春アニメ『女神のカフェテラス』小野白菊役・和氣あず未さんインタビュー【連載第4回】|「私の……きっとみなさんの理想が詰まった作品です!」
隼は白菊ちゃんとは対等に接してくれている
――主人公の隼にはどのような印象をお持ちですか?
和氣:登場するときは冷たくてぶっきらぼうな感じなのですが、白菊ちゃんと話すときは、序盤からわりと同じ目線で話しているんです。他の子たちが結構突っかかったり、ふざけすぎたりするので、隼くんも呆れたり、ツッコミながら喋ったりすることが多いのですが、白菊ちゃんとは対等に接してくれているんですよね。そんな隼がすごくかわいいなという印象でした。
――コロナ禍ではありますが、演じる水中雅章さんとはアフレコで掛け合うことはできましたか?
和氣:できました! 私、水中さんと初めて共演したのが、水中さんの演じるキャラクターを取り合うようなアニメだったんです。そういう作品ということもあってか、当時はシャイな方という印象でした(笑)。ただ、お芝居は本当に上手。今回も「これが隼だ」と思うお芝居をずっとされていました。安心感がありましたね。隼が動揺している姿を見ると、やっぱりシャイな水中さんと被ります(笑)。
――なるほど(笑)。続けて、カフェで働く4人の印象も教えてください。
和氣:(幕澤)桜花さんはすごく器用な子です。登場したとき隼に対してすごくツンケンしていたので、ツンデレ系なのかなと思っていましたが、他の女の子に対しては「もう仕方ないな」って、すごく甘やかしてくれるんですよ。白菊ちゃんより年下なのですが、お姉さんみのある女の子ですね。秋水ちゃんは……暴れん坊のワンちゃん。そして、もう「ド」が付くほどアホな子です(笑)。
――ストレートですね(笑)。
和氣:でも、そこがすごくかわいくって。秋水ちゃんって、結構しつこいところがあるんです。ボケてきたときに「いいよ、秋水ちゃん」って他の子が終わらせようとしていても、まだボケてくる。そのしつこさがいつの間にか癖になっているんですよね。演じる鈴代(紗弓)さんのお芝居もパワフル。掛け合いが成立しないんじゃないかと思うほど100%のお芝居をぶつけていました。それがより秋水ちゃんの魅力を引き出したんじゃないかな。
――鳳凰寺紅葉さんはいかがでしょうか?
和氣:紅葉さんはバンドをやっていて、すごくクールな印象があります。ただ、意外と積極的なキャラクターなんですよね。一見はちょっと取っ付きにくい女の子ですが、二人きりになると女性っぽさが垣間見える瞬間があって。「この姿、自分しか見られないのかも」ってドキッとする方も多いじゃないかな。最高の女ですね!
――最高の女!
和氣:ついつい本音が(笑)。(月島)流星さんは今時の女の子っていう印象があります。ただ、子供っぽいところがありつつも達観している面もあって。表ではキラキラしているけども、裏ではきっと努力しているということが分かる子です。実際、流星さんの努力のおかげでお店が盛り上がっている側面が大いにあるんですよ。お店のことをすっごく思ってくれている、とにかくいい子ですね。
仕事へのモチベーションが変化したのは、あの二人のおかげ
――本作をはじめ、デビュー時から多くの作品でメインキャラクターを演じてきた和氣さん。声優活動を始めた頃と比べて、声優や役者、お芝居に対する気持ちに変化はありましたか?
和氣:仕事への向き合い方はずいぶん変わりました。デビュー時から全力でお仕事と向き合う気持ちに変わりはありませんが、今はとてもリラックスしてお芝居ができていると思います。より楽しさが増しました。
――気持ちの変化がおとずれたのは、何かきっかけが?
和氣:明確に仕事に対するモチベーションが変わったのは、2017年~2018年にかけてですね。それまでは「これは仕事」という思いで現場に行くことが多かったんです。きっと余裕がなかったんですよね。周りからはよく「余裕ありそうだね」「緊張してなさそうだね」と言われていましたが、全くそんなことはなくて。最初の頃は「一言しかないセリフを嚙んだらどうしよう」ってことで頭がいっぱいで、逆にから回っていた気がします。人と話す余裕もありませんでした。
――自分のことに必死で、周りがあまり見えてなかった。
和氣:そうなんです。だから、現場に行っても楽しさより緊張や恐れが勝っちゃって。ただ、2017年に放送されたアニメの現場で、初めてくらいに仕事の人で「友達だ」って堂々と言える二人と出会えたんです。それから、アフレコ現場に行くのが毎日楽しくなって。作品にもその楽しい気持ちを乗せることができました。徐々にリラックスしてお仕事できるようになったのは、あのアフレコ現場からですね。
――お友達というのは、あのお二人?
和氣:恐らく、思い浮かべている二人です(笑)。鬼頭明里ちゃんと春野杏ちゃん。あの二人と出会えて友達になれたから、休憩時間にキャストの方々とも話すようになって、余裕を持ってアフレコできるようになってきたとも思います。
――和氣さんにとって二人はかけがえのない友達なんですね。本作もそうですが、同世代や後輩の方々と共演する機会も増えていると思います。
和氣:そうですね。今回は残念ながら5人揃っての収録は叶いませんでした。いつか5人揃ったときはどんな雰囲気になるのか、楽しみです。これも以前だともしかしたら緊張が勝ってしまい、抱けなかった感情かもしれません。
――5人が集まったら、どんな雰囲気になるのか気になります。
和氣:ですよね! 先輩の瀬戸麻沙美さんと青木瑠璃子さんが引っ張ってくれると期待しております(笑)。