春アニメ『江戸前エルフ』エルダ役・小清水亜美さんインタビュー|“オタクエルフ”特有の身体性を意識しながら演じています
小糸がいてくれるおかげでエルダがエルダらしくいられる
――尾崎さんは、連載第1回のインタビューで小清水さんが収録現場を引っ張ってくれたとおっしゃっていましたよ。
小清水:そう言っていただけると嬉しいです! でも、エルダがいいバランスになったのは尾崎さんのおかげでもあるんです。エルダって急に前向きになったり後ろ向きになったりと、わりといびつな進み方をするじゃないですか(笑)。ともすれば独りよがりでイヤな感じにも見えてしまうんですが、そう見えなかったのは尾崎さんの明るくてポジティブなお芝居の力のおかげだったのかなと。
小糸がいてくれるおかげでエルダがエルダらしくいられるというか、全体としていいバランスになったんだなと思います。本当は先輩として皆さんを引っ張る立場なんですが、実は胸を借りてやらせていただいていました。
――確かに、エルダと小糸はいいバランスの2人ですよね。
小清水:小糸はエルダを引っ張ってくれることもあれば、いいツッコミ役になってくれることもある、エルダにとってなくてはならない存在です。その一方で、第3話の「おとりよせ様」みたいに一緒におとりよせを食べたり、追加で注文したりと、時に寄り添ってくれることもあるのがすごくよくて。本来だったら「また勝手に注文して!」って怒られてもおかしくないんですが(笑)。一緒に楽しいことを共有してくれる身近で気楽な存在という関係性がいいなと思いましたし、とても温かい気持ちになりました。
――小清水さんからご覧になった小糸の魅力はどんなところですか?
小清水:とにもかくにもめげないところ。とりあえずやってみようの精神で行動ができて、今の自分と理想がうまく合致しなくてもけっして落ち込まずに、「大人になるんだ!」といって前へ進み続けられるんです。その芯の強さと明るさが魅力的だなと思います。
そこに高麗ちゃんが入ってくることで、また小糸のよさが際立つのが面白いんですよね。高麗ちゃんは遠慮なくズバッとした物言いをするんですが、小糸はそこで別に傷つくわけでもなく、「だよね、でも……!」と受け入れつつ前向きに切り替えられるんです。2人のやりとりを見ていると元気がもらえますし、前向きになれます。
かといって、がさつなわけではなく繊細な心もあって他人を慮れる部分を持ち合わせているという、本当にすごい子です。
――神事もしっかりやっていますしね。
小清水:そうなんです。日の出くらいから掃除しているというエピソードも今後出てきますし、その一方で欲に忠実な部分もかわいくて(笑)。エルダと盛り上がって欲のままに行動して……というお話もあるので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
――エルダと小糸は不思議な関係性ですよね。
小清水:そうですね。ご神体と巫女ではあるんですが、どこか家族のように見えるところもあって。それは書かれたセリフとしてもそうですし、尾崎さんのお芝居からも家族に対する親しみが感じられるので、私も演じながら“エルダは孤独じゃない”という幸せが感じられました。だからこその憂いもあるんですが……。
――不死のエルダとそうではない小糸たちという対比に、どこか儚さを感じてしまいます。
小清水:喩えとして語弊があるかもしれませんが、ずっと犬を飼っていて見送ってきたこともある人間からすると、エルダと小糸や月島の人たちの関係性が心苦しくなることがあります。愛してやまないし、家族だと思っている子が自分よりも寿命が短く先に旅立ってしまう。それは何度経験しても慣れるものではないですし、それと似たような経験をエルダは繰り返しているんです。だったらもう思いを掛けないほうが、自分が傷つかなくて済みますよね。でもこの子たちが好きだという気持ちを捨てきれない。そういうところにエルダの愛の深さを感じます。
――確かに、愛に溢れています。
小清水:関わるのが怖いと思いながらも、つい思いを掛けるし、ふらっと寄りかかってしまう。この作品はその描き方が本当に素敵だなと思います。そういったもの悲しさを含みつつ、温かく、明るい気持ちにさせてくれる尾崎さんのお芝居も本当にすごいです。
第4話からが本番です
――第3話までを振り返って、とくに好きなエピソードはありますか?
小清水:第3話の「継承の儀」ですね。オチとしては、エルダが夜鳴きそばが食べたいという理由で昔から甘やかされてきたというお話で、結果として小糸がエルダのわがままに付き合わされただけなんですが(笑)、すごく温かいんです! エルダのせいで始まった面倒な歴史のはずが、小糸が抱える亡くなったお母さんへの思いにも繋がっていて、なんでこんなに温かいんだってうるっときました。
もう1つは「カエルせんしゃ」と「ゴンゲム」。この作品はここを押さえておけば間違いないです!
――確かに(笑)。
小清水:この2つでエルダのオタク生活は回っているので。わかりみが深いな~と思いながら見ています。最初からBOXを買っておけばよかった、ギャンブルなんてするんじゃなかったって、オタクの“あるある”ですよね。第2話のオタマジャイロが出たときの叫びは、私自身の心の叫びです。
――あの「カエルせんしゃ」を語るときのオタク特有の早口も面白かったです。
小清水:私もそうみたいで、好きな趣味、ジャンルについて語るときは早口になっているとよく言われるんです。エルダも無意識に、自覚なく早口になっていると思うので、なるべくナチュラルになるよう、熱く、息継ぎせずに語るようにしました。
――第4話以降も楽しみです。この先のエピソードで何か楽しみにしていてほしいことはありますか?
小清水:言ってしまえば、『江戸前エルフ』は第4話からが本番です。第3話まででなんとなくこの作品の世界観がわかったと思いますが、ここからは大阪チームのエルフと巫女が出てきて、また作品の“色”が変わってきます。しかも、それが大阪だけではないんです。かなり個性的なエルフと巫女の関係性を楽しみにしていただけたら嬉しいです。
TVアニメ「江戸前エルフ」作品情報
2023年4月よりMBS・TBS・BS-TBS “アニメイズム”枠ほかにて放送中!
放送情報
MBS:毎週金曜日 深夜2時25分〜
TBS:毎週金曜日 深夜2時25分〜
BS-TBS:毎週金曜日 深夜3時00分〜
AT-X:毎週火曜日 夜11時30分~
【リピート放送】
毎週木曜日 朝11時30分~/毎週月曜日 夕方5時30分~
配信情報
dアニメストアにて 毎週金曜日 深夜3時00分〜 配信中
◆毎週火曜日 正午〜 配信中
Amazonプライムビデオ、U-NEXT、アニメ放題、ABEMA、DMM TV、Hulu、FOD、バンダイチャンネル、ニコニコチャンネル、MBS動画イズム、クランクイン!ビデオ、HAPPY!動画
◆毎週火曜日 夜10時30分〜 配信中
ニコニコ生放送
◆毎週水曜日 正午〜配信中
Lemino
◆毎週水曜日 深夜0時00分~ 配信中
J:COMオンデマンド、auスマートパスプレミアム、TELASA、milplus、Google Play
イントロダクション
東京都中央区月島。
江戸時代より400年以上の歴史を刻む『髙耳神社』。
祀られたるそのご神体は、異世界から召喚され、すっかりひきこもったエルフでした。
ご神体のエルフ・エルダに仕えるのは、高耳神社15代目巫女の小金井小糸。現代文明とオタク趣味をエンジョイするエルダに振り回されながらも、彼女が教えてくれる江戸の文化に胸をときめかせ、連綿と紡がれる月島の人々とエルダのつながりにほっこり。
でもやっぱりこのエルフ、ぐうたらすぎる!
しかも他の神社のエルフ&巫女コンビまで現れて……!?
江戸と令和をつなぐゆったり下町コメディ、始まります。
スタッフ
原作:樋口彰彦(講談社「少年マガジンエッジ」連載)
監督:安齋剛文
シリーズ構成・脚本:ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン:小田武士
総作画監督:小田武士、中尾隆文、SAI
プロップデザイン:横山友紀
色彩設計:最相 茂
美術設定:近藤由美子、柴田千佳子
美術監督:アトリエマカリア
撮影監督:久保田 淳(CUE)
撮影:シアン
特殊効果:久保田 淳(CUE)
編集:山岸歩奈実
音響監督:藤田亜紀子
音響制作:INSPIONエッジ
音楽:松田彬人
音楽プロデューサー:斎藤 滋
音楽ディレクター:タノウエマモル
音楽制作:ハートカンパニー
アニメーション制作:C2C
製作:「江戸前エルフ」製作委員会
オープニングテーマ:「奇縁ロマンス」/ナナヲアカリ
エンディングテーマ:「おどる ひかり」/Cody・Lee(李)
キャスト
小金井小糸:尾崎由香
エルダ:小清水亜美
桜庭高麗:相川遥花
小金井小柚子:関根 瞳
アニメ公式サイト
作品公式ツイッター(@edomae_elf)
推奨タグ:#江戸前エルフ
WEBラジオ情報
TVアニメ「江戸前エルフ」高耳神社のご神体ラジオ ~私、ご利益ないけどな!~
■パーソナリティ:尾崎由香さん(小金井小糸 役)、小清水亜美さん(エルダ 役)
■配信日時:毎週木曜日配信中
■配信サイト
YouTube「日活アニメチャンネル」
インターネットラジオステーション<音泉>
書籍情報
■コミックス(マガジンエッジコミックス/講談社刊)
「少年マガジンエッジ」にて連載中
コミックス第1〜7巻 好評発売中!
著:樋口彰彦