夏アニメ『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』ヒロイン・ラッミス役:本渡楓さんインタビュー|定型文しか話さないけど、愛おしく感じるんです――前代未聞な本作ならではの工夫・魅力とは?
昼熊先生のライトノベル『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』。主人公が自動販売機(通称:ハッコン)として異世界に生まれ変わるという奇抜な設定と、魅力的なキャラクターが注目を集める人気作です。
本作のTVアニメが2023年7月5日より放送開始となります。本稿ではハッコンと共に異世界で冒険をするヒロイン・ラッミス役を演じる本渡さんにインタビュー。
本作ならではの工夫や見どころをたっぷりと語っていただいた他、物語を成立させる重要な役割どころであるラッミスの特徴、演技のポイントや、アフレコ収録時のエピソードも! 第1話の放送が待ち遠しい作品の魅力に迫ります。
主人公が無機物に転生!? フィクションの可能性は無限大
——本作は主人公が愛してやまない「自販機」に転生してしまうという作品ですが、本渡さんは大好きなものへの転生って受け入れられますか?
ラッミス役・本渡楓(以下、本渡):どうしようもなく愛しているのなら、無機物でも嬉しいかもしれません(笑)。でも、動物とはわけが違いますよね、動けないですし……。
——数ある転生作品の中でも、無機物に転生するってどんな物語になるのだろう?とタイトルを目にした時点で気になりました。
本渡:でも、ハッコンはすごく楽しそうですよね。すぐに状況を受け入れて、能力を上げたり、商品を入れ替えたりと商売を始めていて(笑)。
——本渡さん演じるラッミスと出会ったことで、商売が成り立ち、物語が動き出しますよね。改めて作品に対してはどのような印象がありましたか?
本渡:まず「ハッコンってどなたが演じるんだろう?」と思いました。キャラクターのビジュアルを見ると、声や演技の系統がなんとなくわかるのですが、ハッコンは想像できませんでした。
——転生前のハッコンは男性ですが、自販機などの自動音声って女性の声であることが多いですしね。
本渡:そうですよね。声が出る自動販売機ってあるとは思うんですけど、それが小説やアニメに主役として登場するんだなと。改めて「二次元って良いな!」と思いました。フィクションの可能性は無限です。
——そもそも主人公が無機物という作品自体が珍しいですよね。私は見たことないかもしれません。
本渡:オーディション時にタイトルを確認して「え? どういうこと?」ってなりました(笑)。原作やシナリオを読んでいる時にも、ひとりでツッコミを入れながら楽しく読み進めていき、最終的には「自動販売機って頑張れば、異世界でも意外と生き残れるんだ!」って(笑)。もし私が転生したとしても戦っていけそうだなと。
——生き抜く術を教わったんですね(笑)。
本渡:あと、自動販売機の商品の種類もたくさん出てきて楽しかったです。飲み物やスナック菓子だけじゃないものがあって面白い。
——公式サイトのキャストコメントにも「自動販売機だからこその面白さや遊びがあって、とっても楽しいです」と綴られていましたよね。
本渡:例えば、ハッコンが飲み物のみの自動販売機だったら、攻撃をするとしても炭酸飲料を勢いよく落として溢れさせちゃうくらいだと思うんですよ。でもハッコンは、生前自分が見たことのある自動販売機の商品なら出すことができるので、あるお菓子とコーラを組み合わせて……とか!
——なるほど! 商品を組み合わせて使うこともできるんですね。
本渡:そうなんです。商品のバリエーションや温度などの状態も自在に操ることができるので、そこで意思表示もできるんです。普通に飲み物を出してくれることもあれば、ちょっといじけている時にはわざと熱々にしたりして(笑)。自動音声の定型文しか話せないけど、上手にコミュニケーションを取ろうとするところが愛らしいんです。