『カワイスギクライシス』との出会いは、リザとよぞらの出会いのように、僕にとっても革命的なものでした──超絶ガナリヴォイス”を持つ歌い手・超学生の素顔に迫る
リザのように「衝撃的な出会いだった」
――作品の印象についてもおうかがいさせてください。『カワイスギクライシス』にはどのようなご印象がありましたか?
超学生:実は作品に触れたのはタイアップが決まってからなんです。僕が普段読む漫画はバトルものやダークな展開の作品が多いのでかなり新鮮でした。リザとよぞらの出会いのように、僕にとっても革命的なものでした。
超学生としても、いちアニオタ/漫画好きとしてもありがたいお話です。というのも、こういう機会がなければ手に取らないようなジャンルだったので、これをきっかけに出会えて良かったなと思うくらい、面白い作品です。
――リザとネコたちの出会いも強烈でしたけど、それくらいの大きな衝撃があったんですね。
超学生:衝撃でした。『カワイスギクライシス』はもともと『ジャンプSQ.』で連載がはじまったと思うのですが、少年漫画やバトルものの多い『週刊少年ジャンプ』から、『ジャンプSQ.』になっただけでこんなに広がるんだ!という発見もあって面白かったですね。
――ところで、超学生さんはネコがお好きなんですよね?
超学生:大好きです! ただ飼えるような家じゃないんですよね……。モノも多いですし、大音量でずっと音が流れているので、ネコちゃん的に良くない環境なのかなと思いつつ。でも、知り合いのアーティストで飼っている人も多いので、大きな家に引っ越す機会があればお迎えしたいなと思っています。
――プライベートな質問ですが、あのお部屋ってきっと防音タイプですよね。防音ルームで広いお部屋はあまりない印象があって。
机が新しくなりました pic.twitter.com/KcbJdbkfRd
— 超学生 / 湯月凜空 (@tyougakusei) December 29, 2021
超学生:ないんですよねえ……。これはいろいろなところでお話してるんですけど、1Kの7畳に住んでるんです。もちろん防音タイプです。ホントに録音と音作りしか出来ないっていう部屋で生活もしてる状態です。最近はYouTuberさんたちも防音ルームに住まれる方が多いそうで素敵な物件はすぐ埋まってしまいます。だからチャンスがあれば引っ越したいなと思っています。
――その時はぜひネコとの生活を!
音で宇宙と猫を表現
――曲に話を戻すと、まず「スペースキャットビッグバン」を頂いた時はどのような印象でしたか?
超学生:さすがJazzin’parkさん!というのが第一印象としてありました。アニメタイアップだから、僕であれば、広い層の方に聴いてもらうためにチューニングして、無難に作っちゃうんじゃないかなと思うんです。以前も同じ制作チームでやらせていただいたんですけど、その時よりも尖った曲調かつ、チャレンジングな部分もあって。これをアニメ主題歌に持ってくるのが流石だなと思いました。
――『カワイスギクライシス』ならではのSF感と猫っぽさ……とは言え、作品の内容を知っている者としてはあのエッジィさは鮮烈でした。特にイントロが。
超学生:Jazzin’parkさんの特徴として前奏や出だしで、場所やコンセプトを見せるのが上手いんですよね。ド頭でネコと宇宙っぽさが分かるイントロで、素晴らしい工夫だなと思いました。また、どこまで意識していたのかわからないんですけど、ある意味、リザ・ルーナ(CV:花守ゆみり)とよぞら(CV:藤原夏海)の出会いは一目惚れじゃないですか。恋とは違う、初めてネコという可愛い生物に出会う時の、一目惚れの瞬間を表現したサウンドメイキング。凄い書き分けだなと思います。
Jazzin’parkさんはアイドルソングも書かれる人なので、普遍的な恋愛をテーマにした曲も多いんですけど、人間同士の恋愛ソングとは全然違う曲なので凄いなと思いました。
――<無償の愛にエゴはいらないただそばにいたいんだ...>という歌詞の通り、もはや愛されたい境地にいるわけじゃないんですよね。サウンド感でそれを示しているというか。
超学生:普通に歌詞だけ見ると恋愛にも見えなくもないんですよね。それをサウンドの工夫で(人間同士の)恋愛ではないことを表現しているのがすごいと思いました。
――<ばっちばちに日向ぼっこ>のところは、猫を飼っているものとしてなんだかクスりとしてしまいました。歌詞の中によぞらが出てくるのも粋ですよね。
超学生:それ凄く嬉しくて、アニソンあるあるじゃないですか? 空耳でキャラ名に聞こえるとか。それやっちゃったよ、と(笑)。
――(笑)。早口ラップがあったり、力強い歌声からクリーンボーカルになったりと、サウンドに合わせて声色もどんどんと変わっていくのも印象的です。
超学生:一曲の中で声を変えることは毎回するわけではないのですが、今回はリザの心境を踏まえた形です。例えば、1話の猫カフェ行くシーンだけでもコロコロ感情が変わるじゃないですか。「カワイスギル!」ってなったり「なんなのこの生物は!?」となったり(笑)。それを曲に入れたいなと思って、ああいう形で歌わせていただきました。
――ライブではかなりカロリーを消費しそうですね(笑)。
超学生:確かにあれをライブで歌うとなると……リザとして、いろいろな心情を歌うことになるのでカロリー消費は高そうですね(笑)。