ゴブリンスレイヤーになれる!? 『ゴブリンスレイヤー』スカジャン制作スタッフインタビュー|作品愛とこだわりがつまった一品
シリーズ累計900万部を突破する蝸牛くも先生の人気小説『ゴブリンスレイヤー』。
ゴブリンに姉を陵辱され殺された過去を持つ少年は、ゴブリンだけを執拗に狙う冒険者“ゴブリンスレイヤー”となり銀等級(序列三位)まで上り詰めた稀有な存在。そんな彼が、女神官を始めとした仲間たちと出会い、冒険を繰り広げる物語です。
2018年にTVアニメが放送され、2020年には『劇場版 ゴブリンスレイヤー GOBLIN’S CROWN』が上映されました。アニメ2期を待ち望む声も多かった本作ですが、ついに『ゴブリンスレイヤーⅡ』が2023年に放送決定。
待望のアニメ2期に期待が高まるなか、受注生産商品プロジェクト「animate LIMITED SELECTION(通称、アニセレ)」より『ゴブリンスレイヤー』の「スカジャン」が発売。現在、予約受付中です!
本稿では『ゴブリンスレイヤー』の「スカジャン」製作スタッフのお二人にインタビューを実施。「スカジャン」に込められた想いや、こだわったポイントなど色々お伺いしました!
ゴブリンスレイヤーに近付けるようなアイテムが欲しい
──まずは、それぞれが担当されたお仕事をざっくりと簡単にご紹介いただければと思います。
アニメイトスタッフ:今回でいうと、グループ会社のムービックと一緒にグッズの提案をさせていただいたり、お店での展開を考えたりする役割をしております。
『ゴブリンスレイヤー』スカジャンは「animate LIMITED SELECTION」という枠の中で、企画案は誰があげてもいい状態でのスタートでした。当然ムービックからもご提案をいただいていますし、我々アニメイトのバイヤーからもこういう物が欲しいというのを都度確認させていただきました。
ムービックスタッフ:今回に関しては、アニメイトの方と一緒に協力しながら商品の開発をしようという動きをとっています。そこで『ゴブリンスレイヤー』のスカジャンというオーダーをいただきました。
デザインのご希望をいただいて、最初は私が手描きで落書き程度のイメージ図を描いたり(笑)。
アニメイトスタッフ:(笑)。
ムービックスタッフ:こんな感じでよろしいですか、と何度かやり取りさせていただき、デザイナーさんや製造メーカー様とのやり取りを行いました。
──今回どういった経緯で『ゴブリンスレイヤー』の企画が選ばれ、スカジャンとして商品化することになったのでしょうか。
アニメイトスタッフ:かっこいいゴブリンスレイヤーに近付けるようなアイテムが欲しいなと常日頃思っておりまして。
ムービックスタッフ:(笑)。
アニメイトスタッフ:当然グッズも好きで、本とかも買ったりするんですけれど、やっぱりゴブリンスレイヤーになりたいなという気持ちが強く、今回ご提案をさせていただきました。
色合いは、ゴブリンスレイヤーの銀等級に合わせ銀をモチーフにしたり、作品的にはダークな部分もあるので、黒も使ったり。ゴブリンスレイヤーになりたい人に着てほしい! という想いからスカジャンとして商品化したいな、と。
──たしかに、作品で身に着けられる物って意外と限られていますよね。なかでもスカジャンは、かなり珍しいと感じました。
アニメイトスタッフ:単純に自分が欲しかったというのがあるんですよね(笑)。好きな作品のグッズやアイテムを作る時に、やっぱり普段使いできるものがいいなと思っていて。
もしも、街中で同じ『ゴブリンスレイヤー』のスカジャンを着ている人とすれ違ったら、嬉しくてほっこりするなと。
ムービックスタッフ:デザイン面でも、ファンの方に日常的に着ていただいても違和感ないデザインにできたかなと思っております。
アニメイトスタッフ:自分に年齢の近い層の方には、特にお手に取っていただけるのかな、と。というわけで今回の企画は、個性も強く魅力的なキャラクターに少しでも近付きたいなというのがきっかけですね。
細部まで作品愛とこだわりが詰まったデザイン
──今ちょうどデザインのお話が出てきましたけれど、今回のスカジャンで特にこだわったという部分を教えてください。
アニメイトスタッフ:『ゴブリンスレイヤー』のスカジャンなので、当然ゴブリンスレイヤーを載せたい。ただ、ゴブリンスレイヤーの絵をどういった物にするか、どの角度にするのかはすごく気にしました。悩んだ末、いただいた素材の中から個人的に好きな角度を選ばせていただきました。
ムービックスタッフ:前がいいかなあ? 横がいいかなあ? って相談しながら。最後は、やっぱり横だと思って。
アニメイトスタッフ:角度は、こだわりましたね。
──確かに甲冑というと横からのイメージがありますよね。
アニメイトスタッフ:そうですよね。甲冑が魅力的なので顔だけではなく、なるべく甲冑を大きく入れ込めないか、と細部までこだわりました。正面絵になると、だいたい顔だけになってしまいがちで。
ムービックスタッフ:横顔のトリミングに関してもデザイナーさんにいくつかパターンを出していただき、最終的に現在のイラストに決めさせていただきました。
私が最もこだわったポイントは、目の光をラメの糸で表現したところです。
やはり使用する糸の色数が増えるとコストは上がってしまうんですが、ほかの箇所で使用しているものと同じ赤を使わずに、キラキラをどうしても表現したかったんです。目を光らせたいとメーカー様と相談して、ラメの糸を使用させていただきました。
──アニメでも甲冑の隙間から眼光が覗くシーンがありますよね。
ムービックスタッフ:そうなんですよね。アニメのその光の表現がすごく印象的だったので、なんとか商品に落とし込めたらいいなと思ってやらせていただきました。
──前面部分でも、こだわりポイントがあったり?
アニメイトスタッフ:一般的なスカジャンって、左右の胸元のポイントがだいたい同じだと思うんですよね。でも、今回『ゴブリンスレイヤー』を表現するに際して、ゴブリンスレイヤーさんの銀等級の認識票を入れていきたかった。
ほかにも剣と盾をなんとしても入れたかったので、無茶をお願いして違うものを入れさせていただきました。認識票と剣盾は、背面ではなく前面に入れたかったので、左右で違うものになっています。
────確かに、左右で違うのは珍しいですよね。
ムービックスタッフ:そうですね。これも別のパターンのデザインも用意していて、最終的にこちらの形に決めさせていただきました。いろいろと試行錯誤して出来上がったのが、現在の形ですね。
──作品を象徴するポイントが全部入りということですね。戦隊モノなどをイメージしたパジャマといったアイテムに近いものをイメージされているように感じます。
アニメイトスタッフ:ありますね、そこは。まさか鎧を着るわけにはいかないので(笑)。
一同:(笑)。
ムービックスタッフ:今回、ゴブリンスレイヤーさんみたいに強くなりたいという想いを叶えようと思ったので、着用モデルにはわりとガッチリした、強そうな男性社員を選んで写真を撮りました。その彼は入社したばかりだったんですけど(笑)。
アニメイトスタッフ:(笑)。
ムービックスタッフ:「ゴブリンスレイヤーになってほしいんだ」と写真撮影に付き合ってもらいました。結果、アニメイト側にかっこいいポップやページを作っていただいたので、モデル本人も喜んでおります(笑)。
──まさか入社から数日で(笑)。
ムービックスタッフ:わけもわからないまま着せられて写真を撮って(笑)。そういう形でも、いろいろなメンバーに協力してもらっています。
──いろいろな方が知恵やアイディアを出し合いながら、この完成に辿り着いたんですね。
アニメイトスタッフ:そうですね。単純に自分が欲しかったという気持ちが大きくて、最初は提案が通るか分からなかったんです。
なので提案が通ったときには、これはもうデザインを頑張ろうと。自分が欲しいと思わないとなかなかお客様にも響かないと思っているので。