夏アニメ『英雄教室』川島零士さん(ブレイド役)×木野日菜さん(クーフーリン役)インタビュー|クーが初登場した第3話、ブレイドの親子漫才のようなやり取りも見どころ【連載第4回】
シリーズ累計発行部数170万部突破の学園バトルファンタジー『英雄教室』(原作:新木 伸、イラスト:森沢晴行/集英社ダッシュエックス文庫刊)がTVアニメ化。この7月より好評放送中です。
本作は、世界を破滅の危機から救った“元”勇者ブレイドが“フツー”の青春を求めて奮闘する物語。英雄を養成するエリート学校「ローズウッド学園」に編入したブレイドは、個性豊かなクラスメイトたちと時にコミカル、時にシリアスに学園生活を繰り広げていきます。
本作の放送に合わせて、アニメイトタイムズではスタッフやキャストへのインタビューを実施。第4回となる今回は、ブレイド役の川島零士さんとクーフーリン(愛称:クー)役の木野日菜さんの対談をお届けします。
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「親さま」のイントネーションは無意識に生まれました
――まずは、クーが初登場となった第3話の感想をお聞かせ下さい。
クーフーリン役・木野日菜さん(以下、木野):クーはすごく小さくて可愛いのに、最初の方は意地っ張りというか、偉ぶる素振りをみせていて。ブレイドには「親さま」と懐くけど、学園のみんなには威嚇をする野性的なところがありました。クーはこういう感じの子なのかな? と思いきや、Bパートではどんどん内面的な部分や可愛らしさが見えてくる、思い出たっぷりの回です。でも、収録はすごく緊張したんですよ。
ブレイド・川島零士さん(以下、川島):本当ですか?
木野:第1話からみんなと一緒のスタートだったらあまり緊張しないんですけど、(現場の)雰囲気が出来上がっているのかな……と思いながらソワソワして収録に臨みました。
――クーはキャスト陣からも、原作やコミカライズの先生たちからも人気があって、そういう声は木野さんの耳に入っていましたか?
木野:全く知らなかったです。私自身すごく人見知りなので、原作の新木先生が見に来てくださったことや、岸田(こあら)先生がアフレコ現場レポートを描きに来てくださったことがあったんですけど、人見知り大爆発しちゃって全然話せなかったんです。もう一度チャンスをください、という感じですね(苦笑)。でも、そう言ってもらえるのは嬉しいです。
<英雄教室アフレコ現場レポート>
https://eiyukyoushitsu-anime.com/special/books/bk01.html
――川島さんは、第3話をご覧になっていかがでしたか?
川島:毎回言っていますけど、僕はクーが1番好きなんですよ。クーはドラゴンだから、みんなに威嚇する中で(自分を倒した)ブレイドにだけは来てくれるのが嬉しいなと僕自身は思いつつ、ブレイドに母性(父性)が溢れていって。ドラゴンは1人で生きていくのが本能で、その孤独をブレイドも感じるところがあったからこそ、「みんなと友だちになったら楽しいぞ」と伝えたい気持ちがあったんだろうな……と思えた回でしたね。
木野:本当に子育てしているみたいですよね。親鳥が雛鳥にちょこっとずつ教えていくような優しさがあるというか(笑)。
川島:クーにご飯をあげるシーンも大好きですね。面倒くさそうにあげたり、食べさせたあとに2人で笑ったり、第3話以降もいろいろなリアクションが見られますので。
――クーはブレイドのことを「親さま」と呼びますが、この呼び方についてはどう感じましたか?
木野:「親」が漢字で「さま」がひらがななので、私は普通の「親」と同じイントネーションで呼んでいたつもりだったんですけど、クーで喋ると勝手に「親↑さま」になっていたんですよ(笑)。
――ディレクションでそうなったのではなく?
木野:ではないんです。「なんか『親↑さま』になっていたから」と途中で言われて、「え!? 私ずっと『親↑さま』って言っていました??」と大混乱しちゃって。特殊なイントネーションになってしまいましたけど、結果的に人間ではないドラゴンとしてのクーらしい呼び方というか、普通とはちょっと感覚の違う愛着が持てる呼び方になったと思います。
川島:僕は「親↑さま」の方が好きですね。普通の「親さま」よりも、上に突き抜けて行く感じが、クーの性格とも相まっていいなと。言い方も、甘えたとき、お腹が空いているとき、元気なとき……とかいろいろありますけど、特に元気なときの「親さま〜!!」っていうスピード感が、このイントネーションだとより元気さが出ていいなと思っていました。
――そういう口調も動きもすごく可愛いクーですが、見た目の印象はいかがですか?
木野:資料を見たとき、女の子としてのイラストをめくると格好いいドラゴンが描かれていたから、何が起きたのか最初よくわからなくて(笑)。原作を読んで、そういうことだったのかとわかりました。八重歯が生えているとかちょいちょいドラゴン要素もあるし、パワフルな感じもあってすごく可愛いです。
――服装はなにげにかなりすごいですよね。
木野:そうなんですよ。初めて見た時は、布面積が少ない! と思いました(笑)。でも、声を当てていくにつれ、クーだったらこの格好もあり得るな、子供らしさ全開だからこその服だよねと思えて、全然気にならなかったです。ブレイドにお風呂で洗ってもらうシーンもありますけど、ほかのみんなは大人のお姉さん方なので色恋沙汰とかあるのに、クーとブレイドの間には全くないですし。
川島:個人的には、男女問わず上半身がシュッとして、下は膨らんだズボンというか民族的なフォルムなのが好きで。それもあって、クーはいいなと思ったんですよね。
――連載第2回で原作イラストの森沢晴行さんが「シルエットを意識して描いた」と話していましたが、シルエットからクーだとわかりますね。
川島:確かに。
木野:そう言われると、見たことのない珍しい格好をしていますよね。