聡介役の江越彬紀さんです! キャスト陣から「志摩くんそのもの」と言われる江越さんに、志摩聡介と向きあう難しさをお訊きしました。

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スキップとローファー
地方の小さな中学校から、東京の高偏差値高校に首席入学した岩倉美津未。カンペキな生涯設計を胸に、ひとり上京してきた田舎の神童は、勉強はできるけれど距離感が独特でちょっとズレてる。だから失敗することもあるけれど、その天然っぷりにクラスメイトたちはやわらかに感化されて、十人十色の個性はいつしか重なっていく。知り合って、だんだんわかって、気づけば互いに通じ合う。だれもが経験する心のもやもや、チリチリした気持ち。わかりあえるきっかけをくれるのは、かけがえのない友達。ときどき不協和音スレスレ、だけどいつのまにかハッピーなスクールライフ・コメディ!作品名スキップとローファー放送形態TVアニメスケジュール2023年4月4日(火)〜2023年6月20日(火)TOKYOMXほか話数全12話キャスト岩倉美津未:黒沢ともよ志摩聡介:江越彬紀江頭ミカ:寺崎裕香村重結月:内田真礼久留米誠:潘めぐみナオ:斎賀みつき迎井司:田中光山田健斗:村瀬歩兼近鳴海:木村良平高嶺十貴子:津田美波スタッフ原作:高松美咲(講談社「月刊アフタヌーン」連載)監督・シリーズ構成:出合小都美副監督:阿部ゆり子キャラクターデザイン・総作画監督:梅下麻奈未総作画監督:井川麗奈プロップ設定:...

志摩くんの余裕は諦めと自己防衛

――初めて本作に触れたときの印象をお聞かせください。

江越彬紀さん(以下、江越):1巻目を読んだときはポップで爽やかで優しいお話だなという印象を受けました。ですが、読み進めていくうちに段々、志摩くんやナオちゃんやそのほかのキャラクターの内面が掘り下げられていって、これは人間を描く漫画なんだっていう印象に変わっていきました。

――そのとき、志摩はどんな子だと思われましたか? 

江越:すごく理想的な高校生。格好よくてスマートで、大人っぽい部分があるかと思えば、高校生っぽい部分もあって、誰からも好かれている。自分もこんな高校生になって学生時代を過ごしたかったって思いました。

――演じてみて印象は変わりましたか?

江越:彼はすごく際どいところで生きている人なんだと思うようになりました。志摩くんの中では人生はまるで綱渡りで、踏み外したら穴に落ちてしまう。ふいにどこかへ行ってしまいそうな危うさがあります。第1話の冒頭、みんなが入学式に向けて準備を整えている中、彼だけ寝ていて携帯の画面が光っている場面が映ります。この一連の流れが、彼の置かれている状況を表していると思います。

――その危うさが人を惹きつけるのかもしれませんね。

江越:一方のみつみちゃんはすごく健やかに育ってきた。彼女と志摩くんは真逆のところにいて、その二人が出会ったことにより、彼が子どもの頃に置き去りにしてきた幼さや、成長してなかった部分が引っ張り出されてくる。志摩くんは、今、すごく大切な、必要な時間を過ごしていると感じています。

――役作りで気を付けられたことは?

江越:僕はいつも演じる際、その登場人物の生い立ちを原作から丁寧に拾って内面を埋めていくんです。ですが、今回は声を当てるのではなく、志摩くん自身が喋っているようにしたいと思い、一度、掘り下げた上で現場ではそれを全部そぎ落とし、脱力するよう心がけました。志摩くんは自己肯定感がとても低いので、普段から自分を消して生きていると思うんです。だから僕も表現を乗せるのではなく、引き算したほうがシンクロできると考えました。

――みつみ役の黒沢ともよさんが、「江越さんは志摩くんそのまま」とおっしゃってて、どういうことなんだろうと思っていたのですが納得しました。

江越:そんなこと言ってたんだ(笑)。ありがたいです。僕自身、初めての準主役が志摩くんだったのはとても幸せなことだと思っています。でも、ほかの方もそうですよ。みつみたち仲よし四人組はもちろん、迎井役の田中(光)くんも山田役の村瀬(歩)くんも、現場に迎井っぽく、山田っぽく座ってますからね。初めて現場に入った瞬間、「あ、この役じゃん」ってすぐに分かりました(笑)。

――情報をそぎ落としたとのことですが、そうはいっても学校一のイケメンです。格好よさを出すためにされたことは?

江越:逆にイケメンっぽくやらないことかな。格好いいのは見て分かるから、そこに更に格好つけた声を乗せない。そうすることでちょっとした隙や余裕のようなものが生まれるんです。

ただ、ここは決めたいってところは、意識して格好よくしました。例えば、第1話の「大丈夫ですか?」って声を掛けるシーンは、そのあとの「なんだ、迷子?」っていうセリフとのギャップも意識して、わざと王子様的に。あとは、自己紹介のシーンもそうですね。志摩くんはずっと無意識に“志摩聡介”を演じてきたと思うんですが、お茶目なシーンは彼も意識して演出してると思うんです。なので、そこは意識的に演じてみました。

――志摩くんの余裕はどこから来ていると思われますか?

江越:諦めと自己防衛だと思います。諦めは自分に対しての諦め、求めても仕方がないという周囲への諦め。自己防衛は、誰かに受け入れられたいと思ったのに叶わなかったら二度と立ち直れなくなってしまうから、先回りして自分を守っている。ところが、みつみ相手だとそれが取っ払われてしまって、普段だったら見えていることが見えなくなったり、幼くなっちゃったりするんですね。みつみちゃん、結構なスピードで懐にグインって入ってきますから(笑)。

(C)高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会
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