初めての元恋人関係! 主導権はいつも名塚さんのキャラ!?『THE MARGINAL SERVICE』名塚佳織さん&前野智昭さんインタビュー【連載第6回】
第5話の収録で名塚さんやキャスト陣が爆笑したエピソードとは?
――収録を拝見させていただきましたがBパートで、ブライアンのスマホが爆発した時に名塚さんの笑いが止まらなくて。
前野:アレは宮野くんのお芝居が変化球すぎたんですよ。
名塚:ちょっと情緒不安定な感じで。
前野:おもしろいけど、そんな変化球でやる?って。
名塚:改めて、ブライアンは忙しいなと思って。今は全員で録れないので、一人であっちゃこっちゃ言っている、マモちゃんがおもしろくなってしまって。
――そしてライラのセリフの「丸腰」を「丸裸」と言い間違えた時も、収録が止まった瞬間に爆笑が起きて。
名塚:絵を見ていたら、つい……。
前野:絵では確かに丸裸でしたからね。
名塚:こういうことって、後々、こういう取材やイベントでお話ししても、その時にツボったおもしろさが伝わらないことはわかっていますが、たいしておもしろくないこともあの無音空間では妙におもしろくなっちゃう瞬間ってありますよね。
――隣りにいた宮野さんは転がりながら笑っていました。
前野:でもこういうことがチームの結束を更に強くするんでしょうね。
名塚:しかも今日のメンバーはゲラが固まってしまったので。前野さんだけがしっかりしていて、素晴らしい鋼の心で。さすがです。でも前野さんが初めて来て、初めての出番なのに失礼なことしちゃったな、やりにくいだろうなと。
前野:むしろ、こういう現場なんだとわかって、やりやすかったです。宮野くんがいたらこうなっちゃうよなとも。
名塚:今回に限らず、テストではおもしろかった瞬間をキャスト同士で楽しんで録りました。
5話で印象的だったのはライラがエディのシステムを壊すシーン。二人の考え方の違いも!?
――第5話で印象に残っているシーンを挙げるとすれば?
前野:やっぱりライラが裸で、エディが作ったシステムをぶち壊すシーンは衝撃的でした。
名塚:エディがいるビルの入口からずっとあの状態というのがすごいですよね。途中から「もはや裸ではないのでは?」と思うくらい、堂々としていて(笑)。
前野:機械を叩き壊すライラの姿を見て、エディが「君は変わらないな」と言っていましたが、付き合っていた頃からそうだったのかなと。
――二人が付き合っていた時の寄り添いながら、ライラが甘えるシーンもありましたが、今回から見た方は「ライラはなんてエキセントリックなキャラなんだろう?」と驚くかも。
名塚:確かに。第4話までは割とひょうひょうとしていて、他のメンバーのわちゃわちゃにも入っていくタイプではなかったですけど、怒らせたら怖いタイプの女性でしたね(笑)。
――ライラが「システムを止めるためにどうしたらいいの?」と尋ねたら「愛している。もう一度、その言葉を聞かせてほしい」と答えるシーンは男性が持つロマンティシズムを感じました。その言葉に対して、「昔話に興味はない。私は今を生きている」とライラが返したのは、二人のコントラストが見えた名シーンだったと思います。
前野:そうですね。エディはまだ未練が強く残っているけど、ライラは「過去は過去」としっかり線引きできていて、男性と女性の考え方の違いなどが描かれていましたね。
名塚:精神的に強く、カッコいい女性像ですね。でもこの強さも海外ドラマ的な印象があります。海外ドラマの女性も芯が強かったり、思っていることをハッキリ言う印象があるので、そういう雰囲気をライラも持っていますね。
収録でのオーダーは「エロく」!? エディをどう演じるのかは現場で調整。ライラの意外な男っぽさも!?
――今回の収録で意識した点やディレクションがあったら併せて教えてください。
名塚:“エロく”と言われましたよね。
前野:ぬるっと始まりそうだったので、始まる前にエディがどんな人物なのか、相談にいったところ、「若干ナルシストで、大人の余裕がほしい」と。あとテストをした後、「もう少し、強くエロさがほしいです」と言われたので調整しながらやりました。もしかしたら今後も登場するかもしれないので、その時は初登場の時とはギャップが出るように、と。
――台本を読んだ時、エディはマッドサイエンティスト的な要素があるのかなとか、どう演じられるのかなと思っていました。
前野:僕もどういうキャラなのか、わからない状態で、儚さや狂人的なところを入れるのか、それともさわやかで普通の青年っぽいほうがいいのかなとか思ったので、現場でスタッフさんと相談しようと。だから家で練習する時はあまり作りすぎないようにして収録に臨みました。
――ライラが破壊行為を始めて狼狽えたところはそれまでのナルシストっぽさとギャップがあっておもしろかったです。名塚さんが収録で意識されたことは?
名塚:第4話までは≪マージナルサービス≫の紅一点で、ナイスバディな女性ということもあり、セクシー担当の印象がありましたが、第5話ではエディのほうがセクシーで、ライラのほうが精神的にはさっぱりしていて。今までは演じる時、大人の女性や色っぽさを意識してきたし、今回のように自分が前線に立つ時も色っぽい感じで攻めるのかなと思っていましたが、そうではないんだなという発見がありました。服を脱いだ時もエロっぽく脱ぐのではなく、バサッという感じで。もしかしたら心は他のメンバーよりも男なのかも(笑)。
――クールビューティーだけど、強さもあって。
名塚:そうですね。彼女の思い切りの良さや強さに、周りや一緒に行動するメンバーのほうが驚くことが多いかもしれませんね。