夏アニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』第1話放送直前! ライザ役・のぐちゆりさんインタビュー|『ライザのアトリエ』には、誰もが経験したことのある青春のワクワクが詰まっている【連載第1回】
ライザだから、ついていきたくなるって思ってもらえるように
――「アトリエ」シリーズの新作として、最初に『ライザのアトリエ』というタイトルや、ライザのイラストなどが発表されたとき、SNSを中心に大きな話題となりました。そのときの心境を教えてください。
のぐち:初報でライザのキャラクターデザインが発表された時って、一応、「CV:のぐちゆり」という情報は出ていたんですが、まだ、音声サンプルまではその時点で発表されていなかったんです。でも、皆さんのライザへの期待値って、すごかったじゃないですか。(Twitterの)トレンドにも、「ライザ」「ライザちゃん」とか入りまくっていて、本当にすごいことになっているって思いました。
声の入った第1弾PVが出るのはもう少し先だったので、そこまではすごいプレッシャーでしたね。みんなに「キャラは可愛いけど、お芝居は……」とか思われないかなって気になっちゃって。(最初の発表の時点で)もう収録は終わっていたんですが、第1弾PVの発表まではドキドキしていました。
――『ライザのアトリエ』は、発売後も大人気で、続編の『ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~』『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』とシリーズ化されました。長年、ライザを演じてきて特に大事にしてきたことを教えてください。
のぐち:ライザってすごく強引にも見えるんですが、それもライザの持っているキラキラした部分というか。多少わがままに見えても、そこが可愛らしいみたいな感じがお芝居に乗せられたら、きっとみんなにも好きになってもらえるんだろうなって。そこがライザの魅力だと思ったし、そこを私が声で演じられないと、ライザの魅力に繋がらないと思っていたので、そこをすごく心がけて演じてきました。
――最初、錬金術に出会う前のライザは、特に得意なこともない普通の女の子ですが、謎のリーダーシップで、2人の同世代の男子(レント・マルスリンク、タオ・モンガルテン)を引っ張り回しているんですよね。
のぐち:そうなんです(笑)。そういうシーンをなんとなくでやってしまうと、すごくとんでもない子に見えちゃうと思うんです。でもそうではなくて、「ライザだから、ついていきたくなるんだ」って思ってもらえるようにしたいと、常に意識していました。
以前から熱望していたアニメ化。イチオシのシーンは…?
――ここからは、アニメについてお話を伺っていきたいと思います。まず、アニメ化が決まったと聞いたときの心境を教えてください。
のぐち:実は、ゲームの生配信に初めて出たとき、(niconicoプレミアム)会員限定のおまけの配信があって、『ライザのアトリエ』に関する今後の夢を語りましょうというコーナーがあったんです。その番組には、(コーエーテクモゲームス)プロデューサーの細井(順三)さんたちも出演されていて。細井さんは、「ドラマCDとか作れたら」とか、「ゆくゆくは、2とか3とかもやりたい」みたいなことを話していて。「のぐちさんも、何かないですか?」って聞かれたとき、私は「アニメ化したい」って言ったんです。まだ、そもそもゲーム発売前なのに(笑)。「大きく出たね~」って突っ込まれたのですが、「夢は大きく!」みたいなことを言っていたんですよ。なので、アニメ化すると聞いたときは、「え? 叶ったの?」みたいな。『ライザのアトリエ』に全部、夢を叶えてもらっちゃったみたいな気持ちになりました。
――ゲームを遊んだことがなく、まだ『ライザのアトリエ』という作品を詳しく知らない人に向けて、この作品の魅力を教えてください。
のぐち:『ライザのアトリエ』の物語って、たぶん誰もが経験したことのある青春の1ページもテーマになっていて。例えば、自分が学生のときの話なんですが、友達と一緒にいつもの道を通って帰る途中、「あれ? こんな道あったっけ?」みたいな道を見つけて。友達と「行ったこと無いし…行ってみる? ワクワクするね」とか言いながら行ってみたりする。そういう、あのときのワクワクが『ライザのアトリエ』には詰まっていると思っています。
――そういうときって、別に悪いことをしていなくても、ドキドキワクワクしますよね。
のぐち:初めて大人がいないところで何かを計画して、実行するときのワクワクする感覚って、たぶん、みんな経験があると思うんですよ。そういう懐かしい気持ちを思い出させてくれる作品です。他の人から見たら、なんてことない些細な出来事かもしれないですが、私というか、ライザにとっては、本当にひと夏の大冒険で、とても大事なこと。大人になって何十年とか時間が経っても、その話だけでお酒が飲めちゃって、友達とずっと盛り上がれるみたいな(笑)。そんな素敵なキラキラしたものが詰まっている作品なので、ゲームを知らない方もすぐに楽しめると思います。
――では、先ほども少し伺いましたが、改めて、のぐちさんが演じるライザの魅力を教えてください。
のぐち:ライザは、本当にじゃじゃ馬娘なんですが、彼女が「あれがしたい。これがしたい」って言うときの感情は、すごくキラキラしていて。周りの人も自然に協力したくなるというか、ライザに付いて行けば楽しそうな気がするって感じてしまう、根拠のない魅力に溢れているんですよね。それに、真剣に物事を言うときはしっかり言うし。「私だったら、なかなかこの言葉は言えないな」と思うようなことも、ライザは飲み込まず、すべて言ってしまうんです。そういうところも尊敬するし、自分が演じているんですが、「よく言ってくれた、ライザ」みたいなこともよく思います。
――では、ライザの幼なじみのレントとタオの魅力も教えてください。
のぐち:ライザが何を言い出しても、「はいはい」と言いつつ付き合ってくれる(笑)、ライザのことをすべて分かってくれてる二人だと思います(笑)。レントは、いつも一歩引いて、周りを見ているし、すごく優しくて強い男の子なんですが、その一方で、家庭の悩みも抱えていて。そういうところにも魅力を感じるし、「もっと、私のことも頼ってよ」って言いたくなっちゃうような男の子だと思います。
タオはすごく臆病で、いつもライザに「やめようよ」って言うんです。でも、自分が興味を持ったことに対しては、ライザ以上に一直線で、たぶんライザも少し引くぐらい(笑)。そんな一面もあるから、ライザと仲良く一緒にいられるのかなって思います。なので、ライザとタオが一緒になったら、レントは止められない(笑)。そんな構図がすごくバランスが良くて、とても良いトリオだなって思っています。
――(インタビュー時点では)のぐちさんもまだ完成したアニメの映像を観られていないそうですが、特に楽しみにしているポイントなどはありますか?
のぐち:やっぱり、なんといっても錬金術のシーンですね。ゲームだと連想グラフみたいな感じになっているところに素材を入れたらキラキラ光って。ブクブクってなった後、ライザの立ち絵で「完成!」みたいな感じだったんですけど。それがアニメで動くとなると、「皆さんはどんな絵を想像しますか?」って聞きたいです。私も全然イメージができていなかったんですが、錬金術のシーンを見たとき、本当に感動しました。まだ線だけのラフな状態でも、アフレコのスタジオでクラウディア役の大和田(仁美)と二人で「すごいね! 錬金術って、こんな風になるの!」って興奮していました。ぜひ楽しみにしていて欲しいです。
――第1話のアフレコを終えての感想をお聞かせください。
のぐち:第1話のアフレコの前は、すごく緊張していました。ゲームで『3』まで演じてきて、ライザとして積み重ねてきたものを1回すべて忘れて、最初に戻らなきゃいけないじゃないですか。なので、最初に(テストで)やったときはすごく力が入っちゃって、「ちょっと違う」という指摘をいただいてしまったんです。
でも、最初の気持ちはすぐに思い出せました。ゲームの収録はずっと一人でしたが、今回は、レント役の寺島(拓篤)さんと、タオ役の近藤(唯)さんも隣にいるし、空気感がすごく良くて。最初は固かったけれど、最後には、とても良いものになったと自分でも思えました。アニメのライザも楽しみにしていただきたいです。そうは言っても、オンエアされるまではドキドキなんですけど(笑)。
――では、ほか第1話の見どころがあれば教えてください。
のぐち:「見どころは全部」って言いたいんですが……例えば、ゲームにも出てきたシーンやセリフもあれば、ゲームでは描かれていない、それぞれのキャラの日常的なシーンもあって。「こんな一面あったの?」って思うような、ゲームにプラスアルファされてるどころか、“プラスアルファ・アルファ・アルファ”くらいの見どころがあります(笑)。ゲームをとても大切にしてくださっていて、すごく忠実に作られているうえで、もっともっと魅力的に描かれてる部分もたくさんあるので、本当に楽しみにしていただきたいです。
[取材・文/丸本大輔]
TVアニメ『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』作品情報
あらすじ
そんな刺激が少ない村での暮らしに活力を持て余していたのは、平凡で特徴がないことが特徴の少女、ライザ。「あーあ。何か面白いことないかな。」窮屈で退屈な村、そこに身を置く“なんてことない農家の娘”である自分に不満を抱いていたライザは、ある日、幼馴染みのレントやタオとこっそり小舟に乗り込み、島の対岸へはじめての冒険に出かける。
そこで出会ったのは、“錬金術”という不思議な力を使う一人の男だった。その力に魅せられたライザは、錬金術を教えてほしいと頼み込む。“なんてことない農家の娘”から“錬金術士”へ。これまでの遊びとは違う、自分たちだけの“ひと夏の冒険”が始まる――。
25周年を迎えた「アトリエ」シリーズの人気作『ライザのアトリエ』が遂にアニメ化!
キャスト
(C)コーエーテクモゲームス/「ライザのアトリエ」製作委員会