この記事をかいた人
- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
ーーこれまでで印象的だったシーンはありますか?
楠木:第4話のオールドリーダー(CV.杉田智和)たちの話がすごく好きで、熱いな!って思いました。私ってその世代ではないですし、自分がオタク文化に触れたときは、アニメなども、もうおおっぴらにしても大丈夫な趣味になっていて、学生のときも友達と共有できる趣味だったんですよね。ですので、「それを話したら嫌われる」みたいな感覚はなかったんです。どちらかと言えばアニメ好きはちょっとカッコいいくらいの世代なので。その認識の違いが面白かったです。
もちろん、そういう時代があったことは知っているんですが、耳にする程度だったんです。大げさかもしれませんが、第4話を見たときに、その頃の皆さんの考え方と今の自分たちの考え方との間に壁を感じましたし、それがすごく新鮮でした。
それぞれの言い分もわかるし、そこに熱くなっているのも、いい意味ですごくオタクくさいんですが、狂太郎に関しては、ずっとふざけ倒しているので、アフレコ自体は楽しかったです(笑)。
ーーずっと実況していましたしね。それにしても、アニメ好きがちょっとカッコいいというのは、90年代にはない発想ですね。
楠木:オタクとは何か、というのが世代によって違うことが生々しく描かれている印象でした。見ている方の年代によって感じ方が違っていたんでしょうね。なかなかここに切り込む物語ってなかったと思うんです。オタクヒーローが「同じオタクなんだ。それなのに一体なぜ、あの人達と気持ちを通わせることができないんだ……?」って言っていたように、私もそこで対立するのがよくわからないんです。でも、それぞれ好きが故の譲れないものがあるんでしょうね。そんな大事なことを描いているのに、狂太郎がすごくポップに面白くしてくれていたので、濃い話数でした(笑)。
ーーちなみに楠木さんは、何オタクでしたか?
楠木:中学生のときに、周りにアニメ好きがそれほどいなかったので、アニメって変わった趣味だったんです。ですので、アニメ自体が面白かったのはもちろんですが、そのカッコ良さに惹かれて、アニメを見ていた自分もいたんです。
「アニメオタクだな」とか、ボカロ好きだったから、「ボカロオタクだな」って当時は思っていたんですが、いざこの職業に就いてみると、そういう人が圧倒的に多くて、「私ってオタクじゃなかったのかも?」ってなりました(笑)。好きな気持ちはあるんですが、詳しく何かを語れるわけではないので、「オタクを名乗って良いのかしら?」となってしまって。私は何オタクなんだろう? 音楽かな。でも音楽も、ものすごい人がいっぱいいるからなぁ。
ーー知識じゃなく、作るほうの音楽オタクということかもしれませんね。でも、もっとライトに「オタク」と言ってしまってもいい気もします。
楠木:周りからオタクって言われるものだったのが、いつしか自分でオタクと名乗る時代になったがゆえに、オタクのハードルが上がっちゃっているのかもしれないですね。でも、総じてオタクってカッコいいと思います! あそこまでの詳しさ、知識量があるのがすごい。たとえば『マツコの知らない世界』に出てくる人って、みんな分類的にはオタクじゃないですか。見ているとカッコいい~って思っちゃいますから(笑)。
ーー様々な好きを追求してきた人が出てきますからね(笑)。では、放送された第5話はいかがでしたか?
楠木:この回の狂太郎は本当にかわいそうだったんですよ(笑)。メインのストーリーでは、中野サンプラザが出てきて「おぉ!」ってなりましたが、狂太郎が不憫すぎて、私はそのことしか頭に残っていないです(笑)。
それまでって一瞬で死ぬことが多くて、台本にも「ぎゃーー」とか「あちっあちっ」とか書いてあったんですが、第5話はいろんな死に方をするので、台本にメモっておかないと反射的にどうやって死んだかの判断ができなくなるんです。「今のリアクション違ったな」ってなるのが悔しいので、台本に死因を自分で書いていて、たとえば「すり下ろされる」と書いてあったり……。確かディレクションで「ここは、すり下ろされてるんで」って言われたと思います。すり下ろされる感覚もわからないですけどね(笑)。いろいろ想像しなければいけないエグさもあったんですが、ポップさも必要なので、いろいろ考えました。とにかくこの回は、狂太郎の叫びややられ方の悲惨さが印象に残っています。
ーー凍死したり、罠を見分けるためにレーザーの中に放り込まれたり、色々していましたからね。
楠木:ですので第5話は、いろんな死に方をする狂太郎が見どころなんですが、中野サンプラザのような知っている場所が舞台になっているところも、マジデスの魅力のひとつかなって思います。
ーー序盤で、ニック(CV.興津和幸)とオタクヒーロー(CV.古川慎)がクイズをしているところも面白かったですね。
楠木:ああいうのって見ているだけで楽しいですよね! 「三徹して見返したから隙はない!」とか、似たような会話してたよな~って(笑)。ここもおふたりのお芝居を生で見たかったのですが、見られなかったので、放送を楽しみにしたいと思います!
ーーニック役の興津さんとの共演も多いですよね。
楠木:そうなんです。よくお会いするので、不思議なご縁は感じています。
ーーオタクについて、いろいろとお話しましたが、この作品を見て、どんなことを受け取ってほしいですか?
楠木:好きなものに対して素直に好きと言える世界を守りたいっていうのがこの作品のひとつのキーだと思いますし、いろんなオタクたちと、そうじゃない人たちの対立描写とか、設定は壮大だけれど、実際は私たちの身近にあるものを描いてくれている作品だと思うんです。これを機に、自分のオタ活、推しといったものへの考えに変化があったりすると面白いのかなと思うので、自分に重ね合わせながら見てほしいですね。
ーー周りの意見に左右されず、自分が好きなものを好きと言う、推しを推しとはっきり言えたりしたらいいかもしれないですね。では最後に、今後の見どころをお願いします。
楠木:狂太郎に対する違和感みたいなものを感じている人は、もうすでに気になっているかもしれませんが、狂太郎のことを気にしていなかった人がいたら、ぜひ狂太郎に注目して最初から見てみてください! 何かを感じるかもしれません(笑)。
死に方のバリエーションはまだまだ増えていきますし、その都度こだわって演じましたので、狂太郎が出てきたときは「わっ! 出てきた!」くらい注目して、今後も見ていただけたら嬉しいです。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ
気鋭クリエイター・JUN INAGAWAが送る、愛と狂気と破壊の物語
2008年――謎の勢力の出現により、
アニメ、ゲーム、マンガ、音楽、鉄道、コスプレなどあらゆるオタク文化が排除された日本。
グッズは収容され、保護の名のもとにオタクが弾圧されても、人々は自我を喪ったかのように疑問を持たない。
秩序維持を担う組織「SSC」に蹂躙され、オタクは滅びたかに思われた――
だが、封鎖されたアキバを奪還し、反旗を翻す者たちが現れる。
若き革命者「オタクヒーロー」――何よりもオタク文化を愛し、誰よりもアキバを愛する男。
そして彼を慕う3人の魔法少女たち――「アナーキー」「ブルー」「ピンク」。
2011年の日本を舞台に、自由の旗のもとに集ったオタクたち
――アキバ革命軍は、SSC首領「SHOBON」との壮絶な戦いに挑む。
好きなものを好きなだけ好きといえる世界のために。
自由の旗のもとに集ったオタクたちよ、奪われた文化を取り戻すべくOTAKU COUNTER CULTURE を巻き起こせ!
2023年4月7日(金)より
MBS・TBS・BS-TBS”アニメイズム”枠にて放送開始!
MBS/TBS 毎週金曜25:55~(初回は4/7(金)26:25~より放送)
BS-TBS 毎週金曜26:30~(初回は4/10(月)27:00~より放送)
AT-X 4月8日(土)スタート
・毎週(土)21:00
・毎週(月)28:30 ※リピート放送
・毎週(土)6:00 ※リピート放送
※放送日時は変更になる可能性があります
ABEMA/DMM TVにて地上波放送直後より最速配信決定!
ABEMA 2023年4月7日より毎週金曜26:25~
(初回のみABEMAプレミアム:4月7日(金)26:55~/無料配信:4月7日(金)27:55~)
DMM TV 2023年4月7日より毎週金曜26:25~(初回のみ4/7(金)26:55~配信)
ニコニコ生放送 2023年4月8日より毎週土曜22:30~
dアニメストア 2023年4月10日より毎週月曜24:00~
Amazon Prime Video、TVerほか、各サイトでも順次配信予定!
Amazon Prime Video、TVerほか、各サイトでも順次配信!
原作:MAD ミルクポット markets
原案:JUN INAGAWA
監督:博史池畠
副監督:川瀬まさお
脚本・シリーズ構成:谷村大四郎
キャラクターデザイン:沢友貴
コンセプトアーティスト:紺野大樹
プロップ設定:杉村絢子
美術監督:坂上裕文(ととにゃん)
美術設定:加藤 浩(ととにゃん)、浅見由一(ととにゃん)
色彩設計:歌川律子
撮影監督:松向 寿(STAR Laboratories)
編集:武宮むつみ
音響監督:本山 哲
音響効果:白石唯果
録音:伊東光晴
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:羽柴吟
アニメーション制作:バイブリーアニメーションスタジオ
オタクヒーロー:古川慎
アナーキー:ファイルーズあい
ブルー:愛美
ピンク:黒沢ともよ
狂太郎:楠木ともり
SHOBON:斉藤壮馬
スレイヤー:芹澤優
ニック:興津和幸
オールドリーダー:杉田智和
ミリオタ:間島淳司
ゲーオタ:子安武人
鉄オタ:奥村翔
⾃衛隊オタ:兼政郁人
アニオタ:稲田徹
ドルオタ:石谷春貴
プロレスオタ:高橋伸也