この記事をかいた人
- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
――本渡さんと富田さんからみて、恋太郎はどんな人物ですか?
本渡:優しい! 実際に私が知り合ったらリアルな視点で考えると「優しすぎるて!」って思うはずなんです。こんなに優しくしたら周りは甘えてしまうだろうから「もっと考えな!」って言う気がするんですけど(笑)、純粋にこの作品の主人公としては、めちゃめちゃ優しくて完璧な人だなって思います。
でも恋太郎って例え方がちょっと不思議なんですよ。あるシーンで羽香里と唐音のことを「蝉みたいだ」って言ったりするんです! そこは、「え?恋太郎?」ってなりました(笑)。
加藤:まず女の子2人を蝉に例えることがおかしいし、寄ってこられた自分のことを電信柱に例えたのもおかしいと(笑)。
本渡:できれば木とか花であってほしかった(笑)。でも、思考回路がちょっと不思議だけど、太眉で見た目もかわいいし、憎めない人だなって思いました。羽香里役としても、恋太郎くんのことは傷つけたくないし、幸せにしたいなって思わせてくれる人だと思います。
富田:えーでちゃん(本渡さん)と同じく、私も恋太郎のことはかわいいなって思いますし、すごく一生懸命で、ちゃんと男気を見せるときは見せてくれるんです。それもカッコつけている感じではなく、素直に彼女たちのことを思ってした行動が、女の子たちからすると、キュン!ってくるみたいなことがあるので、飾ってなくていいなと思いました。そこにヒロインたちもときめくんだろうなって思います。
――加藤さんは恋太郎との共通点はありますか?
加藤:恋太郎は周りの男子からも好かれているんですよ。誰にでも気さくで、運動も勉強もできるし努力もできる。だから、もともとコミュニケーション能力は高いんですよね。そこが全然僕と似ていなくて……。
本渡:そうだね~(笑)。
富田:とは言うけど、似てるよ?
本渡:え、似てる?? どのへんが?
富田:一生懸命なところとか! 恋太郎ってすごく大変な役なんです。前のカットで泣いていたのに、次のカットではキリッとした表情をしていたり、1カット毎に全然違うんですね。
オーディションのときに、全キャラ分のセリフを見たときから思っているんですけど、恋太郎が一番ハイカロリーで大変そうだなと思うんです。でもアフレコ現場で加藤さんは、どんなに音響監督さんからのディレクションがあっても、「やります! 頑張ります!」みたいな感じで。
加藤:そんな風に見えてました? 良かった。
富田:その一生懸命さが、似ているなって思いました。
本渡:頑張ってたもんね。
加藤:へこたれているように見えてなかったのなら、良かったです(笑)。
――第1話はキャラクターの方向性や軸を監督たちスタッフも含めて決めていくところですし、そんな中で恋太郎を演じるのは、相当大変ですよね。
本渡:すごかったです。
加藤:お二人が言うように、恋太郎ってビジュアル的にかわいげがあるから、激しく突っ込むところでも、そういったかわいい系の要素を出さなければいけないのかなって思ってたんです。
だからテスト(本番前の実演)のときは、あまり強くなりすぎないようにと間引いて間引いて、どのへんを狙えばいいのか考えすぎて、遠慮してしまったところが結構あったんですね。本番前にディレクションをいただいて、もっと勢いと熱量を持ってやっていいと言われました。だから今は、見た目がかわいいとかは考えないで全力で突っ込んでます。
――アニメの場合は、絵と声が合わさって初めてキャラクターが完成するので、その完成形を明確にわかっているのは監督だから、そこが難しいですよね。
加藤:そうですね。だから完成形に導いてもらっているような感覚でした。あと、僕が恋太郎の演技についてどうしたらいいんだって迷っているとき、僕の両隣りで演じていたお2人の羽香里と唐音が、僕の中では完成しているように聞こえたんです。そのおかげで、僕もこの世界に入っていかなければ!という気持ちになれたので、とても助かりました。
本渡:嬉しい。
富田:ありがたい。
本渡:一緒に録れて嬉しいっす!
加藤:僕も一緒に録れて嬉しかったです!
――前回、富田さんが「枇杷膏(ピーパーガオ)」を渡したエピソードもありましたが、叫ぶシーンについてはいかがですか?
加藤:叫ぶところもいろんな叫び方を試していて、どうしたらこのシーンに適した面白さにできるのかはいつも考えて演じています。もちろん、やりすぎても冷めてしまうし、そのバランスは考えながらですけど。絶叫したり、きれいなハイトーンで叫んだり、落差が激しかったので、喉を気遣っていただいて。
――その振れ幅の中でも、恋太郎を演じるときに軸にしていることはあるのでしょうか?
加藤:ラブコメなので、サービスシーンみたいなのもあるんですけど、恋太郎本人には下心とかが一切なく、ただただ照れて恥ずかしがって、そういう気持ちは一切ないという態度を取るんです。僕はそこがすごく好きで、むしろ品がある感じがしたので、そういったところは演じる上でもすごく大切にしたいと思っています。
僕が原作を読んだときにそんな恋太郎が好きだと思ったので、アニメを見ていただく方にも、「内心どうせ下心があるんだろうなー」と思われないように、大事に演じています。
――最後に、恋太郎役としてメッセージをお願いします。
加藤:人に対して真剣になれるってすごいし、人を好きになれるのも才能だと思うんです。好きになることとか愛することって難しいことだなって思う中、羽香里と唐音以外にもたくさんの個性的な女の子が登場してくる。その子たちのいいところを見つけて平等に全力で愛せるところは尊敬できますし、いろんな人と分け隔てなくコミュニケーションを取れるところは羨ましいです。どうして恋太郎みたいに自分がなれなかったんだろうとか、僕のような人間が声を当てて大丈夫なんだろうかとか思ったりもしますけど…。
本渡:ネガティブ思考始まったな……(笑)。
加藤:でも!僕の心のこじれた部分が透けて出てしまわないように、これからも恋太郎の誠実さが伝わるように演じていけたらと思っているので、よろしくお願いします!
[文&写真・塚越淳一]
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ
[あらすじ]
中学で失恋100回を達成した愛城恋太郎は、高校でこそ彼女を!と願い訪れた神社で、現れた恋の神様から「高校で出会う運命の人は100人いる」と告げられる。
しかし神様いわく、運命の人と出会った人間は、その相手と愛し合って幸せになれなければ死んでしまうという……。
次々に待ち受ける運命の人との出会いーーどうする恋太郎? どうなる100人の彼女!?
[放送情報]
2023年TVアニメ放送予定
[STAFF]
原作:中村力斗・野澤ゆき子(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:佐藤 光
シリーズ構成:あおしまたかし
キャラクターデザイン:矢野 茜
アニメーション制作:バイブリーアニメーションスタジオ
[CAST]
愛城恋太郎:加藤 渉
花園羽香里:本渡 楓
院田唐音:富田美憂
[公式サイト・公式SNS]
公式サイト
公式Twitter(@hyakkano_anime)
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