夏アニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』第1話放送後 ライザ役・のぐちゆりさんインタビュー|3人での収録はアニメが初めて!「レントとタオが隣にいる!」と感動【連載第2回】
「レントとタオが本当に隣にいる!」と思って感動
――アニメのアフレコ収録がスタートしたのは、新型コロナの流行もようやく収まってきた頃で、最後の話数の方では、複数のキャストさんが一緒に収録することもできたと伺いました。ゲームのときは、基本、一人で収録してきたと思うのですが、一緒にお芝居できた感想を教えてください。
のぐち:皆さん、約4年前から一緒に出演しているんですが、ゲームの方では一緒に収録をしたことはなかったんです。第1話はずっと3人が一緒にいるので、私が真ん中で、隣にレント役の寺島(拓篤)さんと、タオ役の近藤(唯)さんが来てくれたときに、「うわー! レントとタオが本当に隣にいる!」と思って涙が出そうになりました。すごく感動して嬉しかったです。
――3人で掛け合いながらお芝居できることで生まれる空気感やアドリブなどもあったのでしょうか?
のぐち:はい。それに、3人とも子供ですごく表情が豊かだと思うので、そういう表情の変化とかも、どんどん拾っていこうという感じで、積極的にアドリブを入れていたと思います。
――普通、レントのような戦士タイプのキャラは、最初から多少は強いと思うのですが、レントは雑魚魔物の「ぷに」相手にも苦戦していて。この3人は本当に普通の子なんだなと思いました。
のぐち:実は、アフレコで最初の戦闘シーンのテストをやったとき、(音響監督の)納谷(僚介)さんに「戦い方が真剣すぎる。もっとコミカルにしていいよ」って言われたんです。そう言われた後の私たちのお芝居の変わり方が本当に面白くて。すごく強そうだったレントも可愛い声になって、タオはますます怯えてるし、ライザはライザでとりあえず、うにを投げとこうみたいな(笑)。演じていてすごく楽しかったし、寺島さんと近藤さんとのチームワークの良さを勝手に感じて、また一人で感動していました(笑)。
それに、ライザたちの戦闘がコミカルだったからこそ、アンペルさんとリラさんのガチな戦闘との対比も出て、より良いシーンになったのかなと思います。
――第1話では、のぐちさんの歌うライザのキャラクターソング『あたしだけのなにか』が挿入歌として流れるそうですね。楽曲の印象を教えて下さい。
のぐち:めちゃくちゃ良い曲ですよね! 曲をいただく前は、ライザのキャラソンなので、元気系の曲になるのかなって想像していたんです。でも音源をいただいて、クーケン島の穏やかで温かい感じがするメロディーで、すごく聞き心地の良い音楽になっているなって思いました。それでいて、歌詞の内容はめちゃくちゃライザなんです。穏やかなメロディーとライザらしい明るい歌詞がすごく良い具合にマッチしていて、皆さんにも早く聴いて欲しいです。あ、このインタビューは第1話の放送後だから、もう聴いてくれているんですよね(笑)。「この曲、ライザが歌ってるの?」って驚いたりしているのかな? 皆さんがどんな反応をしてくれているのか楽しみです。
――ライザとしてキャラクターソングを歌ったのは初めてだったそうですが、レコーディングではどのようなことを意識しましたか?
のぐち:結構キーが高くて、「ここは裏声になっちゃうかな」ってところもあったんです。でも、個人的なイメージなんですが、ライザというキャラクターで裏声はあんまり使いたくないなって思って。頑張って、地声で歌いました。あとは、跳ねるように歌うことや、ワクワクする気持ちをとにかく歌声に乗せることを意識しました。ライザとして歌う最初の曲が、すごく素敵な曲で本当に嬉しかったです。
ライザは夢を叶えてくれた本当に運命的なキャラクター
――第1回のインタビューでは、ライザと幼なじみのレント、タオについて伺ったのですが、その3人以外で特にお気に入りのキャラクターは誰ですか?
のぐち:師匠のアンペルさんがすごく好きです。あのミステリアスな感じがたまらないというか、多くを語らないからこそ、もっと知りたくなる魅力がありますよね。アンペルさんは甘い物が好きで、ゲームの『1』(『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』)のときのイラストでは、ドーナツを咥えているんですよ。ただ、ゲームの中では甘い物が好きってところは、あまり描かれていなかったと思うんです。でも、アニメでは、第1話でいきなりお菓子をパクパク食べていて。アンペルさんの日常を垣間見ることができた気がして嬉しかったです。
――ここまで伺ってきた以外で、第1話で注目して欲しいシーンやセリフなどがあれば教えてください。
のぐち:今年の3月に発売されたゲームの『3』(『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』)でもすごく話題を集めた、ボオス(・ブルネン)と、ランバー(・ドルン)が出る場面ですね。
――いつもライザたち三人のことを馬鹿にしている二人組ですね。
のぐち:第1話の前半のアフレコは、私と寺島さん、近藤さん、クラウディア(・バレンツ)役の大和田(仁美)の四人で収録したので、二人とは一緒に録れなかったんです。でも、先にボオスとランバーのセリフが録られていたので、それを流してもらってテストをやったら、二人の話し方が悪いやつすぎるんですよ(笑)。聴いてて笑っちゃうくらい本当に悪いやつで、テストが終わった瞬間、みんなで「極悪人すぎない?」「めっちゃ腹立つ!」とか笑っていました(笑)。
特にランバーは、たぶんゲームよりも少しセリフが増えていて、「ランバーって、こんなやつだったんだ」みたいな発見もあるし。ランバー役の落合福嗣さんがすごく楽しく演じたんだなっていうのも伝わってきました。この二人とライザたちとの関係には、今後もぜひ注目していただきたいです。
――のぐちさんにとって、『ライザのアトリエ』という作品や、ライザというキャラクターは、どのような存在になっていますか?
のぐち:ライザは夢を叶えてくれた本当に運命的なキャラクターで、ライザが錬金術に出会ったように、私もライザに出会えたんだなって感じていて。自分がやりたいと思っていたものに、こんなにもドンピシャなキャラを演じられていることが、役者として本当に幸せすぎることだと思っています。
最初は、主人公を演じられることだけでも嬉しかったのに、ゲームが『3』まで続いて。今回、アニメにもなって、キャラクターソングも歌えて。夢見ていた以上のことを叶えてくれたというか、言葉ではちょっと言い表せないぐらい、運命的に出会えたキャラクターだと思っています。
ちょっと話が逸れるんですが、クラウディア役の大和田は事務所の同期なんです。
――そうだったのですね。
のぐち:私たちは、本当にずっと仲が良くて、絶対にライザとクラウディアよりも仲が良いと思っているんです(笑)。『ライザのアトリエ』で、一緒に親友役をやれると決まったとき、大和田が「ゆりがやりたかった役じゃん。本当に良かったね!」って言ってくれたのが超嬉しくて。たしかに私は大和田に「こういう役がやりたいんだ」ってことをずっと言っていたので、それを分かってくれているからこその言葉が本当に嬉しくて。しかも、アニメでは一緒にアフレコもできて……。役にも恵まれましたが、周りのキャストの方にも、スタッフさんにも恵まれて。すごく月並みな言葉になっちゃうのですが、ライザに出会えて、本当に幸せを感じています。
――では、最後に第2話以降の見どころと、ここまで読んでくださった皆さんへのメッセージもお願いします。
のぐち:この作品は、ライザの成長物語であると同時に、出てくるキャラクターたちみんなが、それぞれの思いを抱えて成長していく、みんなの青春の1ページにもなっているので、第2話以降も誰が観ても楽しめる内容になっていると思います。
原作ファンの方の場合は、「ここゲームにもあった」とか、「サブイベントのシーン、アニメだとこういう描かれ方なのか」とか、いろんな原作の要素を見つけるのも絶対に楽しいですよね。きっと、「原作リスペクトありがとう、プラスアルファしてくれて、もっとありがとう」みたいな気持ちになるはずです(笑)。
アニメで初めて『ライザのアトリエ』を観てくださっている方は、たぶん観ていたら「ゲームもやりたい!」って気持ちになるはず。そういう風に自信を持ってオススメできる作品なので、第2話以降も楽しみにしていただけたらと思います。
[取材・文/丸本大輔]
TVアニメ『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』作品情報
あらすじ
そんな刺激が少ない村での暮らしに活力を持て余していたのは、平凡で特徴がないことが特徴の少女、ライザ。「あーあ。何か面白いことないかな。」窮屈で退屈な村、そこに身を置く“なんてことない農家の娘”である自分に不満を抱いていたライザは、ある日、幼馴染みのレントやタオとこっそり小舟に乗り込み、島の対岸へはじめての冒険に出かける。
そこで出会ったのは、“錬金術”という不思議な力を使う一人の男だった。その力に魅せられたライザは、錬金術を教えてほしいと頼み込む。“なんてことない農家の娘”から“錬金術士”へ。これまでの遊びとは違う、自分たちだけの“ひと夏の冒険”が始まる――。
25周年を迎えた「アトリエ」シリーズの人気作『ライザのアトリエ』が遂にアニメ化!
キャスト
(C)コーエーテクモゲームス/「ライザのアトリエ」製作委員会